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【WJJC2016】World レビュー<03>ミドル=カラザンス、ミッドヘビー=ロの牙城に迫るのは誰か!!

Calasans & Lo【写真】カラザンス、ロの連破を阻む者は現れるのか (C)MMAPLANET

1日(水・現地時間)から5日(日・同)にかけてカリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われる。今年度におけるタイムリミット有り&ポイント有りの各階級、そして無差別級における競技柔術世界一を決定するこの大会。今回は中量2階級の見所をお届けしたい。

【ミドル級】
今年も強豪がズラリと揃った感のあるこの階級。優勝候補筆頭は、何といっても昨年同階級覇者にして、ADCC世界大会無差別級まで制してのけたクラウジオ・カラザンス(アトス)だろう。今年もその勢いは衰えず、アブダビプロでは一階級上のホムロ・バハウからヒザ十字で一本勝ちを奪うと、決勝ではやはり一階級上の怪物レアンドロ・ロと一騎打ち。レフェリー判定で敗れたものの、多くの者が最後にパス狙いで印象を稼いだカラザンスの勝ちを支持するほどロを追い詰めてみせた。

Otavio Sousaそしてこのカラザンスを追うのは、昨年初の決勝進出を果たしながら、カラザンスの軍門に下ったヴィトー・オリヴェイラ(GFチーム)、元世界王者のオタービオ・ソウザとヴィクトー・エスティマのバッハ勢といった世界的強豪たちだろう。

そのバッハからは、もう一人注目選手が参戦する。今年のアブダビプロ決勝でホベルト・サトシ・ソウザに快勝し、その力をまざまざと見せつけた新鋭のガブリエル・アルジェスだ。サトシを相手に綺麗にスイープを決めるなど上からも下からも互角以上に戦い、終盤は50/50で流すなどゲームメイクの上手さを見せつけたこの男は、すでに優勝候補の一角を占めていると過言でない。

さらに、今年のパン大会の準決勝でソウザを、決勝でオリヴェイラを下して見事に優勝したヤゴ・ソウザ(N’sブラザーフッド)もまた、大注目の新鋭選手だ。師のレアンドロ・ロ譲りの相手の片足を引き出してのスイープやニースライド・パスの威力は実証済み。ヨーロピアン、パンと連続で制したこの男が、世界大会黒帯初挑戦で初戴冠の快挙を成し遂げる可能性は決して低くはない。

加えて、去年はヘビー級で出場して準優勝したベテランのルーカス・レイチ(チェックマット)も今年は二階級落として登場。世界の重量級最高峰の戦いでも大いに通用した必殺のハーフガードが、4年振りとなるミドル級の舞台でどれほどの威力を持つのか、注目したい。

さらにベテランの元ライト級世界王者、セルシーニョことセルソ・ヴィニシウス(ハイアン・グレイシー・チーム)、ディロン・ダニス、ジョナサン・サタヴァらのマルセロ・ガウッシア門下生、ヴィトー・シウヴェイロとジェイミー・カヌートらGTチーム勢、ベースボールチョークのマジット・ヘイジ(グレイシー・バッハ)らの強豪も参戦。そのなかで日本からはアンデルソン・タカハシ(ホシャ柔術)もエントリーしており、世界の強豪相手の健闘を期待したい。

【ミディアムヘビー級】
昨年頭一つ抜けた強さで優勝し、世界大会4連覇&世界3階級制覇を成し遂げたレアンドロ・ロ(N’sブラザーフッド)が今年もエントリー。最近は以前のような驚異的なペースで試合に出ることこそなくなったロだが、今年もコパ・ポジオの77キロ以下級グランプリを全勝で制覇し、パン大会とアブダビプロの階級別も制覇するなどその強さに翳りは見えない。不動の優勝候補だろう。

Keenan Cornelius打倒ロがもっとも期待されるのは、2年前のこの大会の無差別級でロを相手に、自ら開発したワームガードの進化系を世界に披露、見事に攻略してみせたキーナン・コーネリアス(アトス)だろう。競技柔術における技術進化の最前線にいる存在として、常に世界の注目を浴びるコーネリアスだが、近年は相手の膠着戦法の前に(下から攻め続けながらも)ポイント負けする場面が目立っている。創造力の天才が、この壁を突き破って再び世界を驚かせてくれることを期待したい。

さらにこの階級には、今年のパン大会決勝でロと好勝負を演じた元世界王者ホムロ・バハウ(グレイシー・バッハ)、昨年準優勝のタルシス・ハンフェリーズ(アリアンシ)といったベテラン勢、道場での強さでは世界最強とまで噂され、ミヤオ兄弟も尊敬してやまないムリーロ・サンタナ(バルボーザ柔術)、マテウス・ディニス(アリアンシ)らの強豪がエントリーしている。


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