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【CJJW2021】メキシコの闘牛場で、ドナルド・セラーニとクレイグ・ジョーンズがコンバット柔術で対戦!!

【写真】10月9日に英国のポラリスでミドル級王座の防衛を果たしたクレイグ・ジョーンズ。次はメキシコでセラーニとコンバット柔術で戦う。文字通り、世界を股にかけてグラップルしている(C)SUG & POLARIS

エディ・ブラボー主催のCombat Jiu-Jitsu World 2021のスーパーファイトで、ドナルド・セラーニ✖クレイグ・ジョーンズが組まれることが発表されている。

12月19日(日・現地時間)にメキシコはキンタナ・ロー州カンクンにあるプラサ・デ・トロス・カンクンで開催されるCJJW2021 Feather weightで、コンバット柔術史上最高のスーパーファイトが決まった。


プラサ・デ・トロス──Plaza de Toros、カンクンにある客席数5000を数える屋根有りの闘牛場で行われる同大会。両者はミドル級で相対することとなった。

今年の5月にアレックス・モロズに敗れて以来、UFCから遠ざかっているセラーニがまさかのクレイグ・ジョーンズ戦、しかもコンバット柔術で再起戦に挑む。セラーニとグラップリングといえば、昨年12月にケージグラップリングのSUGのハファエル・ドスアンジョス戦が思い出される。

5分間のサブオンリーの戦いでは劣勢だったが、OTで腕十字を極めて勝利している。対して、グラップリング界の重鎮といえるクレイグが、エディ・ブラボー主催のイベントに出場するのは2017年3月のEBI 11以来、4年9カ月振りとなる。

この時、クレイグはEBIウェルター級GPに出場し、準決勝でヴァグネウ・ホシャにOTのエスケープタイムで敗れている。ちなみに同GPの優勝はゴードン・ライアン。ホシャをRNCで下した彼も、クレイグも非常にほっそりした体格だった。

クレイグは2019年1月に来日した際、1カ月後にコンバット柔術の無差別級GPで、ゴードン・ライアンとファブリシオ・ヴェウドゥムが対戦することに関して(※ライアンがヒザの負傷で欠場し、ベウドゥムも出場を取りやめた)、「一つ言えることは、僕はルールによってトレーニングを変えることはないということだよ。自分がすべきことに専念している。MMAファイターはMMAファイターとして戦い、グラップラーはグラップラーとして戦うだけだろう。コンバット柔術をどれだけの人が楽しんでいるのか僕には分からない。確かに次のEBIは多くの人が見るだろう。それはコンバット柔術だからでなく、スター選手が出場するからだ。あの顔合わせならグラップリングでもファンは見るはずだ」と語っていた。

ルールによって練習方法を変えることはないと言うクレイグだが、技術変遷に則して彼の使うテクニックは変わってきている。2年前には、まだダナハー門下のトランジッションとなる足関節は普及段階で、彼らにとっては必殺技といえる技術であった。

しかし、瞬く間に世界中にこれらのテクニックは広まり、クレイグやニッキー・ライアンなどは、グラップリングで勝つためにガードから上を取るレッスルアップを多用するようになっている。

スクランブルが大切なのはMMAもグラップリングも同様になっているが、コンバット柔術といえば掌底有り。クレイグが引き込むと、セラーニは容赦なくKO可能な手首の付け根を打ちつける──スラッピングと訳すことは相応しくない、オープンハンドを打ちつけるだろう。

とはいえ、掌底を落とす距離こそクレイグが得意としてきた50/50やイリミ・アシからの内ヒールという流れに持ち込める体制だ。セラーニには今回の試合では2つの勝ち方しか存在しないといっても過言でない。そのうちの一つが掌底攻撃で、これを仕掛けると足関節のカウンターアタックのリスクがある。

もちろん、このリスクは足関節を仕掛けて殴られるという意味ではクレイグにも当てはまる。リスク承知で両者が攻めない場合、セラーニのもう1つの勝機はOTにある。

上記にあるようにEBIでOTで敗れているクレイグは過去2年間で喫した敗北は2度、いずれもSUGでOTでメイソン・ファウラーに敗れている。

もちろんファウラーとセラーニでは、OTの強さは違うだろう。しかし、OTはいわばグラップリング界のタイブレーク、いやホームラン競争のようなモノだ。強引に勝敗を決する手段であるOTを意識しない──掌底有りのグラップリングの成立を期待したい。

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