【UFC111】秒殺11連勝中のカーウィン、ミアー超えは!?
ニュージャージー州ニューアークのプレデンシャル・センターで、27日(土・現地時間)に行われるUFC111「St-Pierre vs Hardy」。メインの世界ウェルター級選手権試合ジョルジュ・サンピエール×ダン・ハーディ以外に、もう1試合世界戦が組まれている。
【写真】ヘビー級トップグループでは最もネームバリューが低いといわざるを得ないが、勢いは一番のシェーン・カーウィン (C) ZUFFA
王者不在により、挑戦者候補を搾るようなマッチメイクが続き、空前の盛り上がりを見せるヘビー級戦線。暫定王座決定戦は、ある意味、ブロック・レスナーが復帰したとき、対戦相手の座を争う戦いだ。本来は昨年11月に王座挑戦予定だったシェーン・カーウィンと、元世界王者フランク・ミアーが、その暫定王座を賭けて戦う。
カーウィンは、錚々たるビッグネームが居並ぶヘビー級戦線にあって、その末席に座っていてもしょうがないほど、知名度は高くない。しかし、彼はビッグネームが霞む戦績の持ち主だ。
05年のMMAデビュー以来、実に11連勝中で8KO、関節技での勝利が3つで判定に持ち込んだことがない。さらに全ての試合が1R決着、これまでの11戦で最長の試合時間はデビュー戦の2分11秒という恐るべきレコードを残している。
UFCでは3戦3勝、クリスチャン・ウェリッシュ、ネイル・ワイン、ガブリエル・ナパォン・ゴンザガを、それぞれ44秒、91秒、69秒で倒しているカーウィン。UFC首脳がタイトルコンテンダーに持ってこざる得ない戦績だ。
欲をいえば、ナパォン以外のトップ級ファイターとの対戦が見てみたいところだったが、レスナーの長期離脱でミアー戦が実現に至った。カーウィンの武器で、最も警戒が必要なのは、右ストレートの威力。ヘビー級として、決して大きな大会ではないが、上半身、特に肩の周りに巨大な筋肉がありながら、フック系ではなくストレートを打ち込むことができる。
そんなカーウィンに対し、ミアーは「モンスターだ。ナパォンの右を喰らっても、平気にパンチを打ち返していた。多くの人が見落としているけど、ナパォンの寝技を凌いだグランドの力も相当なものだ」と、毒舌家返上、最大限の敬意を払っている。
しかし、前回チーク・カンゴを下したギロチンの切れはいうに及ばず、スタンドでも打ち合える技量を身につけたミアーのこの言葉は、自信の裏付けと取ることもできそうだ。
現に「スタンド、寝技、どちらでも戦う」というミアー。王者レスナーと舌戦を繰り広げ、その決着戦を望む声は高い。そんな状況下で戦うミアーとカーウィン。果たして大物との対戦が少ないカーウィンの連勝記録が、その実力の表れであり、ミアーからも秒殺勝利を奪うのか。あるいはミアーが経験を武器に、カーウィンのメッキを剥がすのか――、ある意味ビッグネーム対決以上に楽しみな暫定王座決定戦といえる。
■UFC111 全対戦カード
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[挑戦者]ダン・ハーディ(英国)
<UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦/5分5R>
フランク・ミアー(米国)
シェーン・カーウィン(米国)
<ライト級/5分3R>
カート・ペルグリーノ(米国)
ファブリシオ・モランゴ・カモエス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
ベン・サンダース(米国)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
マーク・ボセック(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
ネイト・ディアズ(米国)
ローリー・マルカム(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ヒカルド・アルメイダ(ブラジル)
マット・ブラウン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ロドニー・ワレス(米国)
ジャレッド・ハマン(米国)
<ミドル級/5分3R>
ホウジマール・トキーニョ(ブラジル)
トーマツ・デューエル(ポーランド)
<ウェルター級/5分3R>
マット・リデル(米国)
グレッグ・ソト(米国)