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【Shooto】世界フェザー級チャンプ斎藤裕の対戦相手は、幻のUFCファイター=武芸百般ザンボアンガ

Zamboanga【写真】決して侮れないファイター、ザンボアンガが斎藤の対戦相手となった(C)SUSTAIN

22日(水)、サステインより25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるプロ修斗公式戦に出場する、プロ修斗世界フェザー級チャンピオン斎藤裕の対戦相手がドレックス・ザンボアンガであることが発表された。


1月大会で出場がアナウンスされていた斎藤の対戦相手がようやく明らかになった。ザンボアンガはフィリピンの旧都ケソンにあるタフガイズ・インターナショナル所属のファイターで戦績は7勝2敗、現URCCバンタム級チャンピオンだ。

このザンボアンガ、実は昨年11月のUFN121=豪州大会でアレックス・ヴォルカノフスキーの対戦相手が2度に渡り負傷欠場となった時、代役で一度はUFC出場が決まっていた。しかしながらビザの発給が間に合わず、UFCとの契約が立ち消えになった不運のファイターでもある。

7勝のうち判定決着は1度だけで、3つのTKO勝ちと3つの一本勝ちという戦績の持ち主のザンボアンガ。このリザルトから分かるようにウェルラウンダーで、オーソの構えから非常に綺麗な蹴りを見せ、近距離でも首相撲+ヒザ、そしてダブルレッグやボディロックでテイクダウンを奪うと、果敢にポジションを奪取していく。レックス・デ・ララを破ってURCC王座を戴冠した試合は、マウントからエルボー3発で勝負を決めたものだ。

彼が所属するタフガイズ・インターナショナルは、もともとフルコンタクト空手の道場だったのか、今も道場主催大会ではフルコンルールや、ヘッドギアを付けたグローブ空手などのトーナメントを行っている。

そしてザンボアンガの戦い方には前足のハイキック、さらには右の後ろ回し蹴りなどにその痕跡がしっかりと確認できるだろう。特に後ろ回し蹴りは、左のカカト落としからの連係や、ケージ際でのクリンチからの離れ際など、思わぬタイミングで素早く放たれるため要注意が必要だ。基本はオーソで蹴りが出やすい構えだが、ややワイドで重心が低くなった時は右が強振されるのも警戒しなければならない。

またMMAでは9戦しかキャリアのないザンボアンガだが、フルコン空手やグローブ空手だけでなく、ブラジリアン柔術では現地のファブリシオBJJにも所属しており、道着&ノーギを問わず試合を積んでいる模様だ。

つまりMMA戦績には表れない、格闘技歴の持ち主といえるだろう。そんなザンボアンガの戦績を辿っていくと非常に興味深く、また恐ろしい試合が動画サイトにも残っている。1つは夜祭で行われているのか、地面にジョイントマットを敷き、ロープのない状況でムエタイの試合を戦っているというもの。しかもザンボアンガはこの野試合で、なんと後ろ回し蹴りを顔面に決めてKO勝ちを収めている。

もう一つは2016年にタフガイズ・インターナショナルが開いたグラップリング大会で、時間無制限&サブオンリーの8人トーナメントに出場し、優勝している試合だ。準決勝ではファブリシオBJJの同門ハーベイ・ナバーロと対戦し、何と1時間15秒に及ぶ激闘をRNCで勝利している。

路上のムエタイ、1時間以上のグラップリングマッチ──整理整頓された日本の格闘技界では考えられないキャリアを積んできたザンボアンガ、武芸百般を斎藤も甘く見てはならないだろう。

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