【PFL CS2023#02】意外、組み技勝負に行かなかった柔術家アマンダ・レヴィが判定勝ちで契約を勝ち取る!!
<女子フェザー級/5分3R>
アマンダ・レヴィ(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ナランジャガル・シェンダユシュ(モンゴル)
右を当てたレヴィが、左もヒットさせる。ナランジャガルもカウンターで左を当てていくが、ガードが甘いか。組んだレヴィの頭を抱えて払い腰を狙ったナランジャガルは一度は耐えられるが2度目に投げ切る。ヘッドロックで抑えるナランジャガルだが、既にレヴィは左足をフックしバックを取る準備をしている。
抱えた頭が命綱のナランジャガルはアームロックを狙う。ついに頭を抜いたレヴィはボディトライアングルからRNCを仕掛けつつ殴っていく。手首を掴み、両腕で喉下を守るナランジャガルは殴られても腕を通させない。鉄槌を側頭部に打ち込むレヴィが完全にドミネイトしつつ絞めは極め切れなかった。
2R、いきなり右フックを当てたレヴィは、粗い打撃戦のなかで左の蹴りも繰り出す。ナランジャガルも右を返すが、ガードが甘く左を被弾する。それでも左フックを振りまわして当てたナランジャガルは、左ハイにも右を合わせようとする。ナランジャガルは右フックも当て、飛び込んできたレヴィにショートフックを連続で振るう。
打の圧はナランジャガルも負けておらず、レヴィは打撃から組むという動きになかなか出ることができない。殴られてもパンチの回転数が上がるナランジャガルに対し、レヴィは組まない。初回のバック奪取で若干のチアノーゼでもあるのか。間合いを測る戦いでは、契約を勝ち取ることは難しい。
逆にローにフックを当てて前に出るナランジャガル。左ハイで姿勢を乱したレヴィにフックを振るっていく。レヴィは左、続いて右をヒットさせるも打撃の間合いに留まることはない。ナランジャガルはフックの勢いを増して前に出る。レヴィも打撃戦で左を連続で当てるが、ナランジャガルは右フックを闇雲に返していく。結果、レヴィは2Rでテイクダウンを狙うことはなかった。
最終回、右の同士打ちから、右を入れたナランジャガル。ラフ&スラッピーな打ち合いのなかで効かせるのはレヴィではなく、ナランジャガルの方だ。先手を決めるのはレヴィでも、最後はナランジャガルのパンチに間合いを取り直している。逆にいえば、ナランジャガルは自ら距離を創ることができず、レヴィの動きに反応して動いていることになる。
そのナランジャガルがステップインしながら右を打ち込む。レヴィは左右のフックの圧に下がり、右腕を差したナランジャガルは投げずに離れる。ここでレヴィが前に出て殴りに行く。終盤、両者揃って手数が明らかに減りランジャガルは殴られて殴るスタイルで、レヴィも回ってかわすという流れが続く。残り20秒、左ハイを届かせたレヴィが印象点を稼ぐ。それでもナランジャガルも強烈な勢いでフックを振りまわして時間を迎えた。
パンチで手数、前に出る姿勢を見せたレヴィがポイントを稼げるファイトをしており、順当に3-0の判定勝ちに。投げても抑えに行かず、頭を話して立ち上がるような選択ができていれば、ナランジャガルもポイントを稼げていたか。勝者レヴィは「ここで戦えて良かった。3試合フィニッシュがあっても、プレッシャーは感じなかった。やるべきことをやったから」と話していたが、IQファイトは契約がなったあとに有効なMMAといえるだろう。
勝者4人がスマートケージに揃う。まずはモンテギューとレヴィの名前が呼ばれ、キャトラインとマルチンスは脱落となった。ファン投票に辿り着けなかったマルチンス、逆にファイナリストの2人に残ったレヴィだが、この試合内容でどれだけファンの支持を集めることができるのか。
セレブリティジャッジの3人=ランディ・クートゥアー、タイロン・ウッドリー、ペイジ・ヴァンサンドはモンタギューを選ぶ。そして……ファン投票は何とレヴィに。結果、レイ・セフォーは「シーズンを如何に戦えるかを考慮すると」と前置きし、レヴィが契約を勝ち取った。
レヴィのファン投票勝利は意外の一言。一進一退のファイトが評価されたのか、あるいは投票ができるのはfubo TVのみ、だからか。fubo TVをVPNなしで視聴できるのは米国、カナダ、スペインと限定的だ。米国人視聴者が米国人ファイターを支持する。そんな単純は話で落ち着いてしまうのか。いずれにせよ、ファン投票にの穴、そしてカラクリが見え隠れしたように感じる。
何よりも注視したいのはセフォーの「シーズンを見据えて契約する」という発言だ。これはもう決まった相手と戦う選手は、クリアに一本勝ちしても力が及ばないことを意味してしまっているのではないだろうか……。