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【UFN64】改めて振り返る、8年前のミルコ×ナパォン。リベンジは接近戦の構築に掛かってくる?!

UFC70【写真】8年前の衝撃は今も語り草になっている (C)ZUFFA

11日(土・現地時間)、ポーランドはクラクフのアリーナ・クラクフで開催されるUFC Fight Night64「Gonzaga vs Cro Cop 2」。メインはタイトル名にある通り、1年半振りにオクタゴン復帰を果たすミルコ・クロコップが、ガブリエル・ナパォン・ゴンザガと再戦するヘビー級戦が組まれている。

2007年4月──PRIDEのスーパースターからUFCに転身、2カ月半前にエディ・サンチェスを破ってオクタゴン初勝利を挙げたミルコが、英国マンチェスターでUFC3連勝中のナパォンと対戦した。もちろん、ここで勝利を挙げれば当時の世界ヘビー級王者で、当日の解説者も務めていたランディ・クートゥターへの挑戦権を手にすることになる──そんな青写真をズッファが描いたことは明白だ。

改めて8年前の一戦を再現したい。

オクタゴン中央で向かい合った両者、ナパォンの右ストレートに対し、ミルコが左回りを続けるという状況が続く。時折り右ジャブを伸ばすミルコだが、まだ様子見のファイトでナパォンとの距離を測る。ナパォンも右を伸ばしてアウトサイドへ動くという試合を続けると、1分20秒を経過した頃にミルコが強烈な左ハイを蹴り込んだ。

この一発で右わき腹が真っ赤になったナパォンだが、蹴り足をキャッチして一気にテイクダウンへ持ち込む。クローズドガードのミルコは、頭を引き寄せ手首を掴もうとするが、その手首を捻って掴ませないナパォンが左ルボーから右エルボーを継続的に落としていく。さらにパンチを織り交ぜ、ケージ際に移動しつつ攻撃を続けるナパォン。ミルコは立ち上がる術も持たず、エルボーとパンチを被弾し、右エルボーで左の額をカット、流血に追い込まれる。

残り試合タイム30秒まで、3分間断続的にエルボーを受けたミルコは表情こそ変わらないが、ダメージとストレスが蓄積した様子だった。ブレイクが命じられ、スタンドに戻った両者。ここでも左へ回るミルコに対し、ナパォンは右ストレート、直後に放った右ハイがミルコのガードの上を通り抜け、顔面を直撃する。右肩からキャンバスに沈んだミルコは、失神して体が痙攣、衝撃の結末&番狂わせとなった。

この後、ミルコは戦績を1勝2敗とし一度はUFCと決別したが、DREAMを経て復帰。懸命にケージと現代MMAを消化しようとする姿勢は伝わって来たものの、第一次参戦から通算4勝6敗でオクタゴンを去ることとなった。ここ最近はMMAでは日本のIGFを中心に、キックではGLORYで地元ザグレブでレミー・ボンヤスキー戦を経て、LAでジェレル・ミラーと対戦するなど、二足の草鞋を履いてキャリアを続けてきた。IGFでは石井慧に2連勝し、王者にも君臨したが、大晦日の再戦を観戦したBellatorのスコット・コーカーの接触が噂されると、事態は急変しUFCと再契約がなった。

そんなミルコと再戦することが決まったナパォンは、前回の勝利後に彼に成り代わってクートゥアーの王座に挑戦するもベルトを巻くことは叶わず、7勝5敗という戦績で2010年10月に一旦はUFCをリリースされた。ローカルプロモーションで挙げた1勝を挟み、2012年1月にオクタゴンに戻ると、これまでは4勝3敗。現在は2連敗中だが、それでもUFC通算戦績は11勝8敗と3つも勝ち越している。

8年の年月がお互いをどのように変えたか。体の切れは落ちているが老練さを増す──というのは、いかにも有りがちな見方だ。何よりも、前回と違うのはミルコの経験値と驕りのない精神状態。当時のミルコはケージの戦い方も、UFCファイターの実力も、何よりもエルボー有りなどルールの変化をしっかりと受け止めていなかったことを、今回の戦いを前にして認めている。

衝撃的なハイキック決着も、テイクダウンを許してから立ち上がることができずに、エルボーを被弾し続けていた結果だ。今回は違う。ミルコはテイクダウンダウン対策を練り、距離の取り方、立ち位置もしっかりと研究しているに違いない。それでも、UFC後はコーナーのあるリングで戦ってきただけに、サークリングに対し追い足があるのかが気になる。カウンターだけで自分の戦いに持ち込むのは、UFCでは無理といっても過言でない。

絶大な威力を誇るカウンターにしても、自ら動きて誘い込む必要がある。さらにいえばテイクダウンを狙わせ、リスクの高い攻防で細かい打撃によりダメージを与えることも不可欠だ。IGFの石井戦ではアッパーで布石を打って、必殺の左ハイを蹴り込んだミルコ。やはり、勝負の鍵は接近した距離をいかに自らの動きで構築できるかに掛かってくる。

■ UFN64対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
ガブリエル・ナパォン(ブラジル/14位)
ミルコ・クロコップ(クロアチア)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジミ・マヌワ(英国/9位)
ヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
パヴェウ・パブラック(ポーランド)
シェルドン・ウェストコット(カナダ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョアン・カルダーウッド(英国/6位)
マリナ・モロズ(ウクライナ)

<ウェルター級/5分3R>
セス・バジンスキー(米国)
レオン・エドワーズ(英国)

<ミドル級/5分3R>
バルトス・ファビンスキ(ポーランド)
ギャリス・マクレラン(南アフリカ)

<ウェルター級/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ミカエル・リブー(フランス)

<フェザー級/5分3R>
ダミアン・スタシャク(ポーランド)
ヤオツィン・メザ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ダニエル・オミランチョク(ポーランド)
アンソニー・ハミルトン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
イザベラ・バドレク(ポーランド)
アレクサンドラ・アルブー(ロシア)

<ライト級/5分3R>
マーチン・バンデル(ポーランド)
スティーヴィー・レイ(英国)

<フェザー級/5分3R>
テラー・ラピルー(フランス)
ロッキー・リー(台湾)

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