【TPF】ナム敗れ、デジーザス&三角王エスコベドが王者に
ハルク・ホーガンの甥デイビッド・ブレア、ロディ・パイパーの息子コルトン・トゥーブスが出場し、明暗を分けたタチ・パレス・ファイツ。4日にカリフォルニア州リムーアのタチパレス・ホテル&カジノで行なわれた同大会では、フェザー級とバンタム級の世界王座決定戦、ナム・ファン×アイザック・デジーザス、コール・エスコベド×ジェフ・ベダードの2試合も行なわれた。
【写真】勢いのあるミドル&ハイ、フィニッシュ前のスーパーマンパンチ、デジーザスが試合前の予想を覆しナム・ファンを破り王座に就いた (C) MMAPLANET
■TPF世界フェザー級選手権試合/5分5R
アイザック・デジーザス(米国)
Def.1R2分15秒/TKO
ナム・ファン(米国)
前身PFC(パレス・ファイティング・チャンピオンシップ)時代から、軽量級の人材発掘&育成という特徴があった同所でのMMAイベント。2試合組まれた世界戦、まずはフェザー級王座決定戦が第10試合で行なわれ、昨年、戦極で行なわれたフェザー級GPにも出場したナムが、開催地にほど近いフレズノ在住のデジーザスと対戦した。
打撃の攻防からテイクダウン、ハーフ~サイドへ移行しながらキムラ、あるいは腕十字というパターンに磨きをかけてたナムは、試合開始早々にシングルレッグからテイクダウンに成功する。直後にハーフの状態になるが、デジーザスのギロチンで動きを止められる。
あまりタイトなギロチンでなかったが、ナムは左側へ回りながら首を抜こうとして、腰を浮かしてしまう。この動きに合せてスイープに成功したデジーザス。構わずナムはXガードから、足関節へ。
【写真】デジーザスのミドル&ハイは、パンチ~テイクダウンというナムの作戦を遮断するに十分な破壊力と勢いが見られた。このフィジカルと、蹴り技を使いこなす新王者。今後を追う必要のあるファイターだ (C) MMAPLANET
デジーザスは足を引き抜くと、後方回転したような形になったナムからバックをつき、後方に大きく投げ捨てる。直後に潜ったナムに、デジーザスが直角に落とすエルボーを見せる。このエルボーはかすった程度だったが、ここでレフェリーは減点でなく、デジーザスに注意を与え、試合はスタンドから再開となる。
潜りからリバーサルを仕掛けていたナムにとっては、再びスタンドに戻るという運のないレフェリーの判断になった。スタンドになると、デジーザスは左ミドルをヒットさせ、続けて左ハイキックを繰り出す。
ハイはブロックしたナムだが、勢いのある左側からの蹴りに容易にテイクダウンを仕掛けることができなくなる。と、一瞬の間があいた直後にデジーザスの左スーパーマンパンチがヒット。後方へ倒れ込んだナムに、デジーザスがパウンドの追撃を打ち込むと、レフェリーが試合をストップ。ナム陣営は「ストップが早い」と不満を露わにしたが、やや早いながら致しかたないストップといえるだろう。
南カリフォルニアの軽量級をリードしてきたナム・ファンが、ほぼ無名といっていい中央カリフォルニアのアイザック・デジーザスに敗れた事実は、この国のMMAの普及を顕著に表している結果かもしれない。
もう一つ世界王座決定戦はメインで行なわれたバンタム級5回戦。キャリア12勝2敗のジェフ・ベラードと14勝4敗のコール・エスコベドの間で行なわれた。
【写真】新王者エスコベドは、トレードのマークのトライアングルポーズを取る (C) MMAPLANET
■TPF世界バンタム級選手権試合/5分5R
コール・エスコベド(米国)
Def.1R2分31秒/三角絞め
ジェフ・ベラード(米国)
エスコベドもフレズノ在住、旧WEC時代から当地をホームグラウンドにしてきた。そのキング・オブ・トライアングル=エスコベドから大内刈りでテイクダウンを奪ったベラード。三角絞めを警戒し、足を一本越してハーフガードをキープする。
ヒップエスケープからクローズドに戻したエスコベドは、ケージを背にしてバタフライガードからベラードの下半身を浮かしていく。
ベラードは上体を起こしバランスをとりながらパウンドを落とすが、待っていましたばかりにエスコベドは三角絞めの態勢に。どれだけ警戒されていても極めることができる。まさに必殺技と呼ぶに相応しい、エスコベドの三角絞めによる王座奪取だった。