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【BRAVE CF51】BRAVE初陣、ワジム・クーチ「プライスレス!! コロナ後、パンクラチオンで世界王者目指す」

【写真】果たして、クーチはどのような戦いでベラルーシMMAの可能性をしめしてくれるか (C)BRAVE CF

本日4日(金・現地時間)に、ベラルーシの首都ミンクスはファルコンクラブ・アリーナで、BRAVE CF51が開催される。

BRAVE初のベラルーシ大会ではジニス・マーヒャルやワジム・クーチなど同国のトップレベルMMAファイターがプロモーションデビューを控えている。

MMA戦績15勝1敗、フランスの100% Fightのウェルター級王者でもあるクーチはMMAと並行してパンクラチオンの世界王者を目指すという珍しい思考の持ち主だった。ダニヤル・アブジバエフを目前に控え、東欧気質というのか──旧ソ連らしいというのか、一風変わったクーチの言葉に耳を傾けてほしい。


──アブジバエフ戦が迫ってきました。BRAVE CF初のベラルーシ大会で、同プロモーション初陣を戦います。今の気持ちを教えてください。

「凄く落ち着いている。あとは計量に向けて体重を落とすぐらいで(※インタビューは6月1日に行われた)、ゆっくりと過ごしているよ。スーパーウェルター級という初めての階級で戦うことになるけど、問題はないと思う。もう勝つ準備はできているよ。

母国、そしてミンクスでこのような大きな大会で、国を代表して戦えることはとてもハッピーだよ。今大会では僕以外にもベラルーシの選手がBRAVE CFと契約を結び、デビュー戦を迎える。そこも含めて素晴らしい機会を得たと思っている。

もちろん僕のところにはBRAVE以外にもACAをはじめとするロシアのプロモーションから契約の話はあった。でも僕は国際的な活動をする団体で試合をしたいと思い、BRAVEと契約を結んだんだ。BRAVEには色々な国のファイターが活躍しているしね。

何より、このような活動をパンデミックの期間も行えていることはBRAVEとサインした理由の1つだよ。今、世界中でこれだけの活動をしているプロモーションは本当に数えるほどしか存在していないからね」

──BRAVEを舞台にロシア人だけでなく、米国人やブラジル人、中東のファイターとも戦っていきたいということですね。

「その通りだ。それとスーパーウェルター級という階級にも魅力を感じている。実は77キロまで体重を落とすのは楽ではなくて、79キロというリミットの階級があることも大きいね」

──15勝1敗、素晴らしいレコードのワジムですが、日本のファンはあなたのことを本当に知らないです。これまでのMMAや格闘技キャリアについて教えてもらえますか。

「8年前、大学2年の時にMMAを始めた。それまでは国内トップレベルのフリースタイルレスラーだった。でもレスリングにパンチやキックを混ぜた戦いがしたいと思っていたんだ」

──それまでにキックやムエタイなど打撃系格闘技の経験はあったのですか。

「なかったよ。MMAと同時にコンバットサンボやパンクラチオンの練習もするようになり、そこで打撃もやるようになったよ。パンクラチオンではベラルーシ代表として、欧州選手権や世界大会に出場しているんだ。欧州王者には3度なり、世界大会では銀メダルを獲得している」

──パンクラチオンは道着着用で顔面パンチはなく、投げや関節技、ボディへのパウンドが認められたポイント制の競技ですよね。

「そうだよ。僕はずっとMMAと並行してパンクラチオンを戦ってきた。パンクラチオンを戦うことで、MMAキャリアに悪い影響は全くない。ただパンデミックが起こりパンクラチオンのトーナメントが開催できない状況になっているから、今はMMAに力を入れる時だと思っているんだ。

でもコロナが終われば、MMAの試合に制約を受けない程度でパンクラチオンのトーナメントにも出場していく。今でもパンクラチオンの世界王者になることが夢なんだ。やっぱり2位じゃ終われない。人生を賭けて、パンクラチオンの世界チャンピオンになりたいと思っている」

──パンクラチオンはアマチュアで、生活の糧にはならないですよね。

「パンクラチオンは純粋なアマチュア・スポーツだよ。優勝してもお金にはならない。でも、誰だって自分が心血を注いでいるスポーツの世界チャンピオンになりたいだろう? 子供の頃から世界一になることが夢で。その夢が半ば現実になっている。それこそプライスレスだよ、そのために練習してきて……MMAにも役立っているんだし」

──それをMMAで果たそうとは思わないのですか。それともベラルーシではMMAで成功しても、生きていくことはできないでしょうか。

「ベラルーシのMMAはまだ歴史が浅い。そしてノールールというだけで、ちょっと間違った試合も行われてきた。BRAVEがベラルーシで国際基準にある大会を開くことで、しっかりとしたMMAが根づくことを期待しているよ。ベラルーシ人ファイターが、MMAで活躍できる力があることは他の大会でも証明されているからね。

今大会では同じスーパーウェルター級で戦うジニス・マーヒャルも本当に良い選手だよ。この国のMMAの未来は明るいよ」

──とはいえ、マーヒャルは同じ階級ですしライバルになりますね。

「確かにね。でも、同じ国の人間だしBRAVEという舞台でジニスと戦いたいとは思わない。他の国の選手と戦ってきたいし、彼と戦うとすればベルトを賭けた試合になるだろうね」

──では金曜日の夜は、ベラルーシMMAの可能性が確認できる試合を期待しています。

「正直言えばどんな試合をしたいとかは、余り考えていない。まずは自分の力を出し切ること。打撃でも、サブミッションでも僕がBRAVEという舞台でチャンピオンを目指す力をあることを証明したい」

■視聴方法(予定)
6月5日(金・日本時間)、
午前1時30分~ FITE
午前1時30分~ BRAVE TV

■BRAVE CF51対戦カード

<ライト級/5分3R>
ルカス・マルチンス(ブラジル)
マルセル・グラビンスキ(ドイツ)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ジニス・マーヒャル(ベラルーシ)
リナット・ゼジンタイ(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
イリエ・ジホウン(フランス)
サム・パターソン(英国)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ワジム・クーチ(ベラルーシ)
ダニヤル・アブジバエフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
ロマン・ボガトフ(ロシア)
アブドゥルムタリプ・ギエルベコフ(ウクライナ)

<59キロ契約/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
イブラジム・ナブルゾフ(ジョージア)

<バンタム級/5分3R>
ヴラディスラフ・ノヴィツキー(ベラルーシ)
ヤニス・ゲムモーリ(フランス)

<フライ級/5分3R>
バドマシレン・ドルジエフ(ロシア)
アルマンベット・アブディバシー・ウルウ(キルギスタン)

<バンタム級/5分3R>
アイジミール・カズベコフ(ロシア)
アブドゥル・カリム・バダクシュ(アフガニスタン)

<女子ストロー級/5分3R>
アナスタシア・フィアファノヴァ(ロシア)
セウデ・トゥルク(トルコ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ワジム・ロリチ(ベラルーシ)
クルボンショ・ジェモロフ(タジキスタン)

<62.5キロ契約/5分3R>
アルテム・ルキャノフ(ベラルーシ)
バクトヴァル・ユヌソフ(タジキスタン)
6日(日・日本時間)

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