【UFC247】JJ、打撃では劣性もスリング&スタミナで?!でレイエスを破り世界戦14勝の新記録達成
<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
ドミニク・レイエス(米国)
開始直後に組んでいったJJ。レイエスは離れて右ジャブから左ストレートを伸ばす。蹴りを交え、パンチで圧力をかけるレイエスは右ジャブ、左ボディストレート、左ロー、そして右ストレートを伸ばす。JJの前足をローで削っていくレイエスは、左の蹴りに左を胸に入れて、押し倒すように尻もちをつかせる。
テイクダウンを切ったレイエスは、パンチでJJを下がらせてボディを打ち、左ミドル、さらに左ストレートを打ちこむ。ボディを返したJJだが、左ハイ、左ミドルを蹴られサークリングを使って必死に離れる。ここまで攻められるシーンを見せるのは過去にもほとんど例がなかったJJは前蹴りを蹴られ、左ハイを返す。続いてJJは左ジャブ、右ハイで前に出る。既に肩の辺りが汗で光るレイエスは、終盤手数が減ったが初回を取った。
2R、左カーフを蹴るレイエスが、左ミドル。JJは前に出て右ミドル、左で下がったJJはケージに詰まるがヘッドムーブでパンチをかわし、一旦は離れることに成功する。痛みが伝わるような左カーフキックを繰り返すレイエスだが、ローに左を合わされる。左ボディ、右アッパーを当てたレイエスは、とにかく汗の量が凄い。
JJは前に出て後ろ回し蹴り、かわしたレイエスだが手数は目に見えて減少している。JJは右を当て、左ジャブ。レイエスは右に回りながら、右を放ちワンツーを繰り出す。JJは右ハイから右ロー、プレッシャーを強める。サイドキックで腹を蹴ったJJの前進に、レイエスが左フックを当て、左ローがJJの前足を抉った。
3R、JJが右ロー、レイエスは左ハイから左前蹴りを入れる。パンチで距離を詰めてヒザを狙ったレイエスは右に回って左ミドルを決める。JJは右を返すが、距離が近づくと背中を向けて走るように間合を取り直す。JJの左ジャブに、右を合わせたレイエスは口も開き気味になっている。
ラウンドの途中で動きが落ちるレイエスに対し、JJは圧力を高めるも左アッパーをヒットされる。残り2分、テイクダウンを狙ったJJだがレイエスは切って離れて左ボディを打っていく。JJは左ジャブから右アッパー。近い距離で打ち負けないレイエスは左を当てて、左ハイを狙う。レイエスは離れて左カーフ、左ストレートを入れる。JJはそれでも前に出て左ボディを被弾。それでもJJがタフネスさを見せ、レイエスがプレッシャーに圧される場面が増える。跳び蹴りからダブルを狙ったJJだが、直後に時間に。この回もレイエスが取ったか。
4R、スタミナが心配なレイエスはローから右フック、さらに左を当てて、左アッパー、そしてフックを打ちJJが必死に組みつく。ボディロックでテイクダウンを奪ったJJはスクランブルでバックに回り、正面を向いてボディロックテイクダウンを仕掛ける。レイエスは耐えて、ケージを背にした状態から離れる。鼻血を流すJJに左アッパーを入れたレイエスは右ローを蹴られ、ダブルレッグに背中を見えて防御。後方から蹴りを見せたJJが離れると、レイエスが左ボディ、右ストレートから左フックを当てる。
ローを取られそうになり、足を抜いて離れてレイエスはパンチも鋭さがなくなっている。JJは右ボディを当て、左エルボーを打ち込む。下がるレイエスに対し、JJは左フックから前へ。レイエスもフックを返し、右ハイをブロックする。レイエスは右アッパーを伸ばすが、左フックを被弾し最終回を迎えることとなった。
5R、ここまでのラウンドは3-1でレイエスか、2-2でイーブンか。いずれにせよ、レイエスはスタミナを切らしかけており、JJはフィニッシュを狙うことが十分に予想される。
左ストレートを伸ばしたレイエスは、序盤にボディも踏まえパンチをしっかりとまとめている。飛び込むようにダブルレッグでテイクダウンを決めたJJはスクランブルでバックを取り、正面を向いてダブルを狙う。ケージを背にして反応したレイエスは、これでまた疲弊し右を2つ被弾する。エルボーを見せて離れたレイエスは右ミドルを蹴られる。左ジャブからエルボーを空振りしたJJは、レイエスの左右への動きに合わせて移動し、右ミドルをもう1発決める。レイエスはケージを背負いながらも、右を返し左も打っていく。
残り2分を切り、左ハイをかわしたレイエスが左フックを打ち込む。大きく息をするレイエスに対し、JJはジャブを2発受けながらも前に出る。サークリングを繰り返すレイエスに、後ろ回し蹴りを繰り出すJJだが、絶対的なシーンを創ることはできずにスピニングバックフィストを空振りしたところで試合が終わった。
レイエス、JJ、両者揃って3Rを取っているとジャッジが判断する可能性は十分にある。結果は3-0でJJが王座防衛に成功しUFC世界戦の勝ち星が14になり、UFC最多に。
「ドミニクは本当に尊敬に値する選手だ。テイクダウンで長い間、グラウンドにいさせることはできなかったけど倒すことはできた。キックボクシングではパンチを受けたけど、テイクダウンで僕が優位だった。接戦なのは分かっていた。5Rは完全に支配した。5Rで僕は勝てた。2つのテイクダウンで勝てたんだ。世界戦での勝利数でアメリカの歴史、UFCの歴史で新しい記録になった。簡単に勝てたわけじゃない。ドミニクは僕が想っているより、ずっと良い選手だった。ほとんどの相手をKOしてきたけんだ。歴史に一部になれたことを誇りに思う。次? これからのことはコーチと話す」と言い、83歳の祖母とハレルヤという声を挙げた。
対してレイエスは「僕は1、2、3Rを取っていたと思った。4Rと5Rは抱き着かれた。テイクダウンは最終的には切れたけど、そこで持ってかれたかな。でも、最初の3Rは僕が取っていたはずだ。しょうがない。もっと強くなる。そうなれる。彼は強いよ、でも驚くことはなかった。僕が3Rをとっていた。でも、これがそういうゲームさ。ダメージだった僕の方が与えていたけどね……」と語った。