【ONE59】ンガラニ戦へ、関根秀樹─01─「2週間のインターバル? ONEで戦わないのは仁義に反します」
【写真】ブルテリア・ボンサイの練習仲間と。関根の隣は11月12日のパンクラスで田村一聖との対戦が決まった鈴木琢仁(C)HIDEKI SEKINE
16日(土・現地時間)にインドネシアはジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンターで開催されるONE59「Total Victory」に関根シュレック秀樹が出場する。
昨年12月のONEデビュー=世界ヘビー級王座挑戦から10カ月、この間は柔術、打撃有りでも巌流島で戦ってきた関根。そして2日にロッキー川村と対戦してから、僅か2週間のスパンでアラン・ンガラニと戦う。
6月のムンジアルで負傷し、体調面も心配されるなか関根は、なぜこの強行スケジュールで戦うことを承諾したのか。その真意を尋ねた。
──ONEでの2戦目、昨年12月以来10カ月ぶりのMMAとなります。ンガラニ戦が決まったのはいつぐらいのことなのでしょうか。
「オファーがあったのは3週間ほど前ですかね。8月の中旬だったと思います」
──では巌流島のロッキー川村戦に向けて調整中に? 2週間のインターバルで試合をすることに迷いはなかったですか。
「巌流島が決まっていて、23日にはADCC世界大会。それにまだ発表になっていないのですが、他にも試合が決まっています。それだけ試合があるのに、基本的には専属契約のONEからオファーがあり、他で試合をしているのに大元の試合に出ないというのは仁義に反します。この試合は自分のなかで絶対に受けないといけないモノです」
──川村選手との試合があることで、ケガのリスクもあります。その点についてONEとの話はされたのでしょうか。
「特にしていないです。巌流島自体が格闘技風イベントなので、柔道や柔術の大会に出るのと同じでONEに断りを入れることはなくて。MMAの試合に出るなら、話をして許可を取る必要がありますが」
──打撃有りでも、そのような感覚なのですね。
「着衣総合ですからね。最初は断りを入れたのですが、シャードッグの戦績にも載らない試合ですし、別モノとして捉えれば良いかと思って。打撃があっても道着さえ持てば、致命傷はないと考えていますし。
襟を引き出せばアッパーも届かない。少しバランスを崩すとパンチは打てなくなるか、打っても手打ちになります。そこはやはりMMAとは違います。パンチも当たっただけ、触っただけになるので、実際にダメージは全くなかったです。
川村選手の右ストレートだけ気を付けて。それが来たら額で受けることにしていたのですが、実践したら頭が腫れあがってしまいました(笑)。それだけですね、効いたのは」
──道着を握ってしまえばシュレック選手のモノ。巌流島の試合前は道着有り打撃用の練習を行っているのですか。
「巌流島に関しては、川村選手が相手なので襟を掴んでパンチを出させない。なるべく早く襟を掴むということは意識していました。ただ、自分は普段から競技柔術を楽しんでいます。そして、MMAの試合が近付いてきてもウチのジムではMMAだけの練習をするということではないです。柔術のジムなので。
だから柔術の練習をしていても、時間を掛けてスイープを仕掛けたり、ラペルを使うことはなくスクランブルのようなスイープを心掛けています。あとは殴られないポジションというのは頭を入れていますね」
──なるほどぉ。そのなかでンガラニ戦。パワー溢れるストライカーですが、どのような印象を持っていますか。
「まだ試合映像は見ていないんですよ」
──えっ!!
「自分は見ても1回とか2回だけなんです。川村選手の試合映像も、試合を受けた時に1度、そして試合の2日前にもう一度ハイライト映像をチェックしただけす。ンガラニに関しては、まだ見ていないです(笑)。それでもジムの仲間が見ていて、『ヤバいよ』って言っていますね」
──強烈な打撃の持ち主ですが、ブランドン・ベラと違い組めば、テイクダウンすれば……という選手だとも思えます。
「ブランドン・ベラの時にもそういう風に発言していましたが、そんな簡単に行くことはない。倒すのも大変、寝技だって十分に強いことは分かっていました。
ただ、試合前にそんなことは口にできないので、組めば何とかなるという発言をしていたんです。やるしかない。アレがスタートあの試練を経験しないとその先には行けないですからね。
ンガラニ戦に関しては、止まっているとやられてしまいます。なので前に出て戦うということですね。ジムの人間が左ミドルとか強いと言っていたのですが」
──左ハイも近距離で蹴ることができますね。
「暴風雨みたいだって言っていました(笑)。だからこそ、前に出るしかない。そこもベラと戦ったことが大きいです。ベラはステップを使うから、距離を詰めることができなかった。本当のトップは対戦相手に自分の形を作らせないし、フィニッシュするまで油断もしない。本当に付け入る隙がなかったです。
でもンガラニも自分も、得意なところも穴もある選手です。自分としては打撃に下がらずに前に出ることでチャンスがあると思っています」
<この項、続く>
■ONE59対戦カード
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
ゲヘ・エウスタキーオ(フィリピン)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ステファー・ラハディアン(インドネシア)
シム・ブンスルン(カンボジア)
<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
関根シュレック秀樹(日本)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
ヤゴ・ブライアン(ブラジル)
ロイ・ドリゲス(フィリピン)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ツー・ノット(インドネシア)
タイ・リチ(カンボジア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェレミー・メシアズ(インドネシア)
ヒシャム・サムス(マレーシア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リョウ・デリゲリュウ(中国)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジェローム・ペイエ(リベリア)
ヨーサナン・シッチョートン(タイ)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
エイドリアン・マタイス(インドネシア)
ファット・ソーダ(カンボジア)
<バンタム級(※65.8キロ) /5分3R>
リスキ・ウマー(インドネシア)
アディ・ヌグロホ(インドネシア)