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【BFC27】ユリシーズ、得意技封印でスプリット判定勝利

2010.09.03

<バンタム級トーナメント準々決勝/5分3R>
ユリシーズ・ゴメス(米国)
Def.3R終了/判定2-1(29-28、29-28、28-29)
トラビス・リーディンガー(米国)

長身、リーチで大きくユリシーズを上回るリーディンガー。テコンドーの経験者は背中を伸ばしたような姿勢でロー、右を伸ばしていく。ローを繰り出しながら、テイクダウンの機会をうかがうユリシーズは、右で距離を詰めたあとも打撃戦を続ける。

と、リーディンガーの右ローをキャッチしたユリシーズがテイクダウンに成功する。担ぎパスを狙うユリシーズだが、リーディンガーが必死で足をきかせると、あっさりとスタンドへ戻る。直後にリーディンガーが、首相撲からヒザを突き上げる。首を取り直し、脇を差してリーディンガーをケージに押し込んだユリシーズが、首相撲からヒザ蹴りを見せ、直後に見事なタイミングでダブルレッグに移行。テイクダウンを奪ったところで初回を終える。

2R、再びリーディンガーのローをキャッチしてテイクダウンに成功したユリシーズ。長い足を生かしてガードを取るリーディンガーに対し、ここでもユリシーズは寝技に固執せず、自ら立ち上がってローを見せた。


スタンドに戻り、組み合った両者。腰をコントロールしたユリシーズがテイクダウンを狙うが、リーディンガーがヒザをボディに突き上げる。脇を差され、オーバーフックからヒザを見せたリーディガーだったが、ここでバランスを崩しテイクダウンを許す。

と、ユリシーズはすぐにステップバックし、スタンド戦を望む。直後にユリシーズの右フックがリーディンガーの顔面を捉えるが、だからといって打撃戦に挑むわけではなく、ユリシーズの狙いはあくまでもテイクダウンだ。残り10秒で再びテイクダウンを奪ったところで、2Rが終了した。

リーディンガーの打撃を受けず、テイクダウンに成功しても、体力温存か寝技を避けてゲームメイキングに徹したユリシーズ。最終回に入ってダブルレッグを狙うが、3度に渡り凌がれる。4度目の試みでリーディンガーをキャンバスに寝かせたユリシーズは、担ぎからパスを狙うも、足をきかされ、またも自ら立ち上がる。

ヒザを受けつつ、再びテイクダウンに成功したユリシーズは、立ち上がってはテイクダウンを繰り返す。と、ガードからリーディンガーが三角絞め、腕十字、アームロックを仕掛ける。さらに三角絞めから腕を伸ばしに掛かったリーディガー。やや強引な仕掛けで、長い足が逆に極めの妨げになったような攻めを凌いだユリシーズは、オモプラッタを抜けだし、再びスタンドへ。このまま試合はタイムアップとなり、ユリシーズは2-1のスプリットで判定勝ちを収めた。

得意分野を避け、さらに得意分野で攻め込まれたユリシーズ。不可解な裁定とはいえ、ジャッジの一人がリーディンガーにつけたように、判定では何が起こるか分からない。リーディンガーよりもテイクダウンディフェンスに長け、当て感の強いファイターが存在することを考えれば、寝技でもっと勝負に出て良いと思われる試合展開だった。

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