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【ONE130】フリースタイル戦でDJと戦うロッタン「MMAになっても、DJはいつものように動けない」

【写真】MMAルール前、DJは戦うのか、逃げるのか。MMAルール、ロッタンは戦うのか、守るのか (C)ONE

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、ロッタン・シットムアンノンがフリースタイル・フライ級3分4Rマッチでデメトリウス・ジョンソンと戦う。

ムエタイ→MMA→ムエタイ→MMAというミックスルールの異種格闘技戦は、MMAになればDJが一本勝ちするという読みが大半をしているだろう。そんななかロッタンにZOOMインタビューを試みた。

そこにはただ明るいだけでなく、しっかりと戦局を分析し──自身の勝算をロッタンは叶った。


――ドクターと一緒にいるということで取材が1時間遅れましたが、何か問題でも生じたのでしょうか。

「そんなことないよ。全く大丈夫。ハードトレーニングを続けているので、ボディをチェックしてもらっていただけだよ」

──それは良かったです。ところでDJとのフリースタイル戦が10日後に迫ってきました。12月5日に戦う予定だったのが、大会の延期で3カ月準備期間が増えました。

「練習する時間が増えたことは良かったよ。ただし、いつ戦おうがMMAレジェンドと戦うことに変わりはないからね。3カ月延びようが、3年延びようがそこは変わりない。でも、より良い準備はこの間にできたことは間違いないよ」

──この3カ月、集中していたのはムエタイ、それともMMAですか。

「どっちもだよ。MMAもムエタイもやってきた」

──MMAルールでDJをやり合うことに関して、自信のほどは?

「僕はいつだって自信を持っている。キャリア全体を通じて、自信がなかったことなんてない。ファイターでいるためには、自信が一番大切になってくるからね。誰と戦っても勝てると思ってきた」

──それがDJとMMAで戦っても変わりないと?

「DJは絶対に寝技に持ち込もうとする。絶対だよ。そこはコーチ陣と徹底して準備してきた。あまり寝技になることはないと思う。テイクダウンされないよう戦うから」

──……。そうなると、ケージを使ってテイクダウン防御を試みるということでしょうか。

「あらゆる状況を想定して練習してきた。スプロール、アングルを研究してね。特にケージ中央でテイクダウンを防ぎ、如何に打撃を入れるかという部分に注意を払って来たよ。ただし、僕の方からケージを背負って戦おうとは思ない。ケージを使われた方が、テイクダウンを取られやすいと考えているから。それが僕らのチームがDJを研究して出した結論だよ。ケージ際は危ない」

──なるほどぉ。ところでムエタイでは足を掴むことを許されていないです。ただし、MMAは可能になります。本来、ムエタイはどのような状況でも攻撃が許されていたマーシャルアーツで、それがスポーツとして普及し今のルールが用いられるようになりました。古の何でも有り時代のムエタイのように、足を取って来る相手にロッタンのヒザは有効でしょうか。

「首相撲が僕のMMAを助けてくれることは確かだよ。ただし、ヒザ蹴りは危ない。リスクが高くなる。そのタイミングで足を掴まれ、テイクダウンを許してしまう。もちろん有効な場面もあるし、そうなれば使うよ。DJのスピードを考えると、安易に使えない。それなら首相撲から崩しの方が有効になるはずだよ」

──ではタイナーはどうでしょうか。ケージに押し込んでヒザとか蹴り込めると、もう浪漫ですね。

「それもタイミング次第、実際に練習でタイナーを使うことがある。そうやって相手を壁に押し込むんだ。まぁ足を掴んで引き上げる機会が、DJを相手にあるかどうかだよね。使えるなら、使うよ」

──実は今回の試合、MMAルールのラウンドよりも、ムエタイ・ルールの時の方がどういう試合展開になるのか予想がつきません。本来、ムエタイは足や拳が届く距離で向き合って、打撃を出し合う競技です。その距離に絶対にいないといけない、正面から打撃を交換し合わないといけないのか。あるいはある程度、MMAのように遠い距離を取ることが許されるのか。

「そんな質問をする必要ないよ。1R、僕は当然アグレッシブに戦う。DJが逃げ回ろうが、立ち向かってこようが僕は思い切り攻めるだけだよ。DJはシンガポールのファンは、彼が僕を極めるシーンが見られると言っているけど、それができないよう初回に攻めまくる」

──試合が2Rを迎えることはない?

「初回にKO勝ちするとは言い切れない。その機会があればKOを狙うし、ダメージを与えることは絶対だよ。でもケージは広くて、きっと逃げ回るDJを捕まえるのは大変になるだろう。ただし、そういう試合をしていると初回が終わる時には彼は疲れている。それにいくらかダメージを与えることもできているはずだ。

そうなると、DJはMMAルールになったからといっていつものように動きことはできなくなっているだろう」

──このフリースタイル・ルールを経験してから、MMAを戦うことを想定していますか。

「この試合を戦うことで、様々な可能性が広がることになるだろうね。もし、コトが上手く運べばフルMMAルールの試合に挑むことになると思う」

──では26日にどのような試合をファンに見せたいと考えていますか。

「前回の試合から1年近く、戦うことができなかった。今回のルールの試合はONEの歴史のなかでも初めて行われる試合だ。MMAを戦ったことがない僕にとって、MMAの伝説的なファイターと戦える最高の機会になる。DJはMMAのフライ級で世界のトップ、僕はムエタイのフライ級で世界のトップ。この試合は伝説になるよ、KOで終わろうがサブミッションで決着がつこうが。

だから、絶対にこの試合を見逃して欲しくない。そしてONE Xのなかで一番良い試合にしたい。僕とDJの試合を見たファンが、この戦いを一生忘れられなくなる。そんな戦いを皆に見せたいんだ。そのためにONEはこの試合を組んだ。それに個人的に僕はDJの試合をずっと見てきた。彼が素晴らしくハイレベルなファイターだからだ。まさか、彼と戦うことができるとは思ってもいなかった。今からワクワクが止まらないんだ。今すぐにでも、DJと戦いたいよ」

──あと、このインタビューの動画を撮っているABEMAスタッフから質問がありました。この試合とは関係ないのですが、那須川天心×武尊戦の予想をお願いできますか。

※純粋立ち技ですので──この質問への返答はABEMAで確認ください──Stay tuned for Coming Up ABEMA’s Program !!!──

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)

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