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【UFC103】PPV前の無料中継で、因縁のTUFライト級対決

2009.09.14

(C) ZUFFA19日(土・現地時間)、アメリカンエアラインズ・センターで行なわれるUFC103『Franklin vs Belfort』は、1年5カ月振りのテキサス州でのUFC開催、ズッファにとっては3月にWECを同州で開いたため、半年振りのテキサス州進出となる。また、10月10日にはWECのサンアントニオ大会を控えており、二カ月連続となるテキサスでのイベント開催で、テキサス州は時ならぬMMAイベントラッシュを迎えている。

【写真】果たしてエフライン・エスクデロの実力のほどは如何に。その実力査定マッチともいえるコール・ミラー戦が、PPV開始前にSPIKEでライブ中継される (C) ZUFFA

今大会の会場となるアメリカンエアラインズ・センターは、NBAの人気チーム=ダラス・マーベリックスの本拠地で、そのオーナーはマーク・キューバンその人。自らが持つHDネットワークでストライクフォースや日本のDREAMなど、UFC対抗組織の中継も行なってきた彼のお膝元で行なわれるイベントとなる。

また、大会当日となる19日はボクシングのスーパーファイト、フロイド・メイウェザー×ファン・マヌエル・マルケス戦が行われるため、PPV中継即売のためか、プレリミナリーマッチから、エフライン・エスクデロ×コール・ミラー戦、ドリュー・マックフィールズ×トーマス・デューエル戦の2試合がSPIKETVで無料中継されることなった。


PPV前の無料中継の実施はMMAでも既にエリートXCが行なっているが、UFCでは初めての試みとなる。その重要な役割を担うことになったエスクデロとミラーは、ともにTUF出身のファイターだ。

エスクデロは、ここ最近のTUFでは一番の盛り上がりを見せたシーズン8のライト級ウィナーで、この一戦が9カ月振りのファイトとなる。

一方のコール・ミラーは、UFCが一度はマッチメイクから除外していたライト級を本格的に再開するに当たって集められたTUFシーズン5に出演したファイターだ。

Miller【写真】ジューニー・ブローウィングにギロチンで圧勝したあとも何かを叫ぶコール・ミラー。クールな印象が強い彼が見せた自負の表れ――か (C) ZUFFA

TUFシーズン8が盛り上がったのは、ジューニー・ブローウィングというシーズン1のクリス・レーベンを彷彿させる問題児がシーズンをひっかけ回し、中堅プロモーション王者や柔術世界王者がズラリと並んだライトヘビー級勢が、本戦と変わらぬレベルの高い生き残り合戦を見せたからこそ。

実力者が勢揃いしたという部分では、シーズン1、シーズン8のライトヘビー級と並び称されるのが、コールが参加したシーズン5だ。優勝したネイト・ディアズ、準優勝のマニー・ガンバーリャン、グレイ・メイナードにジョー・ローゾン、マット・ワイマン、ロブ・エマーソンと今もUFCライト級戦線で活躍するファイターたちが参加するなかで、ミラーは準々決勝における反則の後頭部パンチのダメージが抜けきれないまま、ローゾンに敗れている。

そんなミラーにとって、シーズン8のライト級勢は目の上のタンコブ。究めてノーマルな性格の持ち主のミラーが、4月のUFNにおけるブローウィング戦前に激しい舌戦を繰り返し、僅か120秒弱で勝利したあとに敗者を罵倒したシーンは、多くのTUF視聴者を驚かせた。人気先行シーズン8勢に対し、ミラーの自負が爆発したシーンといえるだろう。

メキシコからアリゾナに移り住み、ピマ・コミュニティ・カレッジ時代にはオールアメリカン・レスラーに選出され、ドリュー・フィケットやWEC世界ライト級王者ジェイミー・バーナーら地味な実力者に揉まれ、キャリア11連勝中のエスクデロ。シーズン8ではHERO’S USA大会に出場したイド・パリエンテをリアネイキドチョーク、ショーン・ネルソンをマウントからの三角絞め、さらにはブローウィングをダースチョークで仕留めている。

決勝のフィリップ・ノヴァー戦こそ、ヘンゾ・グレイシーの黒帯を相手に、グラウンド戦をなるべく避け、倒されても立ち上がる、そしてスタンドの打撃戦で打ち勝つという戦略で、判定勝ちという結果に終わったが、極めて勝つ、殴って勝つ、そして戦術にそって判定勝ちを狙う彼は、決して人気先行型と決めつけることができない何かを持っているファイターのようにも感じられる。

その何かを確かなモノとして証明するには、実力者揃いのTUFシーズン5出身ミラーとの対戦が、非常に大切な一戦となってくる。

PPV購入を迷う者に、最後の一押しという重要な役割を命じられた二人のライト級ファイター、その勝負の行方は試合が始まらないと分からないが、彼らのタレント性+実力をズッファが勝っているということだけは確かだ。

■UFC103対戦予定カード

<195ポンドキャッチウェイト/5分3R>
リッチ・フランクリン(米国)
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ミルコ・クロコップ(クロアチア)
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
フランク・トリッグ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マーティン・カンプマン(デンマーク)
ポール・デイリー(英国)

<ライト級/5分3R>
エルミス・フランカ(ブラジル)
タイソン・グリフィン(米国)

<ライト級/5分3R>
エフライン・エスクデロ(メキシコ)
コール・ミラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ドリュー・マックフィールズ(米国)
トーマツ・デューエル(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
スティーブ・ロペス(米国)

<ライト級/5分3R>
ニック・レンツ(米国)
ハファエロ・オリベイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
リック・ストーリー(米国)
ブライアン・フォスター(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
エリオット・マーシャル(米国)
ジェイソン・ブリッツ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・ポクライェク(クロアチア)
ウラジミール・マティシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
ロブ・エマーソン(米国)

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