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【RFC44】バオ・インカンに勝利、ライト級T準決勝へ下石康太─01─「その時、藤田さんが……」

Kota Shimoishi【写真】石家庄から北京まで5時間のバスの旅。サービスエリアでの1枚(C)MMAPLANET

11日中国・河北(ホーベイ)省の石家庄(シーチャーチュワン)のホーベイ体育館で行われたROAD FC44で、下石康太がバオ・インカンを腕十字で下し、ライト級100万ドルT準決勝に駒を進めた。

かつてない敵地、大ブーイングのなかしっかりとバオ・インカンを破った下石。そのブーイングにも開きなって戦えたのは、メインに出場した藤田和之の助言があったからだった。


──見事な一本勝ちから一晩経ち、これから大阪へ戻るところになります。改めて試合のデキ、満足度を教えてください。

「良かったと思います。改善点がないわけではないですが、やるべきことはできました」

──打撃からテイクダウン、その間合いとタイミングが絶妙でした。

01「う~ん、一辺倒にならず散らしながら、色々と混ぜてのテイクダウンだったので良かったと思います」

──バオ・インカンは大きくて、リーチもあり、一発を持っている。かなり嫌な相手でした。そんな相手に対して、試合前には「練習してきたことを考えずに戦う」と言っていましたが、実践できましたか。

「ほとんど考えることはなかったです。ただ、パンチは警戒していました。向こうもテイクダウンを警戒していたので、お見合いになる感じもありましたけど、上手く向こうの打撃を利用して戦うことができました。

打撃を打つように誘って、そこにテイクダウンを合わせることができたので。事前の対策としてヒザ蹴り、右フック、意表をついたハイキックがフィニッシュに繋がるので、そこは気を付けて練習してきました。

あとアップの時にヒザをかなり使っていたので、よりヒザには警戒して戦った感じです」

──テイクダウン後に一度、肩ブリッジで上下を入れ替えられた時もありました。

「あの時はヤバいと思いました。腕を巻かれていたのに対し、対処が遅れました。普通にブリッジ、テッポウを仕掛けられただけなのに。普段の練習で同じ階級ぐらいの選手とどっちが上を取れるかという状況で、取り切れることが多い方だったのですが、あそこで上を取られるとは……、やはり相当に体は強かったですね」

──テイクダウンをして、上を取り返されるのは嫌なパターンです。ただ、次のスクランブルの展開で即テイクダウンを奪い返すことができました。

「もう組める距離だったので、そのまま倒そうと思いました」

──2Rもテイクダウンからアームロックを狙い、そこを返されそうになるとキムラロックのままバックを伺いつつ、足で首を刈り、腹ばいの腕十字。凄く綺麗な流れでした。

02「狙っていたわけではなかったですけど、練習でもよく仕掛けているパターンなので自信を持ち、落ち着いて仕掛けることができました」

──往年のシャオリン・ヒベイロを見ているかのようなテクニシャン振りでした。

「いやいや(苦笑)。シングルに対して、あの動きを仕掛けたりはしているのですが、岸本(泰昭)選手との試合では、クラッチを利用されて腕十字を逆に仕掛けられていますしね。めっちゃ危なかったです。あの時は」

──それでもリスクを恐れず取りにいったわけですね。

「タイムとか関係なく、取りに行ける時に取りに行こうと思って戦っていました。チャンスがあれば、確実ではなくても確率が高ければ行こうと」

──ところで今回、私などケージサイドで写真を撮っていてブーイングはまぁ一つの観戦方法だとしても、日本人選手への尊敬心のない観客の態度にカリカリしてしまって……。実際に戦う選手は、あの雰囲気は精神的に影響しないものなのですか。

「凄いブーイングでしたね(笑)。コールが英語と中国語で2度あって、まず英語でブーイングを受ける。そして、次の中国語の時はさらに大きくなる。あの時、中蔵さんと目があったらめっちゃ笑っていて、そっちの方が気になっていました(笑)。

ただ、勝ってコールを受けた時に静けさは、『どんだけ日本人のこと嫌いやねん』って思いましたね(笑)。それでも、控室に戻る時は拍手をくれましたよ。あっ、何か一人、血相を変えて怒鳴っているオッサンもいましたけど(笑)。まぁ、良い体験になりました」

──精神的に特に影響はなかったのですね。大した強心臓です。

「いえ、実は7月の1回戦の時に日の丸を渡されて、『次も使うから日本に持って帰って、また持ってきて』と言われていたんです。けれでも、今回は場所も場所だし日本に置いてきたんです(笑)」

──分かります。その気持ち(笑)。

「でも、バックステージにはまたしっかりと日の丸が用意されていて(苦笑)。『やっぱやるんや』とう感じでちょっと、嫌な気持ちだったんです。で、オープニングセレモニーの前に『あんまり煽りたいくない』ということを口にした──その時に藤田(和之)さんが『ダメだよ、煽らないと。プロなんだから。煽って盛り上げないと』、『盛り上がったら、それで良いじゃん』と言ってくれて。確かにそうだって思えるようになったんです」

<この項、続く>

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