この星の格闘技を追いかける

【UFC269】シュネルと対戦、堀内佑馬の同門ペレス「コーチ・オーヤマなくして、僕のキャリアはない」

2021.12.09

【写真】ペレスが第4試合に出場!! UFC PPV大会の凄さ(C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)、2021年のUFCにとって最後のPPV大会=UFC269「Oliveira vs Poirier」がネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催される。

UFC世界ライト級選手権試合=シャーウス・オリヴェイラ✖ダスティン・ポイエー、UFC世界女子バンタム級選手権試合= アマンダ・ヌネス✖ ジュリアナ・ペニャというWクラウンに加え、メインカードではコディ・ガーブラントのフライ級転向初戦=カイカラ・フランス戦、ショーン・オマリー✖パウリアン・パイヴァという見逃せないラインナップが揃っている。

このカードがメインカードでないのか──と目を疑ってしまうペドロ・ムニョス✖ドミニク・クルーズが組まれたプレリミに、前回の試合でフライ級王座挑戦したアレックス・ペレスの再起戦が組まれている。

堀内佑馬が所属するチーム・オーヤマを引っ張るタイトルコンテンダーが、チーム・オーヤマの強さ=コリン・オーヤマの語った。


──マット・シュネルと土曜日に戦います。今の気持ちを教えてください。

「良い感じだよ。あとは計量を済ませて戦うだけ。全てやり遂げたよ」

──昨年11月にデイヴィソン・フィゲイレドの持つ世界フライ級王座に挑戦し、残念ながら敗退。それから1年以上、試合間隔が空きました。

「またオクタゴンで戦えるだけの練習をやってきた。そうやって生活しているんだから、凄く嬉しいよ。ソファに座って収入を得ているんじゃなくて、戦って食っているんだからオクラゴンに戻らないとね」

──世界戦を経験したことは、これからキャリアを再構築するためにアドバンテージになるでしょうか。

「それは……これからの僕の試合次第だろうね。タイトルショットでなくても、全ての試合で学ぶことはある。勝っても負けても、ドローであってもキャリアアップに欠かせないモノだよ」

──チームメイトの堀内佑馬選手は、いつも如何にアレックスが強い選手が話してくれます。

「アハハハ。ユーマはグッドキッドだ。今、一緒にベガスに来ているんだよ。ユーマは日々、強くなっている。必死に練習しているからね。ユーマは僕の大切なトレーニングパートナーの1人だよ。

1年間、試合がなかった間もずっとユーマとトレーニングしてきた。家族と過ごす時間以外は、全てをMMAに費やしているから毎日のようにユーマとはジムで顔を合わせているよ」

──奇遇なことに、2011年5月6日にタチパレスで行われたタチパレス・ファイツの取材したのですが、オープニングバウトがアレックスのデビュー戦だったんです。

「ユーマに聞いたよ(笑)。写真も見せてもらった。リムーアは僕のホームタウンだったんだ」

──そうだったのですね。アレックスがデビューした10年前はTUFこそありましたが、コンテンダーシリーズやLFAなどUFCへの明確な登竜門がなかった時代でした。最終的に2017年のコンテンダーシリーズで勝利してUFCへ。6年で17勝4敗という戦績を重ねた末でした。

「正直、ずっとUFCで戦えなくて『不公平だ』って思っていた時期もあったよ。『僕はUFCで戦うに相応しいはずだ』とか、色々と言っていた。でも振り返ると、それだけキャリアんを積んでUFCで戦うことになり良かったと思えるようになったんだ。今では5勝や6勝でUFCと契約できる選手がいるけど、オクタゴンで勝てないとまたローカルショーに逆戻りだ。

僕は幸いなことに、しっかりと経験を積んだから4年以上過ぎても今もUFCと契約できている。『来週、試合だ。行けるか?』っていうことでなく、UFCに辿り着いた。それまで自分がやってきたことがあったから、今の自分があると思っている」

──土曜日の試合は再びタイトル戦線に戻るために大切な試合になります。シュネルの印象は?

