【BFC35】五輪柔道家ホーン、一本は取れず……
<ウェルター級トーナメント準々決勝/5分3R>
リック・ホーン(米国)
Def.判定3-0:30-27、29-28、29-28
ジム・ウォールヘッド(英国)
試合開始早々、ジュードーの異名を持つウォールヘッドをドライブしたアテネ五輪米国柔道代表のホーン。自ら距離を取り左を伸ばしつつ、テイクダウンの機会を伺う。鋭いローをヒットさせたウォールヘッド、ホーンも負けじとローからパンチを打ちこんでいくが、なかなか両者の距離は縮まらない。
ウォールヘッドが前に踏み込むと、バックステップでかわすホーン。組みにいくが、ウォールヘッドが逆にステップバックする。小気味良いローから右を伸ばしたホーン、打っては下がり、ウォールヘッドに的をしぼらせない。前に出るシーンが増えてきたホーンに対し、ウォールヘッドは下がるシーンが目立ってくる。組みついて足払い、オープンブローを見せたホーンは、ウォールヘッドのローを受け、ややバランスを崩す。
ホーンのバランスの悪いミドルを捌き、前に出るウォールヘッドだが、距離感を掴むことなく初回を終える。2R、ウォールヘッドのローでホークの腰がやや沈む。続いてスーパーマンパンチを見せたウォールヘッドだったが、拳はホーンに届かない。
回転数こそ早いが、距離が遠いウォールヘッドのパンチ。左を伸ばすと、ウォールヘッドが右を被せていく。パンチ、クリンチともにウォールヘッドの距離を取られるホーンは、蹴り足を掴まれ、逆にテイクダウンを仕掛けられる。
スタンドをキープし、パンチを振るうホーンだが、その精度は決して高くない。相手の懐に踏み込まない打撃戦が続くなか、首相撲からヒザを見せたウォールヘッド。至近距離でパンチを打たれると、頭を下げるホーンにアッパーでも打ち込みたいところだ。
局面の打開を図るためにダブルレッグを見せたウォールヘッドだったが、2度ともホーンに切られてしまう。ラウンド終盤、両者の距離がやや縮まるも、ここでもクリーンヒットは見られなかった。
3R、互いにジャブを伸ばすなか、ホーンのローがヒットする。そのホーンの蹴り足を掴んでも、深追いはしないウォールヘッド。初回、そして2Rと同じように、制空権外からの打撃の交換が続く。前に出るのがホーン、対してウォールヘッドが下がりながらパンチを繰り出す展開に変わりはない。
残り2分、ウォールヘッドが吐き出したマウスピースを洗浄+装着するのに時間が取られる。再開後、ウォールヘッドのダブルレッグをホーンは、脇を一本さして、綺麗に投げ捨てる。トップをキープしたホーンは、ウォールヘッドが立ち上がるのに任せ、残り1分もスタンド戦に挑む。手数が多く、常に前に出るホーン。決め手にこそ欠けたが、その姿勢が評価され判定勝ちを収めた。