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【WEC48】水垣偉弥が背水の出陣、その結果は――?

2010.04.25

■第2試合 バンタム級/5分3R
水垣偉弥(日本)
Def.3R終了/判定
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)

【写真】強豪ヤヒーラを下した水垣偉弥。WECで2勝を挙げた日本人ファイターはこれまで三浦広光しかいなかっただけに、今後の活躍に更なる期待が集まりそうだ (C) ZUFFA

ケビン・ランデルマンのように両足ジャンプをしながら、コールを受けた水垣は、ケージ中央からプレッシャーを与えるように、パンチを放っていく。すぐにダブルレッグに出たハニだが、水垣はケージを利用して耐え、逆に投げでトップを奪う。

すぐに立ち上がったハニが再びテイクダウンを仕掛けるが、今度は水垣がすぐに立ち上がる。バックを許しそうになった水垣が、向き合おうとすると、ハニは強引にギロチンを仕掛けていった。


首を抜いた瞬間にハニはバックを奪い、自ら背中をキャンバスにつけて足をフックしようとするも、水垣はここでも立ち上がってフックは許さない。ハニは背中に飛び乗るが、水垣はこれを振り落とす。ハニが立ち上がるのを待った水垣は、ローを放ち、ハニは左オーバーフックで応える。

打撃戦になると分があるのは水垣だ。右フックから左を放つと、ハニは後方へ下がる。荒いパンチを放ちながらも、ケージに追い込まれたハニは、組みつかれるとすぐに態勢を入れ換え水垣をケージに詰める。

すると、差し合いで強い水垣は、この場面でテイクダウンを奪いトップに。残り10秒を切って、水垣が大きな振りのパウンドを2発落として初回を終えた。

2R、ハニのローに素早いパンチを2発放った水垣は、豪快なアッパーを放ち、ハニを前進を許さない。切れのあるパンチでペースを奪った水垣は、打撃でプレッシャーを与え、ハニを苦手な打撃戦に呼応させる。

ケージに詰められながら、シングルで水垣に尻持ちをつかせたハニだが、向き合って水垣は再びトップに。細かいパンチ、右エルボーを落とした水垣。ハニが右腕をフックしにかかっても、引き抜いて細かいパンチを落とす。直後にレフェリーがブレイクを掛け、試合はスタンドへ。左から右を伸ばす水垣は、低い構えでテイクダウンを警戒しつつ、自らがすべきことを遂行していく。

パンチを見せても、すぐに距離をとるハニ。水垣は、足を止め、パンチの交換をすると、予定通り打ち勝っていく。たまらず距離を取り直すハニは、テイクダウン狙いから引き込むが、何も仕掛けることはできず、このラウンドは水垣のものとなった。

最終ラウンド、パンチを警戒するハニにローを2発狙った水垣は、続いて左ボディフックをヒットさせる。距離が近づくと、ハニは首相撲からダブルレッグを仕掛けるが、水垣はケージを利用し倒れない。ジェイク・シールズや青木真也のように尻持ちをついた相手の足をロックし、水垣に背中をつけさせようとしたハニは、素早く足を引きぬいて立ち上がった水垣からバックを奪う。背中を預けた状態で、エルボーを見せた水垣だが、足のフックを許しピンチを招く。

チョークを防ぐ水垣は、パンチを頭に受け、タートルポジションになったところで、ハニの右腕が喉元に喰いこんでくる。だが、ここでもディフェンスした水垣は、胸を合わせトップを奪い返す。残り90秒、インサイドの水垣は左エルボーを落とすが、大きなダメージを与えることはできない。その後もトップこそキープするが、効果的な動きはなかったが、トップをキープした状態で試合を終えた。

2Rは確実に水垣、3Rはややハニが優勢か。問題は1Rだ。水垣はバックを許したものの、打撃ではプレッシャーを与え、最後はトップでラウンドを終えている。初回の試合展開をどのようにジャッジが裁定するか――。

結果、29-28、29-28、30-27で、打撃優勢・現代MMA勝利の方程式を守った水垣が厳しい試合を制し、WEC参戦後、戦績を2勝2敗の五分に戻した。

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