「タフファイターだよ。どんな状況でも戦える。ランキングでは僕が4位で彼は9位だ。でも、そんなものは関係ないよ。ランキングはただ過去に誰と戦ってきたかを反映しているだけで、試合にそんな数字は何も影響しない。今回、僕はしっかりと仕上げてきた。マットもそうであってほしい。

僕らは2人揃って前回の試合で負けている。2人とも負けられない試合だからこそ、マットには過去最高の調子で向かってきてほしいんだ。彼は凄く良いヤツなんだ。話をする仲だし、そんな彼と戦えることにワクワクしている」

──マット・シュネルはコレといった大きな武器はないですが、打とレスリング、レスリングと柔術がシンクロしていてラグの無いファイターに感じます。

「そうウェルラウンダーだよ。一つの攻めを見せると、次の動きに入っている。厄介な相手だよ。パズルのような一戦になるだろうけど、しっかりと打開して勝利を手にするつもりさ」

──アレックスも強いレスリングのバックグランドがありながら、しっかりと蹴りがつかえるウェルラウンダーです。

「コーチ(コリン)・オーヤマと、7年間一緒にやってきて今も毎日のように少しずつディティールを変え、少しずつ成長している。コーチ・オーヤマ、ジヴァ・サンタナのワン柔術を始め、他のジムでも練習していて皆の教えを生かしたスタイルを創ってきたんだ」

──シュネルは以前、チーム・メイトのルイス・スモルカと戦っています。つまりオーヤマ・コーチは既にシュネルのことを研究していたことになりますね。

「う~ん、でも僕とルイスはまるでタイプが違うファイターだからね。あの時、コーチはルイスが勝つためにマットのことを見ていたはずだ。それにマットもルイスと戦った時と同じじゃない。だから、あの試合に関係なくマットのことを考察しているはずだよ。チームメイトでもルイスやチート・ヴェラ、全くスタイルが違うファイターだった。僕には僕の戦い方があるからね」

──過去何人もチーム・オーヤマには日本人選手が訪れていますが、皆がオーヤマ・コーチの人間性に惚れ込んでいます。

2019年、堀江圭功がチーム・オーヤマで練習した際、アレックスが負傷した耳の様子を見ていた。コーチ譲りのチームメイト想い

「コーチ・オーヤマなくして、僕のキャリアはないよ。

20戦以上戦って、UFCから声が掛からなくて、もう引退しようと考えていた時期があった。あの時、彼は僕をファイターズ・ハウスに住ませてくれて、練習も無料で続けさせてくれた。でも、それってコーチ・オーヤマにとっては特別なことでなく、チームの皆がそういう風に助けてもらってきたんだ。

何よりも、コーチ・オーヤマはファイターのことをしっかりと見ていてくれる。無茶をして試合を受けようとする選手にストップをかけてくれるんだ。僕も2016年かな、鼻と肋骨を折っていたけど試合に出ようとして、コーチが許してくれなかった。あの時は『なんで!! 俺は戦える』と思っていたけど、2カ所も負傷して戦えるわけがなかった。コーチは的確な判断をして、僕を正しく導いてくれるんだ。

結局さ、ファイトはファイトで。僕がUFCのタイトルを取れようが、そうはならないでいようが、僕が戦う。その姿を息子に見せたい。自分がどうやって生きてきたかを孫たちに知って欲しい。僕のキャリアはコーチ・オーヤマが正しくリードしてくれた。彼は本当に多くのことをこのスポーツで成し遂げてきたから、何をすべきが分かっているんだ」

──アレックス、今日はありがとうございました。土曜日のシュネル戦、期待しています。

「僕はアレックス・ペレスだ。これまでと同じように戦う。プレッシャーを与えて、フィニッシュする。すぐフィニッシュするかもしれないし、時間が掛かってしまうこともあるだろう。判定にもつれ込むこともあり得る。でも、試合後にレフェリーから手を挙げられているのは僕になるよ」

■視聴方法(予定)
12月12日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWライブ

■UFC269対戦カード

<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
[挑戦者]ダスティン・ポイエー(米国)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者] ジュリアナ・ペニャ(米国)

<ウェルター級/5分5R>
ジャブ・ニール(米国)
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)

<フライ級/5分3R>
カイカラ・フランス(ニュージーランド)
コディ・ガーブラント(米国)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー(米国)
パウリアン・パイヴァ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ダン・イゲ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス(ブラジル)
ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アウグスト・サカイ(ブラジル)
タイ・ツイバサ(豪州)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
ジョーダン・ライト(米国)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス(ブラジル)
エリク・アンダース(米国)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
マット・シュネル(米国)

<フェザー級/5分3R>
ライアン・ホール(米国)
デリック・ミナー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ランディ・コスタ(米国)
トニー・ケリー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
プリシーラ・カショエイラ(ブラジル)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

PR
PR

Movie