【UFC169】最強ラマスを迎えてなお、王者アルドに死角なし!!
【写真】昨年8月のコリアン・ゾンビ戦では、足の骨折をおしてジョン・チャンソンの肩の脱臼を見逃さす、戦慄のTKO勝ちをするなど、尋常ならぬ精神力の強さを持っているジョゼ・アルド。心身ともに人間離れしている (C)MMAPLANET
2月1日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで開催されるUFC169「Barao vs Faber2」。今大会ではメインの以外にも、もう1試合世界戦が組まれている。
WEC時代を含めるとフェザー級の頂点のベルトを6度に渡り防衛し、4年2カ月王座に就いているジョゼ・アルドが、UFC世界フェザー級王者6度目の防衛戦をリカルド・ラマスと行う。ラマスはキューバンとメキシカンのハイブリッドで、現在は生まれ育ったシカゴを離れ、全米一のキューバ社会を持つフロリダのチーム・トップノッチに所属している。
ベースはレスリングだが、キャリア14勝のうち、半分に当たる7試合で一本かKO勝ちを収めているラマス。日沖発に打ち勝った打撃ではハイキックやヒザでのKO勝ち、一本勝ちはギロチン、肩固めとフィニッシュも多岐に渡っている。タイトル戦を引き寄せたエリック・コク戦のパウンド&エルボーのラッシュは、勝機を逃さないフィニッシャー振りを大いに見せつけた。
とはいっても、ここでわざわざ書き記す必要もないほど、アルドの強さはラマスがこれまで戦ってきたファイターとは別次元だ。まず、打撃面ではローの強さはいうまでもないが、そのローを封印しても左ジャブと右ストレートでフランク・エドガーにペースを掴ませなかった。さらにいえば、WEC時代からマニー・ガンバーリャン、マイク・ブラウンらテイクダウンを主武器に戦う相手にはアッパーを打ち込み、出足を止めている。
柔術黒帯で、アンディ・サワーが「K-1級」と認めた打撃の持ち主アルドが、MMAで常勝を誇るのは盟友ヘナン・バラォンと同様に高いテイクダウンディフェンス能力を持つことが大きい。上記にある打撃でプレッシャーを与え、テイクダウンの威力、プレッシャーを弱くできる。ばかりか、スタンドでチャド・メンデス戦のようにバックを許した状態で我慢強く背中をつけずに戦うことができる。瞬発力のメンデスとスピード&タイミングのエドガーがクリーンテイクダウンを奪うことができなかったアルド、ラマスも簡単に組みつくことや倒すということはまずないだろう。
ラマスはダメージで動けなくなるケースを除くと、スタンドのプレッシャーに負けることのない強い精神力と打撃の威力を保有している。前述したコク、日沖以外にカブ・スワンソン、ライト級時代にもBellatorのライト級Tを制しているデイブ・ジャンセンからも勝利している。間違いなく現時点で、最強のチャレンジャーだ。そんなラマスを迎えてなお、アルドの強さは群を抜いているという現実。ブラジル国内でのMMAの地位向上、ライト級転向も視野に入れており、モチベーションの低下も見られない絶対王者アルドに死角は見当たらない。
なお、スーパーボウルの開催日によって、大会スライドもあり得る同大会。現地点でスーパーボウルの前倒しは、TV中継の関係もあり行なわれないという見込みのようだ。
■ UFC169「Barao vs Faber」対戦カード
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘナン・バラォン(ブラジル)
[挑戦者]ユライア・フェイバー(米国/1位)
<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョゼ・アルド(ブラジル)
[挑戦者]リカルド・ラマス(米国/2位)
<ヘビー級/5分3R>
フランク・ミア(米国/10位)
アリスター・オーフレイム(米国/9位)
<フライ級/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル/5位)
アリ・バガウティノフ(ロシア/7位)
<ライト級/5分3R>
ジェイミー・ヴァーナー(米国)
エイブル・トゥルージロ(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
アラン・パトリッキ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
クリス・カリアソ(米国/9位)
ダニー・マルチネス(米国)
<ミドル級/5分3R>
ニック・カトーネ(米国)
トム・ワトソン(英国)
<ライト級/5分3R>
アル・イアキンタ(米国)
ケビン・リー(米国)
<ミドル級/5分3R>
クリントン・ヘスター(米国)
アンディ・アンツ(米国)
<ライト級/5分3R>
トニー・マーチン(米国)
ラシッド・マゴメドフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニ―(米国)
ガサン・ウマラトフ(ロシア)