【UFC111】目玉カード消滅も、ウェルター級初陣勢に注目
UFC111「St-Pierre vs Hardy」、27日(土・現地時間)にニュージャージー州ニューアークのプレデンシャル・センターで行なわれる同大会。イベント直前になってPPVラインナップからジョン・フィッチ×チアゴ・ピッチブル・アウベスの一戦が消滅した。
【写真】ミドル級で窮地に陥ったわけでもない状態で、ウェルター級転向を決意したアルメイダ。如何に体力を温存してテイクダウンできるかが鍵になりそうだ (C) ZUFFA
25日(木・同)に現地で行なわれた、試合前のフィジカルチェックの際、アウベスがCTスキャンで脳に不具合が生じ試合出場が不可能となった。この事態にズッファでは代役を捜したものの、試合3日前ではオファーができないレギュレーションがニュージャージー州には存在し、フィッチは、ジェイク・エレンバーガーと対戦予定だったベン・サンダースと対戦、その煽りを受けたエレンバーガーが欠場することになった。
次期挑戦者決定戦の意味合いも多いに含まれたカードの消滅は残念だが、ウェルター級世界戦、ジョン・フィッチ×ベン・サンダースというPPVマッチ以外にも、今大会では注目のウェルター級の試合がマッチアップされている。
Spike TVカードで組まれた2試合、ネイト・ディアズ×ローリー・マルカム、ヒカルド・アルメイダ×マット・ブラウンは、ネイトとアルメイダにとって初のUFCウェルター級戦となる。
ライト級から階級をあげるネイト、TUFシーズン5ウィナーはフィナーレからU5連勝を飾ったが、その後の4試合は1勝3敗と厳しい戦いを強いられてきた。
とはいっても、先のグレイ・メイナード戦にしても、昨年1月のクレイ・グイダ戦でもスプリットの微妙な判定、ネイトは「減量の苦しさに相応しいほど金が稼げない」とウェルター転向を決意した。
【写真】兄ニックはストライクフォースの世界ウェルター級王者。果たしてネイト・ディアズは、どこまでUFCウェルター級戦線でトップに絡むことができるか (C) ZUFFA
そのネイトの対戦相手ローリー・マルカムは、今流行の空手出身ファイター。打撃の腕は誰もが認めるところだが、ダン・ハーディ戦では顔面にパンチを受けてKOされている。足を使い、タイミングで打ち分ける打撃でなく、打ち合いに応じる空手スタイルのマルカムは、エキサイティングなファイトが信条だ。
兄ニック同様にリーチの長いネイトだが、マルカムとの打撃戦は勧められない。体幹が強いマルカムを如何にグラウンド戦に持ち込むか、TUFスターにとって生易しいウェルター級転向第一戦とはならないだろう。
また、地元ニュージャージーでミドル級からウェルター級に体重を下げるのは、アルメイダだ。ミドル級で連勝中ながら、敢えて階級を下げ勝負に出るアルメイダは本来、UFC106のジョン・フィッチ戦でウェルター級初戦を迎える予定だった。しかし、自らの負傷で試合をキャンセルしている。
今回の対戦相手は、ウェルター級トップ集団から一歩下がった位置にいるTUF7出身のマット・ブラウンだ。ムエタイと柔術をミックスしたスタイルのブラウンだが、組み技ではアルメイダに一日の長があるのは誰も理解しているのだが、「かつてないほどモチベーションが沸き起こるファイト」というブラウンにも勝算はある。
アルメイダの戦場は当然、グラウンド。如何に力を使わずテイクダウンを決めることができるか――、初めてのウェルター級戦で、アルメイダはペース配分が掴めていない可能性もあるだけに、彼の消耗度が勝負を分ける鍵となる。
地元で一本勝ちを約束するアルメイダに対し、ブラウンは待ちのファイトという選択もある。強引にテイクダウンを狙いにくるようなら、アルメイダはどこまで動き続けることができるか。ブラウンの頑張り次第でウェルター級のアルメイダを見極めることができる試合となる。
■UFC111 全対戦カード(※現時点で最新の発表より)
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[挑戦者]ダン・ハーディ(英国)
<UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦/5分5R>
フランク・ミアー(米国)
シェーン・カーウィン(米国)
<ライト級/5分3R>
カート・ペルグリーノ(米国)
ファブリシオ・モランゴ・カモエス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
ベン・サンダース(米国)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
マーク・ボセック(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
ネイト・ディアズ(米国)
ローリー・マルカム(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ヒカルド・アルメイダ(ブラジル)
マット・ブラウン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ロドニー・ワレス(米国)
ジャレッド・ハマン(米国)
<ミドル級/5分3R>
ホウジマール・トキーニョ(ブラジル)
トーマツ・デューエル(ポーランド)
<ウェルター級/5分3R>
マット・リデル(米国)
グレッグ・ソト(米国)