2007年最も飛躍したWEC 年間最終イベント
いよいよ開催まで1日を切ったWEC(ワールド・エクストリーム・ケージファイティング)の今年最後のイベント。昨年のズッファ買収により、2007年のMMAワールドで最も成長したプロモーションの最終興業らしく、世界3大タイトルに、ジェンス・パルヴァー&マルコ・ロウロの初出場と、ファンには見逃せない大会だ。
【写真】パウロ・フィリョが王座防衛に挑む (C) MMAPLANET
既に公式計量は終了しており、明日12日(水・現地時間)にラスベガスのハードロック・ホテル&カジノで全9試合が行われる。メインイベントは、WECが猛プッシュするフェザー級王者ユライア・フェイバーの防衛戦で、挑戦者はユライア以前の北米65kg最強の称号を持っていたジェフ・カーランだ。
アグレッシブだが、やや雑な面も残るユライアに、カーランがビジネスになる以前から、この階級のトップに君臨してきた意地を見せるのか?勢いはユライアにあり、ズッファも当然、ユライア×パルヴァーのチャンピオンシップを睨んでいるが、プロモーションの目論見はファイターの頑張りで霧散することもしばしば。勝負は蓋を開けてみるまでわからない。
もちろん、パルヴァーにとっても、勝利が約束されたWECデビューではない。彼の対戦相手カブ・スワンソンは、WECで2戦2勝。通算戦績も11勝1敗、勝手の分からなかったデビュー戦で敗北を喫して以来、3年間無敗で11連勝中というファイターだ。
米国MMA界軽量級のメッカ、南カリフォルニアのトータル・コンバットやKOTCでキャリアを重ねたスワンソンが、この一戦でWEC次期フェザー級チャレンジャーの権利を手に入れることも十分に考えられる。
また、マルコ・ガルバォンの名前で参戦するのは、プロ修斗やフューリーFCで活躍してきたマルコ・ロウロ。大沢ケンジに勝利後も来日機会が途絶えていたノヴァウニォンの強豪が万を持して米国デビューを飾る一番も見逃せない。
ロウロと同じブラジルからは、パウロ・フィリョがその腰に巻くミドル級王座の初防衛戦に挑む。前回のタイトル奪取した試合では、試合前から体調不良で嘔吐するという最悪のコンディションだったらしく、今回は「100パーセント、絶好調だ」と本人も意気込んでいる。挑戦者のチェール・シェノンは、この1年はボードッグで無敗を続けてきたレスリング系の選手。今や、往年のヒクソン・グレイシーばりのマウント・キープを見せるフィリョにどこまで迫れるか。5Rという長丁場も勝負の鍵を握りそうだ。
このほかライトヘビー級選手権試合のダグ・マーシャル×アリエル・ガンドゥーラ、TUF上がりでダナ・ホワイトがティト・オーティズとのボクシングマッチに挑む際、スパーリングパートナーを務めたアレックス・カラレキシス、UFCベテランで来日経験もあるジョン・アレッシオ、南加のパンクファイター=イアン・マッコールが、同じく軽量級のパイオニア=チャーリー・バレンシアと、とにかく気になるマッチアップがズラリと並んだWEC。日本人選手の契約も進んでおり、WECは要チェックのプロモーションだ。
■WECラインナップは下記の通り
WEC世界フェザー級選手権試合5分×5R
ユライア・フェイバー(米国)
×ジェフ・カーラン(米国)
フェザー級5分×3R
カブ・スワンソン(米国)
×ジェンス・パルヴァー(米国)
WEC世界ミドル級選手権試合5分×5R
パウロ・フィリョ(ブラジル)
×チェール・シェノン(米国)
WEC世界ライトヘビー級選手権試合5分×5R
ダグ・マーシャル(米国)
×アリエル・ガンドゥーラ
ウェルター級5分×3R
ジョン・アレッシオ(カナダ)
×トッド・ムーア(米国)
ミドル級5分×3R
ブライアン・ベーカー(米国)
×エリック・シャンバリ米国)
ライト級5分×3R
アレックス・カラレキシス(米国)
×エド・ラトクリフ(米国)
バンタム級5分×3R
イアン・マッコール(米国)
×チャーリー・バレンシア(米国)
バンタム級5分×3R
ブライアン・ボウルズ(米国)
×マルコ・ロウロ・ガルバォン(ブラジル)