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【PXC43】山籠もり敢行VV.mei 「TUFストロー級? 何とも……」

2014.03.26

VV mei

【写真】山籠もり中の一枚 、このような自然のなかで精神面を鍛えている(C)MEI YAMAGUCHI

29日(土・同)にフィリピン、マニア・パシグのイナレス・スポーツアリーナで開催されるPXC43で、ジーナ・イノイオングと戦うVV.mei。昨年10月のPXC40のパトリシア・ヴィドニック戦以来、5カ月振りにPXC参戦となるVV.mei、今回からアトム級に階級を下げての参戦となる。

目標は世界一、ストロー級のTUFにも目もくれない武道家然としたVV.mei、フィリピン遠征直前にイノイオング戦への抱負を訊いた。
Text by S.Tortoise-Pond

――3月29日、グアムで開催されるPXC 42で、ジーナ・イノイオング選手と対戦するV.V mei選手です。今回、山籠もりをされたそうですね。

「はい。4年前から年3回ほど、和歌山県のとある山に行っています。そこに武道関係の道場があって、そこに3日から、長くて5日ぐらいお世話になっているんです」

――山籠もりでは、どんな練習をしているのですか。

「精神修業ですね。武道にしても格闘技にしても内面……精神面が大事だと思うんです。そういう部分を鍛えられたら、日常にも活かせますし。なんて言うんだろう? 言葉では説明しづらいんですけど(苦笑)、格闘技は相手と1対1で向かい合うわけじゃないですか。そこでどれだけ相手と向かい合えているのか。日本には昔から『気』というものがありますけど、そういうものを大事にしないといけない、と考えているんです」

――これまで精神修業の成果は出ているのでしょうか。

「もちろん、行ってすぐに成果が出るものではないです。『石の上にも三年』といいますけど、私もまずは三年やってみようと思って始めました。その成果は、一昨年のGirls S-cup世界トーナメント(シュートボクシングが年1回開催する女子のトーナメント)で、ロレーナ・クライン選手と対戦した時に、一番実感できました。うーん……無駄なものが頭の中に無かったというか。気持ちがロレーナ選手だけに向かっていました。パフォーマンスの部分でも変わってきていると思います」

――確かにロレーナ戦では延長ラウンドで、ヴィー選手が連続でシュートポイント(後方への投げで加点)を奪った時も、その集中力の高さが感じられました。

「試合以外、練習や日常の中にも、精神修業の成果は出てきているように感じます」

――MMAでは次のPXCから48kg、アトム級に転向します。これまで52kg(ストロー級)で戦っていましたが、階級転向を決意したのは、どんな理由からだったのですか。

「もともと自分でも48kgに落としたいと思っていたんですよ。スマックガールに出始めた時、日本でも海外でも48kgの選手は少なかったじゃないですか。日本でいえば辻結花さんと藤井惠さんという、すごい2人が52kgでやっていて、私はそんな高いところを目指してやっていきたかったんです。でも時が経つにつれて、48kgも盛り上がってきた。私自身も、海外で試合をしていると、52kgでは難しいかなと感じていたところだったんです」

――これまで海外では2012年3月のカーチャ・カンカンパ戦(フィンランド、Botnia Punishment)、昨年10月のパトリシア・ヴィドニック戦(PXC 40)は共に判定負け。試合映像を見るかぎり、技術的な部分以上に、やはり体格差は大きかったように思います。

「外国人選手が相手となると、日本でいえば60kgぐらいの選手と戦っているようなフィジカル差を感じます。ただ、前回の相手はジェシカ・アギラーにもフィジカルでは勝っていたような選手で、ガードの中に引き込み何もさせないというスタイルでした。私はその相手にフィジカル面で圧倒はされていない。そこで48kgに落としたら、もっと私の良さが出せるんじゃないかと思うんですよ」

――ただ、ヴィー選手がアトム級に落とすところで、UFCが女子ストロー級のTUFをスタートさせます。

「それに関しては何も思わないですね。もちろん『女子ストロー級のTUFに参加しないの?』とはよく聞かれますよ(苦笑)。でも私の目標は、世界一になること。女子ストロー級のTUFに出たら、注目はされるかもしれないけど、そのままUFCに出て勝てるかどうかは……難しい。有名になるかもしれないけど勝てない。それが何に繋がるのか。世界一という目標には繋がっていかないんです」

――優先されるのは勝利、そして世界一になることだと。

「だったら注目されるからといって、無理にUFCの女子ストロー級を目指すのではなく、アトム級で注目されるような結果を残す。UFCも女子アトム級を始めるようになる結果を目指していきたいです」

――そんなアトム級転向初戦、対戦相手であるジーナ・イノイオング選手にはどんな印象を持っていますか。

GINA INIONG【写真】キャリア2勝1敗とはいえ、マーク・サンジアオ率いるチーム・ラカイ所属のイノイオングは決して侮れない相手か(C)PXC

「打撃はちゃんと狙ってくるし、身体能力も高そうですね。動画なので細かい技術をチェックできたわけじゃないんですけど、これまでの3試合を見るかぎり、適応能力は未知数。私との試合までに、どれだけ伸びているか、油断できない相手だと思います」

――イノイオング選手は打撃、散打をベースとするチーム・ラカイ所属で、これまで2勝1敗。2戦目は韓国人選手を相手に前へ出られず判定負けを喫しています。しかし3戦目、昨年11月のPXC 41では持ち味である打撃をMMAに適応させているように感じました。

「外国人選手はプロで3戦しかしていないといっても、それが判断基準にはならないですよね。それと日本は基本5分×2ラウンドで、3ラウンド戦うことが少ないじゃないですか。海外で試合をして、その違いは大きいんじゃないかと思いました。日本でも基本3ラウンドにしていかないと、世界基準に遅れていくような気がします」

――なるほど……日本の女子MMAも、転換期を迎えているのかもしれないですね。では最後に、次の試合に向けてメッセージをお願いします。

「まず日本人が強いというところを見せたいし、PXCの次は、海外で揉まれた強さをまた日本でお見せしたいと思っています。そこに繋げていくためにも、今回は必ず勝ちを掴んできます!」

■ PXC43 対戦カード

<PXCフライ級王座決定戦/5分5R>
アレ・カリ(フィリピン)
アーネスト・モンティーラJr(フィリピン)

<女子アトム級/5分3R>
ジナ・イニオン(フィリピン)
VV Mei(日本)

<ライト級/5分3R>
レノ・レミジオ (米国)
クリスタ・ラニーロ(フィリピン)

<バンタム級/5分3R>
ロランド・ディ(フィリピン)
パク・ハンビン(韓国)

<フライ級/5分3R>
ジネル・ラウサ(フィリピン)
ベンソン・デロポーレ(フィリピン)

<ストロー級/5分3R>
ジェローム・ワナワン(フィリピン)
ロイ・ドリゲス(フィリピン)

<フライ級/5分3R>
キッド・オライス(フィリピン)
ディーン・ベルムデス(フィリピン)

<バンタム級/5分3R>
ジョセフ・メルカド(フィリピン)
ドミニエル・エドゥアウべ(フィリピン)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・モンタルバン(フィリピン)
ロード・レイ・ヤミット(フィリピン)

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