【PXC38】初のKO負けに矢地祐介は「地べたからやり直す」
【写真】キャリア初のKO負けを喫した矢地。これから頭を整理し、課題を克服していってほしいものだ(C)MMAPLANET
9日、グアムのUOGフィールドハウスで開催されたPXC38で、トビー・ミセッチにKO負けを喫した矢地祐介。試合終了直後に控え室で、その心境を尋ねた。
──最後の左ストレートは?
「いやぁ、見えてなかったですね。というか、見ていなかった。もうフックが体に染みついていて、そこに逃げちゃったというか、楽してあのフックを出して。結局、体も流れてしまっていたじゃないですか。相手のことも見てもいないし……」
──あの一発で意識が飛んだのでしょうか。
「飛んだというか……、ヤバい、ヤバいっていう感じでした。早く止めて貰えてよかったです」
──フックを打つ時に頭が下がっていました。
「そうッスね。これまではアレを上手く使えていたんですけど、そこで楽しちゃうと、合わされて。もうデメリットになってしまっていました。良くないですね。打つなら、しっかりと見てカウンターを合わせるとかしないと。不用意でした」
──ジャブが当たっても、ミセッチは怯まなかったですね。
「僕の方もパンチが当たり始めると、もう攻撃のことばかり考えるようになっちゃって。もう、相手のパンチのことなんて一切考えていなかったです。そこが敗因ですね。相手のパンチが来たら、体が反応しているのでそこに頼ってしまって」
──ミセッチが予想外の動きをしたという部分はありましたか。
「いえ、そんな特にヤバい攻撃はなかったです。自分ッス、自分の戦い方が攻めばっかりになっていたということなんで。楽しちゃっていました……。ローが当たっていたんで、上手く使いたかったんですが、何か飽きちゃって」
──飽きちゃう?
「自分の攻撃に飽きてしまうんです。入り過ぎて、これはヤバいかなって考え過ぎて、ローが出なくなりました。やっぱり、試合のなかで当たる攻撃は出していかないと……。自分で選択肢を狭めていってしまいました」
──1Rは思っていた動きができていたのですか。
「そうですね、ケージの感触を確かめて、相手の動きを見て、自分の攻撃を出していく。まぁ、良い感じで出来ていました。2Rは見始めちゃって、相手を見ない、ローも出さない。で、何も考えずにフックを打ってしまいました」
──1Rもジャッジによっては、振り回して前に出るミセッチが取っている可能性もあります。足を使っていても、姿勢が乱れてしまうと、取られてしまうかもしれない。
「そうなんですね……。姿勢を乱していると、印象が悪いッスよね。あれだけ体が流れていたら……。ストレートとか合せたかったのに、本当に楽してしまいました。もう一回、イチから、地べたから這い上がります。世界に出ると、強い奴はいっぱいいるってことですよね。
(堀口)恭司にも言われたけど、負ける相手じゃなかったのに……。ホント、絶対に。本当に悔しいです。KO負けするなんて思っていなかったです。ホントに甘くないです。この負けを持ち帰って、イチから、丁寧にやり直します」