【IFC】体重大幅オーバー、リコは前途不安な判定勝ち
<215ポンド契約/5分3R>
リコ・ロドリゲス(米国)
Def.判定3-0
ダニエル・タベラ(スペイン)
【写真】減量失敗でテイクダウンから抑え込むばかりのリコ・ロドリゲス。果たしてライトヘビー級転向で、今後の道が開けるのだろうか(C) Eliran Avital
タベラが下がりながらローを出し距離を取ること終始すると、前に出てジャブを繰り出すリコは、いきなり後ろ回し蹴りを見せる。徐々に距離を詰めたリコだが、バックブローや、ローを繰り出しつつ右へサークリングを続けるタベラを追い込めない。
ようやく組みついたリコ、10ポンド体重オーバーでキャッチウェイト戦となった試合だけあって、両者の体格差は明確だ。リコはタベラを持ち上げ、腹這いに叩きつける。頭からマットに落ちたタベラだが、ガードを取り、すぐに足関節を見せる。足を畳んで、この試みを遮断したリコは、直後にマウントを奪取。ハーフに戻し、潜りを見せるタベラだが、リコの巨漢を揺さぶることはできずクローズドガードへ。
細かいパンチ、エルボーをインサイドから落とすリコが、ケージに詰めてやや勢いのあるパンチを落したところで初回を終わった。2R、ローを蹴った直後に距離を取るタベラは、組み技は不利と承知している。とはいえ頭で分かっていても、体格差はいかんともしがたい。前に出てきたリコに組みつかれ、タベラはケージに押し込まれる。
その体格差を生かし、やや強引な攻めを繰り返すリコは、シングルレッグの状態でタベラを持ち上げ、テイクダウンに成功する。しかし、ハーフからリバーサルに成功したタベラ。そのままサイドに回ってパンチを落す。亀の態勢からシングルを狙うリコは、立ち上がることに成功したものの動きそのものは鈍くなっている。
逆に打撃でプレッシャーを掛けるタベラに対し、体の軸を崩しながらリコはハイキックで威嚇する。組みついたリコは、脇を差しテイクダウンから、しっかりとトップをキープ。コツコツとパウンドを落すリコが終盤を支配し、ラウンドを自らのものとした。
最終回、足を使って攻めるタイミングを計るタベラだが、リコのハイキックでケージ際に追い込まれ、そのままテイクダウンを許す。十字狙いを察知され、担ぎからパスを許したタベラの顔面にリコが右ヒジをこすりつける。ロールをしながら、立ち上がったタベラ。体格差を跳ね返し、善戦するが自ら攻め込むには至らない。右フックにテイクダウンを合わされたタベラは、簡単に背中にマットをつけるなど、気持ちが途切れた模様だ。
潜りも潰され、胸を合わせて抑え込まれたタベラ。スタミナに難のあるリコも、動きは重い。両足を畳みに来たリコに対し、タベラは首をギロチンに捉えようとするが、これを潰されると万事休す。リバーサル狙いにギロチンを合わされたところで、15分のハンディキャップマッチといっても過言でない試合を終えて、タベラは静かに判定負けのコールを聞いた。
「計量に失敗した僕との試合を受けてくれたダニエルに感謝したい。少し体重オーバーだったけど、今、ライトヘビー級に移行する過程にあるんだ」と語るリコ。この日の動きでは、ライトヘビー級でトップ争いに加わるには、減量以外にも努力が必要だと感じられた。