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【UFC157】男気ローラーと融合フォドー、ストライクフォース勢参戦

Lawler

【写真】8年4カ月振りのオクタゴンとなるロビー・ローラー。狙いはパンチでKO、テイクダウンをいかに封じるか (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC157 には2日のUFC156から本格参戦を始めた、ストライクフォース勢からロビー・ローラーとカロス・フォドーが参戦する。

ジョシュ・コスチェックと対戦するローラーは、20歳2カ月でUFCデビューを果たした当時、強烈なパンチ力は未来の王者と注目を集めた。その後、MMAが部分的に活況を呈していた時代、ハワイのICONでメジャーと変わらぬ境遇で活躍。ICONがエリートXCに買収され、EXC世界ミドル級王座に就くと、その後ストライクフォースを経ても、試合内容の激しさで確固たる地位を築いてきた。

抜群のパンチ力の強さを誇るが、未だにグラウンドに難点のあるローラーに対し、コスチェックはやはりテイクダウンからトップキープ、パウンドで削ってチョークを狙うというのは常套手段か。ポイント・スコアリング的なファイトが確立され、発展してきたUFCでは、ローラーのようなファイターはあまり見かけなくなった。そんな粗さがシステマチックなファイトにしてやられるのか、それとも男気ファイトがフィジカル+ストラテジーの現代MMAを駆逐するのか――MMAイデオロギー対決、実はコスチェックより5歳年少のローラーに注目だ。

一方、ストライクフォース・ライト級戦線で人材育成のチャレンジャースから台頭を表してきたカロス・フォドーは、カナダのサム・スタウトと対戦する。ジャスティン・ウィルコックスやジェイムス・テリーなど、チャレンジャース世代を倒し、最後のパット・ヒーリーに敗れたフォドーは、ローラーとは対照的な現代MMA的なファイター。

Fodor【写真】パット・ヒーリーのレスリングにメルティッド・マーシャルアーツは通じなかったフォドーだが、スタウトの打撃には……(C)GONGKAKUTOGI

修斗創始者、佐山聡氏のいう「打てという『打』ではなく、投げろという『投』ではなく、極めろという『極』ではない」という総合=MMAのエッセンシャルを見事に体現化した、マット・ヒュームの愛弟子。そのファイト・スタイルは、そこまでスピードのないデメトリウス・ジョンソンといったところか。対するスタウトは、UFC戦績7勝7敗のファイター。打撃中心、テイクダウンディフェンスに長け、自らもテイクダウンを仕掛ける――戦い方は、フォドーほど打・倒の融合は進んでいない。

ただし、打撃の威力はフォドーのソレを上回る。スタウトの打撃をフォドーが如何に捌き、組み際、離れ際の打撃を細かく入れて削っていくことができるか。大量リリースの原因となっているストライクフォース勢だが、彼らの身も決して安泰でない。連敗でなくても、勝ち越していてもリリースされるという状況になったUFCファイターたち、テイクダウン+抑え込みファイターが恣意的に厳しいポジションに追い込まれる現状が、どのような心理的影響を今大会の出場選手に与えるのか。行って来いファイトで勝利を得ることが厳しくなった進化したMMAだけに、各選手の戦術がどのように変化するのか注目したい。

■UFC 157対戦カード

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ロンダ・ロウジー(米国)
[挑戦者]リズ・カモーシェ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
リョート・マチダ(ブラジル)
ダン・ヘンダーソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国)
アイヴァン・メンジヴァー(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
コート・マクギー(米国)
ジョシュ・ニアー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
ロビー・ローラー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ブレンダン・シャウブ(米国)
レイバー・ジョンソン(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・キエーザ(米国)
アントン・クイヴァネン(フィンランド)

<フェザー級/5分3R>
デニス・ベルムデス(米国)
マット・グライス(米国)

<ライト級/5分3R>
サム・スタウト(米国)
カロス・フォドー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ケニー・ロバートソン(米国)
ブロック・ジャーディン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・マンリー(米国)
ニール・マグニ―(米国)

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