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【Strikeforce】ニックが因縁にケリ、KJを破り王座防衛

■ストライクフォース世界ウェルター級選手権試合/5分5R
[王者]ニック・ディアズ(米国)
Def.5R終了/判定
[挑戦者]KJ・ヌーン(米国)

【写真】結果こそニックの判定勝利となったが、ウェルターのニックを相手に、25分間を戦い抜いたKJの奮闘もまた強く印象に残った (提供/supplied) 格闘技ESPN

まずはニックの右ローで因縁の試合がスタート。いきなり大振りの左フックを見せたKJだが、これはニックが冷静にかわしていく。左ボディを伸ばすKJに、ニックはステップバック。左ジャブを見せるニックに対し、同じく左を合わせるKJ。ニックの左がクリーンヒットすると、KJは踏み込んで左を打ち込んだ。

さらに右アッパーを繰り出したKJに、ショートの右をヒットさせたニックは、バランスを崩したKJのバックに回り込み、テイクダウンに成功する。サイドからしっかりとKJを抑え込むニックは、首を殺しながら、じっくりと攻める。残り試合タイムは2分30秒、正面に回り込んだニックを蹴りあげ、後方に下がったKJは、立ち上がることに成功する。


左を伸ばし、体が流れながらも右フックを放っていくKJ、ニックはダブルレッグを見せるが、KJはしっかりと対処してスタンドをキープする。ニックの左にKJも左フックを合わせ、続いて左右のボディフックを打ち込む。終盤は互角の展開に持ち込んだKJだったが、初回を落して2Rを迎える。

左を触角のように伸ばし、距離を測るKJは、ハイを連打するニックに右から左のボディを打ち込む。左から右を伸ばしたニックは、右目の周囲を早くもカット。左フックをヒットさせたKJは、左だけでなく右でも力の籠ったパンチを放つ。

KJの左ボディフックで、動きが硬くなったニック。左から、さらに右ボディを伸ばすKJは、ニックの左ミドルに下がることなく、前に出てくる。いきなりボディにテンカオを見せたKJは、ニックのスピードアップを歓迎するかのように、乱打戦に持ち込む。スウェーでニックのパンチをかわし、ワンツーを放つKJは、右から左、さらに右をヒットし試合を支配する。

残り1分、再びテンカオを見せたKJ。この攻撃は届かなかったが、さらに右から左ボディを見せる。ニックのテイクダウン狙いを察知して、バックステップして距離を取ったKJが、流血のニックにハイキックを蹴りこんだところで、2Rが終了した。

3R、いきなりシングルレッグを見せたニックだが、KJは苦も無くかわすと、思い切り右フックを振りぬく。この一撃も空振に終わったが、直後にボディ打ち。左ジャブを返すニックだが、ボディを警戒してか、普段より構えが開かず、ややボディに肩を入れたような姿勢を時折取るようになる。

左を伸ばすKJ、逆に左ボディを放つニック。ローを蹴り合うなど、試合は、目には目を歯には歯をという意地の張り合いとなった。互角の打ち合いが続くこの回、両者ともやや動きのペースが落ちたものの、残り90秒となり、激しさが増す。距離を詰めたKJに、ヒザを突き上げたニック。対してローキックを返すKJは、下がりながらも左ボディから右を放っていく。

追いかけてパンチを打ち、距離を詰めるのはニックのペースといえるが、ラウンド終了間際にKJもパンチで前進し、試合は4Rに。

ローを蹴る両者、制空権作りは首相撲からヒザ蹴りを見せたニックが制す。左ジャブ、左ロー&ハイを放つニックは、KJのパンチを見切って左ジャブから右を狙う。

負けじと左を伸ばし、声を発しながらボディを連打したKJ。残り2分の時点でKJが左をヒットさせると、試合は一気にヒートアップする、前に出て左、右ボディを繰り出すニックに、左フックを返すKJ。再び首相撲からヒザ蹴りを見せたニックに、KJが左ボディ、左フックを打ち込む。

ニックがヒザ蹴りから左フックを放つと、明らかに動きが落ちたKJは、大きく左へ回りながら、時間の経過を待つ。残り10秒で距離を詰めたKJは、鼻のカットを気にしながら最終回前となるインターバルへ。

5R、場内の歓声が一際大きくなり、まずはKJの左にニックがシングルレッグを見せる。背中を向け、走りぬくように足を引き抜いたKJだが、ニックのパンチを被弾するケースが4Rから増えている。

ニックのジャブをダッキングでかわしたにKJ。ニックがダーティーボクシングからショートを連打する。左から右を伸ばすニックに、KJも左ボディを打ち返し、思い切りの良い左を伸ばす。組みついてテイクダウンを狙うニックは、明確なポイントをスコアしたいところだが、ここはKJも許さない。飛び込んで左を放ったKJは、ダッキングから左を伸ばす。
ニックの右をかわし、逆に右を打ち込んだKJは首相撲の展開を嫌がり、後方に下がって距離を取る。再び距離を詰めたKJを、ニックがアッパーで迎え撃つ。ダーティーボクシングから首相撲につなげ、ヒザを見せたのはニック。動きが落ち、スピードに欠けるようになったKJが、残り10秒でも前に出てくるが、これをいなしてタイムアップを迎えた。

右目の周囲を真っ赤に染まらせたニックだが、初回から5Rまで手数がそれほど落ちなかった。一方、顔の傷は少ないKJだが、徐々にペースダウンした印象は否めない。勝利をアピールする両者だが、裁定結果は48-47、49-46、49-46の3-0でニック・ディアズに――。1、4、5Rは明確にニックのラウンドであり、KJが確実に取ったのは2Rのみだったことから、妥当な判定といえるだろう。

試合後のインタビューでは、KJも素直にニックの勝利を認めていたが、ウェルター級のニック・ディアズにあれだけのファイトができるのだから、本格的にライト級王座戦線に割って入って欲しいところだ。

一方、因縁にケリを付けたニック。この日、タイロン・ウッドリーがアンドレ・ガルバォンを倒し、ポール・デイリーのストライクフォースデビューが控えているものの、頭一つ抜き出た存在であることは間違いない。

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