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【UFC ESPN30】TUF29バンタム級ウィナーはリッキー・トゥルシオス。注目される、今後

<TUF29バンタム級決勝/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ブレディ・ヒースタンド(米国)

右ローを蹴ったトゥルシオスに対し、ヒースタンドが右フックを振るう。組んだトゥルシオスのヒザは急所の辺りに入ったが、レフェリーが流す。一旦離れ打撃の間合いから、ヒースタンドが組みついてボディロックテイクダウンを決める。蹴り上げるトゥルシオスから、パスを狙うヒースタンド。そこにスイープからスクランブル狙いのトゥルシオスだったが、ヒースタンドが押させに行く。

と、自ら離れスタンドに戻ったヒースタンドは、立ち上がったトゥルシオスをすぐにテイクダウンしパウンドを落とす。ヒースタンドはトゥルシオスの三角狙いを防ぎ、スクランブルにもダブルでケージに押し込む。ここでトゥルシオスがスイッチからバックを取り返し、落とされそうになると三角を狙う。取られたのとは逆に腕を入れることで三角を防いだヒースタンドは、スクランブルからのクリンチで離れるとトゥルシオスの左右のフックを被弾する。

レスリング&コントロールで疲れた感のあるヒースタンドに対し、トゥルシオスはダッキングでパンチを入れ、首相撲からヒザ蹴りへ。離れると、残り10秒を両者が足を止めて左右のフックを打ち合った。

2R、フックから組んでダブルレッグのヒースタンドは、トゥルシオスが差し返してくるとシングルへ。回ってかわしたトゥルシオスだが、ダブルレッグは切られヒザを腹に受ける。直後にヒースタンドがダブルレッグを決め、尻もちのトゥルシオスはキムラクラッで立ち上がり、エルボーを頭に落とす。

頭を上げ、クリンチからエルボーを入れて離れたヒースタンドに対し、トゥルシオスが左ハイ。パンチの交換のなかで、間合を外したヒースタンドの左フックがヒットする。動きが止まったトゥルシオスだが、ダブルレッグからバックへ。ここも落とされ、三角も不発に終わる。ヒースタンドはボディロックから、叩きつけるようにテイクダウンを決めるとサイドで抑え、マウント狙いへ。トゥルシオスはバタフライ・スイープ、スクランブルになるとハイエルボーギロチンから引き込む。ヒースタンドが頭を抜き、サイドで抑える。スクランブルからスタンドに戻り、トゥルシオスが両手を広げ叫び声を挙げた直後にラウンド終了となった。

最終回、ワンツー、右オーバーハンド、左リードフック、さらにアッパーとパンチを続けるヒースタンド。ただし、スピードに欠け足は前に出ていない。トゥルシオスは右ストレートを入れると、続くワンツーの右ストレートでダウンを奪う。ヒースタンドはすかさず立ち上がり、ダブルレッグでテイクダウンを決めケージ際で時間を使う。

起き上ったトゥルシオスはケージに押し込まれながらも、エルボーを連打しスイッチへ。ヒースタンドは回ってシングルで上を取り切る。トゥルシオスはバタフライガードからレッスルアップでスイープへ。ケージにもたれたスタンドに留まったヒースタンドにパンチ、ヒザを入れたトゥルシオスがエルボーを打ち込む。残り90秒、ヒースタンドは左ハイから思い切り体を揺らしてフックを振るう。トゥルシオスはケージに押し込むが、パンチ勝負に。ヒースタンドのダブルレッグを切ったトゥルシオスが首相撲からヒザをボディに入れ、ダーティボクシング。最後の10秒の打ち合いは、トゥルシオスが優勢のままタイムアップをとなった。

非常にTUFらしいファイト、ジャッジは割れ……TUFシーズン29バンタム級ウィナーはトゥルシオスに。涙を浮かべTUF優勝のトロフィー、そして黒帯をセコンドから巻かれたトゥルシオスは「夢が現実になった。神が全てを憧れた。子供たちにメッセージを送りたい。自分を信じて、恐れず、夢を大きく持とう。一生懸命やって、ポジティブで。人生を楽しんで。この試合を見ていた1億人の人々、みな、繋がっている。みな、一つなんだ。広がる空にある星たち、太陽、月、愛は一つだ」と話した。

TUFウィナー、これだけレベルが上がったMMAにあって、アグレッシブな姿勢で動き続けるファイトを心掛ける──これからのファイターが、どのように生き残ることができるのか──TUFの開催意義を考えるうえでも注視したい。


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