【DEEP104】鈴木琢仁戦前、北岡悟「この試合が全て。先のことを試合前に公の場所で語ることはないです」
【写真】8カ月ぶりにケージへ向かう北岡 (C) MMAPLANET
23日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP104 IMPACTで、北岡悟が鈴木琢仁と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
北岡にとっては今年2月、DEEP100回記念大会で大原樹里に敗れて以来、8カ月ぶりの復帰戦となる。さらにいえば2018年大晦日の川尻達也戦以降、2年10カ月もの間、勝ち星から遠ざかっている。
自身のYouTubeチャンネルにアップされた動画では、大原戦の直後に引退を示唆するような発言もあったが……。そんな北岡に、大原戦以降の8カ月間と、鈴木戦について訊いた。
――今年2月に行われた大原樹里以来、8カ月ぶりの試合を1週間後に控えています。もう追い込みの練習は終わった頃ですか。
「キャンプは、ほぼほぼ終わりですね。まだ少し動きますけど、基本的にはスーパーきつい状態は終わりました」
――ここ最近は、以前よりもロータス世田谷で練習する回数を増やしているそうですね。
「はい。ロータスではMMA練習をやっているからですね。試合では八隅さんにセコンドについてもらいますし。ザ・ワンTVのYouTubeの動画でも話しているんですが、ここ(パンクラスイズム横浜)だと、自分が真剣に練習しているなかで、他の選手たちの動きも目に入ってくるんですよ。
『それは明らかに違うだろ』っていうこともやっていたりする。そこで自分が夢中で練習していると、選手のことがほったらかしになりますし。でも自分は、自分自身の練習に集中したい瞬間もあるので、ロータスへ行っているという話です」
――なるほど。前回の大原戦については、北岡選手のYouTubeチャンネルに試合後の控室の様子がアップされていました。その中で「終わりかな……」という言葉があったのですが、それは引退という意味だったのでしょうか。
「……見たままじゃないですか。あの動画を見て、皆さん解釈してください。そういう意味でアップしました」
――昨年9月、RIZINの久米鷹介戦の後、退場する際の表情とは違っていました。
「そうですね。(大原戦は)久米戦とは試合の内容が違いますから。内容も相手も違うし、試合の種類も状況も違うので」
――大原戦後、すぐに練習は再開したのですか。
「ダメージが抜けてから再開はしていました」
――復帰戦がこのタイミングになったのは……。
「このタイミングで試合をしようと、僕自身が決めました。僕は受け身ではないので、自分でやろうと思ったタイミングで、佐伯(繁DEEP代表)さんと話をしました」
――北岡選手自身が、このタイミングを選んだと。その理由は何だったのでしょうか。
「いろいろな理由がありますね。所属選手の試合スケジュールも、DEEPの興行スケジュールも関係してくるので。今回はDEEPの興行が9月と10月にあって、自分自身の調整のタイミングも考えて、9月ではなく10月だなって考えました。
9月大会にDJ(.taikiが)出ることになったのもあります。DJも試合スパンは空けたくないタイプなので、DJのほうが先に9月大会へ、僕が10月大会に」
――そう、北岡選手から佐伯さんに伝えるわけですね。
「そうです。僕が2月に負けてションボリしているタイミングで、佐伯さんは『また試合がしたいなら、ウチ(DEEP)で試合を用意する』というニュアンスのことを言っていてくれていました。だから、試合をするなら佐伯さんに話をするのが、正しい収めどころですよね」
――その時に、対戦相手についても希望を伝えるのですか。
「直近の試合で負けていない選手がいいな、とは思いました」
――それは、なぜでしょう?
「今DEEPで活躍している、ちゃんと強い選手ということですね。要は、僕もここ2年10カ月の間勝っていない選手ですけど、復帰戦同士の試合になるのは嫌でした」
――そこで鈴木琢仁選手が対戦相手として挙がってきた時点で、鈴木選手のことはご存じだったのでしょうか。
「はい。DEEPに出ている選手のことは、ほぼほぼ網羅しているので。彼がウチの所属選手とパンクラスのネオブラッド・トーナメント決勝で戦った時(2016年9月、鈴木が木村一成に勝利)から見ているので、どういう選手かは分かっています」
――では鈴木選手に対する印象を教えてください。
「若くて良い選手だと思います。柔術ベースではあるけど、しっかりとMMAファイターですし」
――このタイミングで試合をしたい、そう佐伯さんに伝えたのは、鈴木戦後の展開も考えてのことなのでしょうか。
「もちろん、この試合の後にやりたいことはあります。でも、まずこの試合が全てであることは確かだから、先のことを試合前に公の場所で語ることはないです」
――分かりました。では、次の試合で何を見せたいですか。
「私のほうから『こういうものを見せたい』というのは、ないです。ケージの中を見てください。それを皆さんが勝手に見ることになる。いつもそう思っています」