【UFC211】WSOF2冠、10連勝中。オーバー35&超地味強のブランチがUFCと再契約、ヨッコ戦へ
【写真】オーバー35、地味強のブランチのUFC再契約はある意味で注目されている(C)WSOF
21日(火・現地時間)、UFCより5月13日(土・同)にテキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターで開催されるUFC211にデヴィッド・ブランチがクシシュトフ・ヨッコと対戦することが発表された。
ヘビー級選手権試合=王者スタイプ・ミオシッチ×挑戦者ジュニオール・ドスサントス、女子ストロー級=王者ヨアナ・イェンジェチック×挑戦者ジェシカ・アンドレジと2階級の世界戦が組まれ、デミアン・マイア×ホルヘ・マスヴィダル、エディ・アルバレス×ダスティン・ポイエー、ヘンリー・セフード×セルジオ・ペティス、フランキー・エドガー×ジャイー・ロドリゲス戦とFight Nightではメインイベントとなるようなカードがズラリと並んだメガ・イベントで、ここに持ってきたかという実力者のUFC復帰戦が組み込まれた。
ヘンゾ・グレイシーの黒帯ブランチはWSOFでミドル級とライトヘビー級の世界2階級を同時制覇中で、昨年の大晦日にはルイス・テイラーを破りミドル級で3度目の王座防衛に成功したばかり。ライトヘビー級でも1度防衛を果たしているブランチは、2月中旬にUFCと再契約したことを明らかにしていた。
一度はキャリア6勝0敗でUFCと契約したものの2勝2敗の戦績でリリースの憂き目に合うなど、決して高評価を得ていたわけではない。しかし、その後はTitan FCで体重超過のアンソニー・ジョンソンと10ポンドも重いキャッチウェイト戦で戦い判定負けを喫した以外は、全て勝利。通算戦績を20勝3敗として、過去4年で10連勝を達成している。
つまりWSOFでは10勝0敗、世界2冠という状況でUFCと再契約を果たしたこととなる。このWSOF時代に、ブランチは岡見勇信にもTKO勝ちを収めているなど、その実直は疑うまでもない。ただし、ブランチのファン受けは決して良くない。いってみれば難攻不落タイプ、テイクダウンからトップコントロールを重視し、コツコツと削っていくファイターだ。
そして、相手の良さを打ち消すファイトは現体制のUFCが契約を望むとは予想できなかった。それでもUFCはブランチと契約し、ホームページの文言としては非常に珍しく──他のオーガニゼーションという書き記し方ではなくWSOFプロモーションで2階級制覇したという紹介のされ方をしている。
上位選手が離れるケースが以前より増え、また話題性重視のマッチメイクが目立ってきたという声も挙がるなか、この地味強と契約を交わしたUFC。対戦相手のヨッコは現在19勝1敗のポーランド人ファイターで。UFCでは6勝1敗、現在5連勝中だ。いってみればWSOFでは脅かされる者がいない2冠王のブランチが、世界最高峰のUFCで、8歳下のヨッコを相手にどのような試合展開となるのか。
今年で35歳を迎えるブランチの再契約は現体制&最近の流れにおいて、いってみれば異例中の異例。今後も他のプロモーションで勝ち続ければオーバー35のファイターでも契約という事例が続くのか。弱高齢化社会になりつつある日本のMMA界にとって、オクタゴンの中以上に気になるブランチのUFC再登場だ。