【IT’S SHOWTIME】カマル×アムラーニ、最高峰の殴り合い
【写真】ダメージが心配になるほどの打ち合いの末、ムサブ・アムラーニを相手に延長判定勝ちを手にしたモハメッド・カマル陣営。ライバル対決、会場内の盛り上がりが両者をファイターズ・ハイにさせたような試合だった(C) BEN POINTER/EFN
<70キロ/3分3R>
モハメッド・マカル(オランダ)
Def.延長R/判定4-1
モサブ・アムラーニ(オランダ)
実力派同士の対戦。ボーウィーやアヌワットをKOしたことがあるモサブ・アムラーニは、
誰もが認める世界のトップクラスに属するファイター。そのアムラーニと対戦するモハメッド・カマルも、今年のMAX世界大会ではドラゴに敗北を喫したものの、回転力の速い攻撃が特徴だ。手に汗握る接戦が予想された試合、ファーストコンタクトは、カマルからだった。
パンチからローキックを挨拶代わり。ここからアムラーニが、パンチをまとめ打ち。すると、カマルも打ち返し、激しい攻防となる。アムラーニがジャンピンニーから着地したと同時に、カマルの右フックがヒットし、アムラーニがふらつく。勢いづいたカマルはパンチをラッシュするが、アムラーニもフックで逆襲。
左右のフックが連続で当たり、今度はカマルが後退する。さらに前へ出るアムラーニだが、ここでカマルの右フックがヒットし、再び形勢逆転。ステップバックのアムラーニは、ラウンド終了間際に右フックが直撃させ、世界最高峰の戦いは2Rへ。
アムラーニは右フック、さらにヒザ蹴りから右フック、ヒザ蹴りをつなぎ、打ち終わりは肩を振りぬくような右フックを見せる。カマルは、やや下がりながらも右フック。ならばとアムラーニは、ヒザ蹴り、前蹴りを蹴り込み、カマルのボディを狙う。右フックを合わせるカマル。両者、ここでスローダウンも、カマルの右フックを契機に、再び打ち合いに。
ラウンド終盤になると、動きが落ちたアムラーニ、カマルの右フックがよく入る。アムラーニは、崩れ落ちそうになりながら、フックを返し、カマルの軸も乱れる。互角の打ち合いのまま2Rが終わった
3R、開始直後から打ち合いが始まった。カマルの右フック。アムラーニの左右のフック。当たれば倒れそうなパンチが、両者の目の前で交錯する。アムラーニは左右のフックから、ストレートに。対するカマルは、右フックからヒザ蹴り。さらに左フックが入り、アムラーニを追い込んだと思ったが、アムラーニはここでも左右のフックで逆襲に転じる。
カマルの左ストレートが入るが、舌を出して首を振るアムラーニ。驚くことに、互いに全力で打ち続ける。ここで、終了のゴング。ノンストップアクションの殴り合いは、本戦3Rでは決着がつかず、延長ラウンドへと突入した。
その延長ラウンド、カマルの右ストレートをかわしたアムラーニが、左右のフックで前進。さらに左フックへつなげ、追い込んでいく。下がるカマルに対し、アムラーニは右ストレート、右フック、右ローキックとつなげる。完全に失速したように見えたカマルだったが、左フックをヒットさせると、アムラーニが大きく揺れる。
それでもアムラーニは、左右のフックを放ち、カマルの前進を阻止しようと試みるが、足技が極端に少なくなっている。そんなアムラーニに対し、カマルは左アッパーから、左フックを直撃させる。アムラーニは、ノーガードでこれを受ける。体を左右に揺らし、ダメージをごまかすが、手数は極端に少なくなっている。
アムラーニは最後の最後にカマルを押し込み、ローブ際からエプロンに尻餅をつかせたが、ここで激闘はタイムアップに。裁定の結果、ジャッジ4名が支持したカマルが勝利。年間最優秀試試合候補をいえる一戦を、モハメッド・カマルが制した。