【HEAT41】イ・サンスと対戦、藤田和之─01─「初めてのケージ? 金網だけに金網でした(笑)」
【写真】「良い経験」という言葉を何度も口にした藤田(C) MMAPLANET
23日(土・祝)に名古屋市港区の愛知県武道館で行われるHEAT41のメインでHEATヘビー級王者イ・サンスと藤田和之が対戦する。
11月のROAD FC中国大会でアオルコロに敗れた藤田は初めてのケージを経験、そしてプロフェッショナルイズムを見せつけた。
MMAでは大会場でのメジャーイベントで戦ってきた藤田は、今回トップインディーのHEAT出場に関して、今の立ち位置で色々な経験をしていくと改めて、プロとしての姿勢、そして真っ向勝負は当然ながら、勝利に拘る姿勢を語った。
──今週末にイ・サンスと対戦する藤田選手ですが、11月10日にROAD FCでアオルコロにTKO負けを喫しています。ケガや後遺症などありませんでしたか。
「特に何も変わらずやっています。一度、ケージに入ってみたかったので念願叶いました。結果は結果で、その時のモノがついてきますが、経験したかったケージで戦うことができた。目標を一つクリアできて、そこは満足というかOKです」
──ケージのなかはリングとは違いましたか。
「そうですね、閉鎖的で金網だけに金網でした(笑)。リングで何十年もやってきて、やはり少し違いましたね。ただ、広いですし圧迫感はそれほどなかったです」
──リングより観客席が見えなくなって、相手に集中できるという選手もいます。
「本当ですか? そんなことないと思いますよ(笑)。人それぞれでしょうけど、別に壁があるわけでなくて金網だから穴は開いているし、僕が何かすれば反応してくれましたしね」
──MMA一本の人間からすると、あれだけ中国人ファンを煽るのかと感心させられました。
「楽しかったです。これをね、生業にしているということはお客さんに意識してもらうことが仕事ですから。反日感情が強いところでしたが、僕の師匠が『お客さんを掌の上で転がす』という表現をされていて、なるほど──これもそうか、こういうことかと。
試合結果は終わっちゃったモノなのでしょうがないですが、終わってからは『もっと練習しろ』というお叱りの言葉も何人からは受けましたよ。立ち上がりで一発、良いのを貰って効いてしまっていたので……あの試合を体験でき、本当に良い経験になりました」
──中国の日本人のほとんどが知らない街での試合。MMAでは珍しい5時間のバス移動というモノもありました。
「移動に関しては、逆にこれまでが恵まれていたんだと感じましたね。あれぐらいの距離があると、飛行機だったと思いますし。ロードFCはイベントとして勢いがあるのですが、そういう面では僕が日本で体験してきたところとはまだ少し違います。だからこそ、良い経験になりました」
──HEATも日本のMMA界では名古屋を本拠地としたインディプロモーションです。
「MMAでは地方大会は初めてですね。ただしメジャーも地方大会もその試合をするために皆が集まって、試合を見るために皆さんが集まってくれる。選手が集まる。色々な場所で、今の立ち位置で色々な経験ができる。最後の仕上げになっているのかなって思います(笑)」
──最後の……。名古屋のファンからすると、藤田選手はヒールではないですね。
「ベイビーフェイス……、どうすれば良いのですかねぇ?」
──PRIDEの頃からMMAファイターの藤田選手はヒールもベイビーフェイスも通り越した野獣キャラでした。
「当時はあのテーマ曲がなり出すと、出番直前まで嘔吐していました。あの曲が流れた以上はという気持ちでいたのですが、プレッシャーが相当でした。ただ、この前の中国ではあの曲を使っていながら観客を煽り、それもまた良い経験でした。
たまたま中国はあんな風でしたが、東京も名古屋もファンはファンです。会場を盛り上げるために戦います」
──中国でないですし、当然として藤田選手の勝利が見たいというのがファン心理です。
「でも、次の相手もチャンピオンですよね。強いですよ。なんで、俺が一番強い相手とやらないといけないのか分からない。ハハハハハ」
──ただし元ミドル級、サイズはアオルコロのようなことはありません。
「対戦相手の映像もダイジェストで見ただけで(笑)。でも、良いですよ。フフフフ、それで。僕のMMAの捉え方は古いか新しいかは置いておいて、仕事ですから。戦うことが仕事ですからね。
戦う仕事をやっているので、あまり研究してどうのこうとかでなく、ベースは決闘です。異種格闘技戦から流れているのだから。勝つことが前提で、仕事として意識できるかどうか。そこだと思います」
<この項、続く>
■ HEAT41対戦カード
<ヘビー級/5分3R>
藤田和之(日本)
イ・サンス(韓国)
<フライ級/5分3R>
春日井たけし(日本)
アザマット・カレフォフ(ロシア)
<キック57キロ契約/3分3R>
ライカ(日本)
鈴木万李弥(日本)
<ヘビー級/5分3R>
HULK(日本)
チョン・ダウン(韓国)
<ミドル級/5分3R>
ANIMAL☆KOJI(日本)
パク・ジョンヨン(韓国)
<キック72キロ契約/3分3R>
TOMO(日本)
ヘナン・マサ(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
山本聖悟(日本)
クラウディオ・ルーカス(ブラジル)
<キック57キロ契約/3分3R>
一仁(日本)
ヘンリー・セーハス(ボリビア)
<キック63キロ契約/3分3R>
安川侑己(日本)
増井侑輝(日本)
<NEWAGEキック・ウェルター契約/2分3R>
ヒマラヤン・チーター(ネパール)
ねぎ魔人(日本)