【UFC119】ミア×ミルコ、静かな展開もラストは衝撃的に
■第11試合 ヘビー級/5分3R
フランク・ミア(米国)
Def.3R4分2秒/TKO
ミルコ・クロコップ(クロアチア)
前に出て細かい連打を見せるミルコ。ミアは左ローから前に出るが、ミルコはバックステップで距離をキープする。すると、突進してテイクダウンを狙ったミア。ミルコがケージを背にして、ヒザを突き上げると、これがミアの急所を直撃してしまう。
尻もちをつき、背中を付けてリカバリーに努めるミアは、立ち上がって呼吸を整え臨戦態勢へ。右を伸ばしながら前に出てきたミアに対し、左へ回ってかわしたミルコは左を伸ばす。
前に出るミア、かわすミルコという展開が続く中、ミルコが突然ハイを見せる。これは空振りに終わり、左を伸ばすミルコにミアはミドルで応えると、テイクダウン狙いで組みついたミアは、右エルボーを見せる。ワキを差し返したミルコは、態勢を入れ替え距離を取ることに成功する。
その後もパンチから組みつくミアに、ケージ際で耐えるミルコという展開が続き、初回は残り1分に。残り35秒でレフェリーのブレイクが入り、ミルコの左ローがヒットするが、ミアは距離を詰めて左アッパーを打ち込む。テイクダウン狙いがあった分、積極性でミアと判断するしかない、静かな1Rが終わった。
2R、左を繰り出すミルコ。テイクダウンを警戒しているのだろう。だが、もう少し蹴り技が欲しいところだ。試合前の言葉通り、スタンド戦をいとわないミア、ミルコもレスリング対策を十分に積んでいることが分かる――故に動きが少ない試合に。
ケージ際の攻防に再びブレイクが入り、試合はオクタゴン中央へ戻る。マットが滑りやすいのか、足元を気にするミルコ。残り試合タイムは2分となり、ミアが再び組みついていく。細かいヒザの応酬は、ここでもレフェリーのハーブ・ディーンがブレイクを命じる。
単発の左ロー以外は、カウンター狙いのミルコ。ミアも組むためのパンチを繰り出すが、両者の距離が戦闘距離に入らないまま、試合は最終ラウンドへ。
インターバル中の「パンチを入れろ」というセコンドの指示に頷いたミルコは、前に出て左を見せる。右ジャブを繰り出したミルコに組みつくミア。ミルコは体を振って距離を取ると、足払いを防ぎスタンドをキープする。
右から左を伸ばしたミルコだが、クリーンヒットには至らない。ミアのテイクダウン狙いにはしっかり対処し、ようやくミルコが鋭い左をヒットさせる。しかし、ここでミアが距離を詰め、ミルコをケージに押し込む。
残り2分、レフェリーのブレイクにもペースが変わらない両者。僅かな打撃の交換のあと、ケージ際の攻防に。態勢を入れ替え、ミルコが左を伸ばした瞬間、その頭を押さえられ突き上げられたミアの右ヒザが顔面を直撃する。後方に倒れ、パウンドの追撃を受けたミルコ。攻撃手段が増えたミアと、組技のディフェンス能力が上がったミルコの一戦は、動きが少ない試合となったが、結果だけを見れば衝撃的なKO決着となった。