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【UFN13】質量の差は明白、好カード揃うファイトナイト

2008.04.02

 (C) ZUFFA北米MMAワールド黄金2ウィークス。SHOXC、WEC、ストライクフォースを終え、MMAイベントラッシュも折り返し後半戦へ。この2週間で最注目UFCファイトナイトが、2日(水・現地時間)にコロラド州ブルームフィールド・イベントセンターで行われる。

【写真】パルバーをKOしているローゾンは、オールラウンダー。寝技も切れる (C) ZUFFA

メインのケニー・フロリアン×ジョー・ローゾン戦を筆頭に、粒ぞろいのライト級7試合。さらにはカロ・パリシャン×チアゴ・アウベスのウェルター級サバイバルマッチなど、全12試合が行われ、UFCこそMMAブームの北米にあっても質・量ともに他を圧倒していることがうかがわれる充実のラインナップといえるだろう。


メインに出場するケニー・フロリアンはTUFシーズン1の準優勝者で、米国東部の柔術界を代表する実力者。その後、ショーン・シャークとUFC世界ライト級王座決定戦で戦い敗れたものの、三島☆ド根性ノ助、アルヴィン・ロビンソン、ディン・トーマスを下している。

一方のジョー・ローゾンは、2006年9月にUFC復帰を果たしたジェンス・パルバーを48秒KOで下しKYな強さを見せつけた。そのパルバーがコーチに就任したTUFシーズン5では準決勝敗退となったものの、UFC公式戦の通算戦績は3戦3勝の土付かず状態だ。

オールラウンダーの二人、この勝者が5月24日のライト級頂上決戦BJ・ペン×ショーン・シャーク戦の勝者に挑むことは十分に考えられる。

TUFシーズン5ウィナーのネイト・ディアズは、カート・ペリグリーノと対戦。ディアズの師シーザー・グレイシーが、グレイシー連合を組み「絶対にヒリオン(フロリダ在住)とヘンゾの弟子と、私の弟子が戦うことはない」と語っていたが、ペリグリーノはヘンゾ・グレイシーの黒帯だ。レスリング+柔術のペリグリーノ、ガードファイターのネイト。米国のMMAには寝技はない、または寝技のレベルは低いという間違った認識を払拭するようなグラウンド・ウォーが展開されるに違いない。

3時間に中継が延長されたSPIKEのLIVE中継枠からは漏れてしまったが、グレイ・メイナードとフランク・エドガーの一戦も見逃せない。メイナードはエクストリーム・クートゥアー所属のレスラー。これまでMMAキャリア5勝1ノーコンテストで負け知らず、一方のエドガーはタイソン・グリフィン&スペンサー・フィッシャー戦の勝利を含むUFC3戦3勝、MMA全体でもデビュー以来7連勝中のファイターだ。ともにレスリングが基礎だが、テイクダウン能力+打撃の強さではメイナードが1枚上か。ただし、立っても寝てもきめ細やかさではエドガーがメイナードを上回る。

DREAMライト級GPで大注目のエディ・アルバレスやIFLのワンダーボーイ=クリス・ホロデッキーという非UFCビッグネームに勝るとも劣らない実力の持ち主が、ノンTVマッチで潰し合う。これがUFCの現実、よくもここまで潰し合いをさせると感心してしまうほど、非情かつ興味深いカードといえるだろう。

この他、ディン・トーマス×ジョシュ・ニアーのウェルターでもトップグループだった者同士の一戦も、どちらが勝つか本当に予想が難しい生き残り合戦といえる。他3試合のライト級マッチは、マーカス・アウレリオ、マニー・ガンバーリャン、クレイ・グィダという実力者にUFCデビュー組みや2戦目のファイターが挑むマッチアップ。番狂わせを起こすファイターが生まれるのも、また楽しみだが、これら実力者が勝ち上がる可能性が高い。

また、ライト級に話題は独占されない、そんなウェルター級の一戦はカロ・パリシャン×チアゴ・アウベス戦だ。柔道スロー+エルボーのパリシャンと、ローキック&倒れない戦いを実戦するアウベスの対戦は、他のプロモーションならウェルター級王座が掛けられても全くおかしくない実力者対決といえる。

この他のウェルター級マッチも、パリシャンと同じアルメニア系ファイターのローマン・ミティチアンと豪州の柔術ファイター=ジョージ・ソティロパロス戦や、ヒーガン・マチャドの愛弟子アンソニー・ジョンソンが出場するオープニングファイトなどは、TVマッチで組まれているライトヘビー級の2試合よりもよほど楽しみな試合といえる。

なお今大会のライブ中継終了後、SPIKEではジ・アルティメット・ファイター シーズン7が開始。ランペイジ・ジャクソンとフォレスト・グリフィンをコーチに迎え、第1週は32名のミドル級ファイターが16名まで振り落とされ、ジャクソンとグリフィン、どちらのチームに属するのかが決定するまで中継される。

■UFCファイトナイト全予定試合

◆メインイベントライト級5分×3R
ケニー・フロリアン(米国)
VS.ジョー・ローゾン(米国)

◆第11試合ウェルター級5分×3R
チアゴ・アウベス(ブラジル)
VS.カロ・パリシャン(アルメニア)

◆第10試合ライトヘビー級5分×3R
マット・ハミル(米国)
VS.ティム・ボーテッシュ(米国)

◆第9試合ライト級5分×3R
カート・ペルグリーノ(米国)
VS.ネイト・ディアズ(米国)

◆第8試合ライトヘビー級5分×3R
ジェームス・アーヴィン(米国)
VS.ヒューストン・アレキサンダー(米国)

◆第7試合ライト級5分×3R
グレイ・メイナード(米国)
VS.フランク・エドガー(米国)

◆第6試合ライト級5分×3R
ジョシュ・ニアー(米国)
VS.ディン・トーマス(米国)

◆第5試合ライト級5分×3R
ライアン・ロバーツ(米国)
VS.マーカス・アウレリオ(ブラジル)

◆第4試合ライト級5分×3R
ジェフ・コックス(米国)
VS.マニー・ガンバーリャン(アルメニア)

◆第3試合ライト級5分×3R
サミー・スキアボ(フランス)
VS.クレイ・グイダ(米国)

◆第2試合ウェルター級5分×3R
ローマン・ミティチアン(アルメニア)
VS.ジョージ・ソティロパロス(豪州)

◆第1試合ウェルター級5分×3R
アンソニー・ジョンソン(米国)
VS.トミー・スピアー(米国)

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