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【ONE92】フライ級ワールドGP=グスタボ・バラルト戦へ、和田竜光「僕の方が勝ち方は知っています」

Tattsumitsu Wada【写真】インタビュー中に羽田空港国際線ターミナルの106番ゲートは列が見られるように (C)MMAPLANET

12日(金・現地時間)、フィリピンはマニラのMOAアリーナで開催されるONE92「Roots of Honor」で和田竜光がTITAN FCより転じてきたグスタボ・バラルトと対戦する。

日本大会でイヴァニルド・デルフィーノと対戦予定だった和田だが、大会まで1週間を切った時点でマニラ大会で、別の相手と戦うことが決まった。その時の心境、日本大会を見た印象、そしてバラルト戦を経て、デメトリウス・ジョンソンという存在についてフィリピンへ向かう直前、羽田空港で和田に尋ねると──非常に明白な返答とDJへの熱い気持ちが跳ね返ってきた。


──今、まさにフィリピンに向かう飛行機の搭乗ゲートにいる和田選手です。日本大会の試合が流れ、対戦相手も変わり今日にいたりました。

「試合がなくなったという連絡を受けた時は、もう練習がひと段落ついていました。すぐにスライドして試合があるという連絡を受けたので消滅より良かったですが、『また2週間練習したくねぇ。俺はもう1回やり切ったんだよ』と気持ちにはなりました(笑)。あと2週間、もう1度コンディションを作るというのがしんどかったです。日本大会が流れたのより、そっちが酷でした」。

──一度追い込んだなかで、もう一度やり直したわけでしょうか。

「追い込みと同じメニューをやり直しました。気持ち的はしんどかったですが、体は仕上がっていたので調子はメチャクチャ良いままできました。結果として良かったかと思っています」

──日本大会を実際に見て、ここで戦ってみたかったなという気持ちにはならなかったですか。

「それはありましたね。あの会場の熱、あの渦の中で試合をすれば良いモノを見せることができなという気持ちにはなりました」

──RIZINでより大きな会場、より多くのファンの前で戦ったことのある和田選手ですが、2つの大会の空気の違いはどのように感じられましたか。RIZINは一般層に格闘技を広める大会であるのに対し、ONE日本大会は格闘技好きのための大会でした。

「会場の大きさの違いもあると思いますし、お客さんの質は違うとは感じました。でも両国をコンパクトと捉えるところで、既に麻痺しているのかもしれないです(笑)。良い悪いではなくて、例えばRIZINのお客さんは……熱狂的であるのですが、天心がどんな相手でもしばいていれば大喜びできる。『天心だったらデメトリウスと戦っても勝てるよ』っていう感じで。仮に僕のファンやONEのファンがツイッターで『和田なら天心や堀口を1Rでボコれる』と呟いたら、僕は叱ります。僕はそう思っちゃうんです」

──言及しづらい質問に対し、凄く要領の得た返答ありがとうございます。

「あとこないだのONEは、やっぱり中身が分かるファンが見ていた。それはONEの他の国にもない。フィリピンだったら無条件でフィリピン人ファイアーの応援をして騒いでいる。でも日本は日本人だからってことで一方的に声援を送るのではなく、対戦相手の良さがその場で理解できる。仙三選手とダニー・キンガドの試合で盛り上がったのは、日本人が出ていたからだけじゃない、あの試合内容だったからなんです。そいう意味でも、日本大会は良い空気感でしたね」

──そんな日本大会からマニラに気持ちをシフトして、グスタボ・バラルトと戦います。もともとの相手デルフィーノがどのようなファイターかは分からないままだったのですが、まずスタイルは全く違うだろうと。

「そうなんですよね、前の相手は僕も全然情報がなくて左右どちらの構えかも分からないままでした。戦績を見ると一本が多いのでグラップリングが強い選手なのかというぐらいで全く未知のままで。対してバラルトは映像も落ちているので、イメージはしやすいですよね」

