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【ShoXC】ポアイ出場、Elite Challenger Seriesレポート

(C) Pro EliteEliteXC系SHOXCによる『Elite Challenger Series』が、5日(土・現地時間)カリフォルニア州テーブルマウンテン・カジノで開催された。今大会では、昨年3月にハワイで行われたアイコンスポーツに出場した日本マットでもお馴染みポアイ菅沼に、スマックガールで活躍するたまちゃん、ホイラー・グレイシーの黒帯ファブリシオ・モランゴらが参戦を果たした。

【写真】スッキリしない決着となったが、ハマンを下し、EliteXCで確かなポジションを手にしたポアイ菅沼 (C) Pro Elite

そのメインイベントでは、パンクラスで活躍し8勝1敗のポアイと10戦10勝のジャレッド・ハマンによるライトヘビー級戦が行われ、ポアイが15秒でTKO勝利を飾った。


試合は、いきなり右ボディを見舞うポアイに、パンチを返したハマンだが、ここでポアイの右ストレートがクリーンヒット。バランスを崩し、ケージ際に後ずさりするハマンに、ポアイは追い討ちのジャンピングニー。後方に倒れ込んだハマンに覆いかぶさり、バックから追撃しようとしたポアイをレフェリーが制して試合はストップした。

レフェリーが試合を止めた直後に、立ち上がったハマンは不満を露わにすると、これには観客もブーイングで追随するが、もちろん判定は覆らない。

勝ったポアイも「はっきり勝負がつけたかった」と、ミソのついた勝利に納得しがたいようだったが、動き自体は抜群のもので、EliteXCで確かなポジションを手にしたといえる勝利となった。ROTRやアイコンスポーツと関係が深く、ハワイアンの活躍が目立つEliteXC。UFC以上にユナイテッド・カラー色が強まっている。

◆主要結果は下記の通り

ポアイ菅沼
Def.1R15秒/TKO
ジャレッド・ハマン

ファブリシオ・モランゴ・カモインス
Def.1R3分32秒/TKO
ジョー・カマチョ

シャイナ・ベイスレー
Def.1R2分5秒/ツイスター
たまちゃん

バオ・クァーチ
Def.1R55秒/KO
ドゥーグ・エヴァンス

ジヴァニウド・サンタナ
Def.1R4分49/腕ひしぎ十字固め
マット・ルーカス


ファブリシオ・モランゴ・カモインス vs ジョー・カマチョ
○[1R3分32秒/TKO]×

ホイラー・グレイシーの黒帯、ブラジルのライト級ナンバーワン決定戦と謳われたスーパーチャレンジ73kgGPを1年半前に制しているファブリシオ・モランゴがEliteXC初登場。対するカマチョも、柔術黒帯の職人肌ファイター。加藤哲史やヘクター・ペーナなど日本でもおなじみのファイターに勝利している。

ケージフォースの試合がキャンセルされたアルモンド・サンチェス、WECファイターのチャーリー・バレンシアを帯同したカマチョ、対するモランゴのコーナーにはサウロ・ヒベイロが陣取る。

右ロー、左ストレートを繰り出すカマチョに対し、距離が近づいたところでヒザ蹴りからテイクダウンを奪ったモランゴ。腕十字を狙ったカマチョから、パスを奪う。必至にハーフに戻したカマチョだが、モランゴは左のパウンド、ヒジを思い切り落としていく。さらに左右のパウンドを落とすモランゴ。カマチョの動きが鈍くなり、ケージに押し込まれていく。勢いをあげるモランゴのパウンド。ディフェンスもままならず、拳を顔面に受け頭が上下するカマチョ。と、ここでレフェリーが試合をストップ。1R3分32秒、ファブリシオ・モランゴがTKO勝ちでEXCデビューを飾った。

「カマチョは本当に気持ちが強いファイターだった。もっとレフェリーには早く試合を止めて欲しかった。米国デビューの機会を与えてくれたEliteXCに感謝している」と語ったモランゴ、KJ・ヌーン、イーブス・エドワース、ニック・ディアズ、その動向が注目されるエディ・アルバレスに加え、EliteXCライト級戦線に非常に楽しみなブラジリアンが加わった。


