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【WEC52】バスケス、卓越した技術を発揮できず完敗

2010.11.12

■第10試合 フェザー級/5分3R
チャド・メンデス(米国)
Def.3R終了/判定
ハビエル・バスケス(米国)

年齢差9歳、34歳のバスケスはサウスポーの構えから右ジャブを繰り出す。右ハイで応えたメンデスは、いきなり前進してラッシュを掛ける。引き込むようにガードを取ったバスケスに付き合わないメンデス。バスケスはスタンドに戻り、ローを繰り出す。直後にメンデスがダブルレッグでテイクダウンを奪うが、バスケスはグラウンド戦を望み、自らこの展開を受け入れたように映った。

ラバーガードからエルボーを頭部に落とすバスケスをメンデスが持ち上げてスラムへ。右のパウンドを落とすメンデスは、細かいエルボーも見せる。再びラバーからエルボーを繰り出したバスケスが、ハイガードの状態になるが、すぐに態勢を戻し、オモプラッタを狙う。


距離ができたことで、勢いのあるパウンドを落とことができるようになったメンデスだが、直後にバスケスはラバーから再びオモプラッタへ。これをかわしたメンデスが中腰になると、バスケスはクローズドガードをとったが、メンデスは構わず左右のエルボーを落とす。ガードから然したる攻撃を見せることができなかったバスケスは、初回を落した。

2R、勢いのある右ローを見せたメンデス。テイクダウン狙いのバスケスにジャンピングニーを見せる。組みついてすぐに引き込んだバスケスは、初回同様ラバーの態勢に入るが、メンデスは腰をコントロールし、ここでもスラムを見せる。右のエルボーを放ったメンデスに対し、バスケスはガードを受けながら掌底を打った。

耳の回りに掌底という、まさにグレイシー柔術的な動きを見せたバスケスだが、クローズドの状態でパウンドを受け、クラッチがとけるとメンデスに立ち上がることを許してしまう。前方回転を見せたメンデスに対し、バスケスはこの機にトップへ。バックを許しながら立ち上がったメンデスは、ここでも前方回転しトップを奪い返す。クローズドを続けるバスケスに対し、レフェリーがブレイクを命じ、メンデス優勢のまま試合は最終ラウンドへ。

前に出てアッパーを繰り出すメンデスに、バスケスは左ローを放つが、簡単に倒される。立ち上がったメンデスを蹴り上げたバスケスだが、勝利を手にするには極めにいく仕掛けが欲しい。スタンドに戻ったバスケスは、直後のテイクダウン狙いに素直に背中を付けるが、倒れながらもギロチンぐらいの仕掛けは欲しいところだ。

再びブレイクを命じられ、試合がスタンドに戻ると、メンデスの左フックがバスケスを捉える。後方に下がり、引き込んだバスケス。メンデスはこのままトップキープでも敗北はない。鼻血を滴らせ、クローズドガードを取り続けるバスケスは、オモプラッタからハイガードも首を抜かれて万事休す。動きの落ちないメンデスにボディを殴られながら、バスケスは試合終了のホーンを聞いた。

当然、ジャッジはフルマークでメンデスを支持、バスケスはその卓越したグラップリング技術をMMAで発揮できないまま大切な一戦を落した。ある意味、義弟にあたるヒーロン&ヘナーが、グレイシー・アカデミーのメルマガ=グレイシー・インサイダーで、この試合の改良点をどのように解説するかが楽しみになってしまうバスケスの完敗劇だった。

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