【WEC33】因縁決着戦&戦火の英雄が王座挑戦
6日(木・現地時間)、ワールド・エクストリーム・ファイティング(WEC)より、3月26日にネヴァダ州ハードロック・カジノ&ホテルで行われるWEC33の全ラインナップが発表された。
【写真】昨年12月に行われたフィリョ×ソネン、早くも再戦が実現する (C) ZUFFA
そのリリースの大会タイトルには大きく「FILHO VS. SONNENⅡ」と記されており、ここ数日の間に出回った「パウロ・フィリョが次の試合をキャンセルし、ソネンとの試合が6月に延期する」という噂を一掃するような形でリリースが発表されたことになる。同リリースを受け、MMA PLANET編集部が「フィリョ×ソネンが必ず行われる。この試合が延期されるという噂を否定するものか」とWEC広報担当に連絡を取ると、「YES」という明快な返答があった。
昨年12月12日に行われたWEC世界ミドル級選手権試合で挑戦者チェール・ソネンのテイクダウン、そしてパウンドに青息吐息だった王者パウロ・フィリョ。王座陥落は目前かと思われた2R終了間際、フィリョの仕掛けた腕十字でソネンが苦痛の表情を浮かべると、レフェリーがバーバル・タップアウト(口頭での試合続行不可能の意思表示)として、試合をストップ。フィリョの勝利を宣言したが、「無理かと尋ねられたので、否定すると試合をストップされた」というソネンは大反発した結果、異例の早期リマッチが実現することとなった。
因縁試合の決着戦以外にも、この日は世界ライトヘビー級選手試合として王者ダグ・マーシャルに、ブライアン・スタンが挑戦する試合が行われる。
マーシャルは6人のWEC王者の中で最も存在感がないといわれているが、オールアメリカンという愛称を持つスタンの挑戦で、米国では注目の一番となっている。
スタンはMMAキャリア5戦5勝(5TKO)という戦績を残している他に、重要な戦績がある。シルバースター、銀星賞つまりスタンは対イラク戦争で勲章を授与している軍人MMAファイターということである。
横田空軍基地で生を受けたスタンは、イラク戦争のとあるミッションで、危機的な状況に陥りながら42人の隊員全てを生還させたことによって、勲章を与えられた。リアル戦火の英雄は、今も沿岸警備隊に勤務する一方で、チーム・クエスト・サウスでトレーニングを積んでいる。ズッファも世界フェザー級王者ユライア・フェイバーと並び、スタンを先日のUFC82に帯同していたように、売り出しに力を入れるスター候補生だ。
また、今大会には日本人ファイターが二人出場。ミドル級の三浦広光と、バンタム級の大沢ケンジが、それぞれブラス・アベナ、クリス・マニュエルと対戦することも合わせて発表されている。
■WEC33のラインナップ
◆WEC世界ミドル級選手権試合
王者 パウロ・フィリョ
×挑戦者 チェール・ソネン
◆WEC世界ライトヘビー級選手権試合
王者 ダグ・マーシャル
×挑戦者 ブライアン・スタン
◆ライト級
エド・ラトクリフ
×マーカス・ヒックス
◆ライトヘビー級
スティーブ・カントウェル
×ティム・マッケンジー
◆ミドル級
三浦広光
×ブラス・アベナ
◆ウェルター級
ジョン・アレッシオ
×ブロック・ラーション
◆ライト級
セルジオ・ゴメス
×リチャード・クランキルトンJr
◆ウェルター級
ライアン・ストニチェッシュ
×アレックス・セルジュコフ
◆バンタム級
クリス・マニュエル
×大沢ケンジ
◆ミドル級
ローガン・クラーク
×ブライアン・ベッカー