シャイナ・ベイスレー vs たまちゃん
○[1R2分5秒/ツイスター]×

日本と同じように、拳を振り、顔を左右に振りながらキャットウォークに現れたたまちゃん。TAMA★CHANとSHOWTIMEでも紹介されている。ベイスレーは、大きなエレキギターの模型を抱えてケージに。たまちゃんが苦手とする、柔術的な動きだけでなく、ムエタイも持ち味のベイスラー・コーナーには、ジョシュ・バーネットが陣取る。飛びこんでジャンプをしながら、パンチを狙ったたまちゃん。続いて首投げを狙うが、ここでベイスレーがバックを奪取。

フックを許さなかったたまちゃんの頭を乗り越えて、パンチを見舞うベイスレー。乱戦ならお手のモノのたまちゃんだったが、ベイスレーはバックをとってヒザ蹴りから、師匠ばりのUWFムーブ=ジャーマンで投げ捨てる。そのままバックを制したベイスレーが、パウンドを落としながら、チョークへ。必至で胸を合わせようとしたたまちゃんに、ベイスレーはツイスター一閃。

ネッククランの状態になり、首が真横に曲がりそうになった、たまちゃんがたまらずタップ。見事なツイスター(師バーネットなら「グラウンドコブラツイスト」と称するかもしれない)、カリフォルニア・ムーブでベイスレーが1R2分05秒一本勝ちを収めた。

父の誕生日を祝うコメントをケージで残したベイスレー、ジーナ・カラノの復帰が噂されるEliteXCだが、試合内容で十分にファンを虜にできる女子ファイターが現れた。


バオ・クァーチ vs ドゥーグ・エヴァンス
○[1R55秒/KO]×

グラップラータイプから、打撃の幅も広がりトータルファイターに進化したクァーチ、カン・リー、ナム・ファンと並ぶベトナム系ファイター。対するエヴァンスは、アラスカ出身フリースタイルレスリングがベースの選手だ。

互いにローが空振りに終わると、エヴァンスが遠い距離からタックルへ。これをギロチンで切り返したクァーチ。ボディスラムを狙ったエヴァンスだが、クァーチが上手くケージに体重をかけ、この試みは失敗に。右フックが流れたエヴァンス、自ら距離を取り直す。踏み込むエヴァンス、左ミドルから右フックを狙ったが、ここでクァーチの右フックがカウンターでヒット。エヴァンスが腰から崩れ落ち、1R0分55秒クァーチがKO勝ちを収めた。

「寝技でも打撃戦でも、どっちでも準備できていた。試合前は雑音が多くて、腹が立っていたけど、もうクールだよ」と言いつつ、笑顔も少なくサークル・ケージを後にした。


ジヴァニウド・サンタナ vs マット・ルーカス
○[1R4分49/腕ひしぎ十字固め]×

ジヴァの愛称で親しまれているジヴァニウド・サンタナ。かつてブラジリアン柔術のムンジアル(世界選手権)とコパドムンド(ワールドカップ)で活躍し、世界王者の経験もあり、MMA転向後はアームバー・マスターの如く、10戦10勝中9つの試合を腕十字で勝利している。

サウスポーのルーカスに、右ローで牽制するジヴァ。ケージに詰められ、テイクダウンを奪われるが、ハイガードで固定し、エルボーを叩きつけていく。左腕を抱え、ヒップスローを狙うジヴァに対してルーカスは左右のパウンドを落としていく。パウンドを当てられ、今度は右腕を固めるジヴァは一気に腕十字の態勢をとるが、これを察知したルーカスが腕を引き抜きパウンド。

シッティングガードからのバタフライ、再びクローズドガードを取るジヴァ。レフェリーがブレイクを命じ試合はスタンドへ。突進しジヴァをケージに詰めるルーカスのボディにヒザ蹴りを見舞ったジヴァだったが、直後に左フックを受け、バランスを崩しています。それでもスタンド戦で対抗するジヴァの顔面に、再びルーカスの左ストレートがヒット。尻もちをつくジヴァ、ルーカスは飛び込みながら左のパウンド、さらにインサイガードからパウンドを落とすルーカス。ここでジヴァは、ルーカスの右腕を取り、後方回転。腹這いの状態で腕十字を極め、1R4分49秒逆転一本勝ちを手にした。打撃の対応には不安は残るものの、35歳の柔術家の今後に注目したい。

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