【UFC127】BJ-フィッチ戦は決め手なくドローに
■第12試合 ウェルター級/5分3R
BJ・ペン(米国)
Draw.判定ドロー
ジョン・フィッチ(米国)
試合開始早々、ダブルレッグで組みついたBJ。フィッチはケージを背にして、ヒザを突き上げて抵抗する。低い姿勢からテイクダウンを奪いたいBJに対し、脇を差し、フィッチは体重を掛けていく。向きを入れかえ、逆にBJをケージに押し込んだフィッチは、シングルレッグからダブルに切りかえようとする。
抜群のバランスを誇るBJがこれを耐えると、距離を取ったフィッチは左右の連打を見せ、そのまま低い姿勢でダブルレッグへ。これも絶えたBJは、態勢を入れかえエルボーを見せてから、一気にダブルレッグダイブを決める。
直後に四の字フックでバックを制したBJ。フィッチは背中を丸めて耐える。一度、フックをBJが外すと、起き上がろうと上体を起こしたフィッチに対し、足をフックしなおし、再びバックマウントへ。しかし、残り1分となり胸を合わせたフィッチが、パウンドを落し、距離をとって立ち上がる。
一瞬の間を与えることなく、組みつきBJをケージに押し込むフィッチ。シングルの態勢になるが、ここでもテイクダウンを奪えず、BJが初回を優勢なイメージを残し戦い終える。テイクダウンの攻防で削り合いが続いた1Rを終え、どちらがスタミナを失っているのだろうか。
2R、いきなり左ハイを見せたフィッチに対し、BJがフライングニーで応戦したが、ここで初めてテイクダウンを許してしまう。フィッチの頭を押し、右手をついて立ち上がろうとするBJに対し、両足を畳んだフィッチは、案の定、立ち上がり際でバックを狙う。胸を合わせた状態で立ち上がったBJ。フィッチはエルボーを見せる。BJに打撃を出させ、組みついていくフィッチだが、逆にケージを背にしたBJのエルボーを受ける。
打撃+ダブルレッグをケージ際で続けるフィッチ。その鼻から鮮血がこぼれ落ちる。向きを入れかえたBJは、ダブルレッグを仕掛けるが、ここで再び向きを入れかえたフィッチがヒザを突き上げる。
距離を取ったBJは、ヒザ蹴りを見せたフィッチからテイクダウンを奪うと、バックへ回り込み、チョークを狙う。両手でBJの左手を掴んだフィッチ。BJが残った手を喉に差し込もうとするが、フィッチは胸を合わせ、トップを奪う。
クローズドガードのBJに、重いパンチを落すことができないフィッチ。BJは足の裏でフィッチの体を伸ばしに掛かり、隙ができると即座に立ち上がり2Rが終了した。
思うように攻めることができないフィッチだったが3R開始と同時に、右ストレートを打ち込み、そのままテイクダウンに成功する。BJをケージに押し込み、左右のパウンドを落すフィッチだが、ここでもBJは距離を作り、立ち上がることに成功する。しかし、疲れが出てきたBJに対し、フィッチは間を与えず組みついて再びテイクダウン。フィッチ流の戦いをようやく実践できるようになり、左のエルボーをBJの顔面に連続して落す。
思うようにガードワークを駆使できず、パンチやエルボーを被弾する場面が目立ってきたBJは、必死でフレームを作るが、構わずフィッチの鉄槌が彼の顔面を襲う。ついに頭をマットにつけるようになったBJに、いよいよ勢いを増したフィッチのヒジ、拳が襲う。
ヒザが畳まれ、役目を果たさなくなったBJのガードワーク。フィッチはBJの頭部を右手で抱え、左のパウンドを連打する。無数のパウンドを受けるBJだが、背中を見せることは決してなく、必死でガードを上げ、フレームを作り続ける。このまま試合はタイムアップに。最終ラウンドは完全にフィッチのラウンドとなったが、ここで2P差はつくのか。あるいはBJがテイクダウンとバックマウントを奪った初回、2Rがどのように評価されるのか。
果たしてジャッジの裁定は、29-28が一人でフィッチ、残りの二人が28-28とドロー。1Rと2Rを微差でBJが制し、3Rにフィッチが2Pを取り返した形で試合は終わった。
「カウンター・レスリング、カウンターボクシング、上手く戦われた。もちろん、タイトルには挑戦したいけど、それはダナの判断。そしてファンの想うとおりだ。僕の13度の勝利は、タイトル挑戦の資格を十分に与えてくれるものだと思うけどね」とフィッチ。BJは「初回と2Rは僕がポジションを取っていた。試合はドローに終わった。また戦えと言われれば、その運命に従うよ」 と語り、オクタゴンをあとにした。