──公称で150センチ、あの体躯はもう特異体質と表現して良いと思います。

「身長差が20センチになります。トライブでいうと清水(清隆)さんが小柄なんですが、清水さんより8センチ小さい。で、レスリングの技術はピカイチ。キューバのレスラーは絶対にヤバいです。レスリングの映像を見ても、下に潜ってどういう投げ方なのソレ?っていう動きをしていました。受ける側はああいう攻撃を受けたこともないだろうし、食らいやすくなります。あの体形を生かして戦っていますね」

──そんななか豪快なリフト技も、言ってみればテイクダウン。そこをONEは重視しません。

「そうなんですよ。テイクダウンされても良いと思っていますし、リフトしてきたら空中でヒジを顔面に打ち込んでやります。それで叩きつけてきたら、アイツの反則負けですから」

──おぉ、確かにリフトをしても頭から落とせないですからね。

「なのでテイクダウンの勝負はしないし、叩きつけてみろっていうぐらいの気持ちでいます。テイクダウンの評価が低いからこそ、思い切りヒザを合わせてやろうかともなりますしね。少し前まで、そこがモヤモヤしていたんですが、最近は明確になってきたので、そういう風に戦えるようになりましたよね。提携したてもパンクラスや修斗は裁定基準はONEとは違う。なのにちょっとONE風に見るようになっていませんか?」

──おっしゃる通りです。日本の大会ばかりか、これまでONEを見て北米ユニファイドならどうだろう?という考えをしていたのが、UFCを見ていてONEだったらと考えている自分がいて驚きました。

「アハハハ。そうですよね。本当にそういう風に見るようになりました。だからバラルトより、僕の方がONEでの勝ち方は知っていますよ。あのリフトの写真を見ただけで、これは反則になる。頭から落とされてもという覚悟はできましたし、イメージはバッチリできています」

──力強い言葉です。ここに勝たないといけないのは絶対ですが、その次を見るということは?

「もちろん考えています。次の試合は絶対にしたい。当たりたいんです、俺は。今回はだからどうしても勝つ戦い方をします。(若松)佑弥も良い動きをしていましたけど、結局それもDJだからちょっと良い動きで褒めてもらえる。若松やるじゃん──と思えたのは、相手がDJだからなんです。DJと戦うためなんて言っていたらダメなんですが、ソレをやるために同じぐらいの気合で勝たないといけないです。

バラルトも絶対に強い選手だろうし、あの左のオーバーハンドがどれだけの勢いがあって、踏み込みなのか実際に戦うまで分からないです。彼は僕のような体系の相手と戦ってきているけど、僕にとって彼は未知のスタイルなので」

──ここまでONEで1勝2敗、もう負けられないです。

「それはあります。ただ、俺の中ではキンカド君にもマクちゃん(リース・マクラーレン)にも負けているつもりはないので。高島さんに聞いたら『アレは負けやで』となるけど(笑)、俺の方がダメージを与えている。頭に思いっきりヒザを入れているんで(笑)。あの空気の中なら判定で負けになってもおかしくないのも分かっています。でも内容で負けたとは全く思っていない。敗北は受け入れていますが、技術とかそういうモノで負けたとは思っていません。

だから日本大会で、マクちゃんには『お前、負けてんじゃねェよ』って思いました。まぁレスリングでテイクダウンできなくて、打撃の幅がそれほどある選手でないのでパンチの振り合いになると不利でしたね。相性の悪い相手だったと思います、カイラット・アクメトフは」

──そろそろファイナルコールが掛かりそうです。マニラに向けて飛行機に乗り込む前に、一言お願いします。

「自分はこの1年ぐらいONEに出ていてONEでの調整の仕方、戦い方とか……マクちゃん、(ユージーン)トケーロ君、キンカド君とやってきたこと全てが練習だと思っています。ここまで一つのキャンプで、その成果を出す場がフライ級ワールドGPです。勉強してきたことを出す、そうすれば勝てると思っています」

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