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【Pan Championship】パン柔術無差別級レポート〈02〉

2014.03.26

トランス、コーネリアスら台頭する重量級若手に、ライト級世界最強のロが立ちはだかる!

12日(水・現地時間)から16日(日・同)まで、米国カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が開催された。5日に渡る世界で2番目の大きな柔術トーナメント、アダルト黒帯勢が登場した土曜と日曜の詳細をお伝えしたい。まずは、土曜日に行われた黒帯無差別級の部(準決勝戦まで)の続きをお送りする。

ヴィクトー・エスティマ(バッハ)を倒したレアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)と準決勝で戦う権利をかけて戦ったのは、キーナン・コーネリアス(アトス)とアレキサンダー・トランス(チェッキマット)の重量級若手二人。去年までミヤオ兄弟と並んで最強の茶帯と称されたコーネリアスの方が知名度は高いが、デンマーク出身、2012年の最重量級&無差別級茶帯世界王者のトランスもまた、最新技術を駆使して世界のトップに食い込んでいる新星の一人だ。

試合開始早々引き込んで得意のオープンガードの形を作ったコーネリアス。しかし、トランスはすぐに横に動いてパス。体格を利して完全にサイドで押さえ込み、3Pを先取してみせた。

その後体勢を戻したコーネリアスは、ベリンボロでトランスを崩すと50/50の体勢に。さらに起き上がって3-2と点差を縮めてみせた。ただし、ここに罠が待っていた。トランスは50/50の体勢をキープしたまま足狙い。それに上手く対応して防いでゆくコーネリアスだが、一度絡まった50/50が解除できず、展開が動かない。結局コーネリアスは、自らのベリンボロの仕掛けが仇となり、50/50ポジションの泥沼に嵌ったまま準々決勝敗退となったのだった……。

かくしてもう一つの準決勝戦は、ロ×トランスの対決に。最初に引き込んだトランスは、自らが最も得意とする、相手のラペラを引き出してのハーフガードに。対するロも右膝を相手の股間に押し込み、右手で相手の足を押し下げる得意の形に。トランスはここからディープハーフを作って煽りに行くが、ロはバランスを保つと、必殺の脇を一本差してのニースルーパスに。背中を見せて逃げることを余儀なくされたトランスから、アドバンテージを奪ってみせた。

その後も、ディープハーフからのスイープを狙うトランスと、見事なバランスを保って脇差しを狙うロの白熱の攻防が続く。やがて50/50を作ったトランスは、そこから自らの両足を組まずバック狙い。それでもロが崩れないと見るや膝十字狙いに変化して、さらにそこから立ち上がって上を奪取! うつ伏せで抵抗したロが場外に出たところでブレイク。このトランスの攻撃が2Pか、それともアドバンテージと判定されるかが注目されたが、レフェリーはアドバンテージを指示。それでもトランスは同点に追いついた。

再開後、またもトランスのハーフとロの脇差しパスの攻防が続く。ロが右膝を深く入れてパスか、と思われたところでトランスが横に返す。体が高く浮き、完全に返されたかに見えたロだが、すぐさま片手をポストして立つロ。残り時間が少ないなか、アドバンテージで逆転したトランスは、さらに引き込んで仕掛けてゆくが、ロがまたもや脇を差して必殺のニースライドパスへ。さらにロは、深く入れた右足を大きく外側にステップしてのパスに変化! あわやパス完成かと思われたが、なんとかうつ伏せに逃げるトランス。残り十数秒で追い付いたロは、さらにフックを狙いつつ、トランスのラペラを首に巻いて崩して、ニアマウントを奪取。 ここで試合は時間切れ。

怒濤の攻撃を見せて、残り数秒の時点でアドバンテージで上回って勝利したロは、大歓声のなか飛び跳ねて歓喜を表現。ライト級/ミドル級のロが、驚異のバランスとパスガード力を存分に利して、最重量級のトランスの仕掛けを制してみせたのだった。結果、最終日の締めに行われる無差別級決勝戦は、本来はミディアム・ヘビー級のガウヴァオンと、本来ライト級(今回はミドル級で参戦)のロの間で争われることとなった。

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