【TUF9】第6週 USAの追い上げにUKがヒザ蹴り一閃
「ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン9」第6週。チームUKの2勝1敗で迎えた第4戦、マイケル・ビスピンが選択したのはマーティン・ステイプレトンとキャメル・ダラーによるライト級マッチアップだった。
【写真】下馬評通りの強さを見せ始めたチームUSAの勢いを止めることになった、ジェイムス・ウィルクスのヒザ蹴り (C) ZUFFA
ダラー戦に向けて練習を始めるチームUKだが、トレーニング開始前にビスピンが、前回敗北を喫したディーン・アマシンガーに謝罪した。「時差ボケが酷くて、睡眠薬を飲んだら寝過ごしてしまい、試合が見られなかった」と反省仕切りのコーチに、アマシンガーもチームに初めて敗北をもたらしたことを詫び、二人の間に亀裂が入ることはなかった。
ステイプレトンにはテイクダウンを切ってからのパンチ攻撃の練習を徹底させる。一方、チームUSAの練習では、「キャメロンは寝技の練習は好きだけど、打撃がヤバい」というダン・ヘンは、打撃コーチのシリル・ディアバテからダメだしを受けたことで、立ち技を捨てたようにパウンドの指導を行った。
【写真】ステイプルトンは良いところなく、ダラーの軍門に下り、これで対戦成績は2勝2敗の五分となった (C) ZUFFA
しかし、試合が始まるとダラーの右フックがステイプレトンを捉える予想外の展開に。ダメージを誤魔化すようにシングルレッグを仕掛けるステイプレトンだったが、直後にバックグラブの態勢を取られてしまう。
チョークから、ポジションを維持するために、パウンド攻撃に切り替えたダラーは、ステイプレトンの隙を見て一気にリアネイキドチョークへ。力なくタップしたスプレイトン、これで通算対戦成績は2勝2敗となり米国が英国に追いついた。
次の試合のセレクト権を持つダン・ヘンは、フランク・レスターとジェイムス・ウィルクスを指名する。レスターは「チームUKとかいっても、奴はブリッツ(英国人)じゃない。オレンジ・カウンティに10年も住んでいるじゃないか。どちらにしても、徹底的にやってやる」と、英国からカリフォルニアに移り住んでいるウィルクスを口撃した。
そんなレスターに対しダン・ヘンは、「力を抜いて。パワーを使うだけじゃなくて、リラックスしスピードを身につける必要がある」と指摘した。試合前日になっても、いつまで練習を止めようとしないレスターに、再びダン・ヘンは「考え過ぎは良くない。フラストレーションが溜まってしまう」とアドバイスを与える。
それでもレスターは、思い切り力を込めて「倒してエルボーでカットしてやる」と、気合いを入れ過ぎたまま試合当日を迎えた。
試合は前に出ようとするレスターに対し、ウィルクスがローキックを有効に使い距離を支配する。しかし、レスターが渾身の力を込めて打ち込んだ左ストレートがウィルクスにヒットしダウンを奪う。直後にヒールを見せたウィルクスは、レスターが立ち上がると、すぐにテイクダウンし、パスにも成功。立ち上がろうとするレスターを抑え込み、アキレス腱固めを見せる。ウィルクスは、レスターがスタンドへ戻ると、立ち技でも真っ向からやりあった。
そして、ウィルクスが、首相撲からヒザをレスターの顔面に蹴りあげ、そのままテイクダウンから肩固めの態勢に入ったところで、1R終了となった。
【写真】激戦に終止符を打ったウィルクスの腕十字 (C) ZUFFA
2Rの開始が告げられても、なかなか前に出てこようとしないレスター。「なぜ、始めない? 何を待っている」と、大声でビスピンがレフェリーに抗議する。レスターは1R終盤のヒザで、歯を4本失い、そのうち2本がマウスピースに入ったままで使えない状況になっていた。
歯を引き抜き、マウスピースを装着したレスターだが、精神的に追い込まれてしまったか、攻撃に全く勢いがない。挙句の果てには、右フックを振るった際にバランスを崩すなど、最後はテイクダウンから、パスガード、さらにマウントを奪ったウィルクスが腕十字に移行すると、レスターはあえなくタップ。ウィルクスの勝利で、英国が3勝2敗となり、また一つ星をリードした。
■TUFシーズン9、第6週を終えて、生き残りは以下の通り。
◆チームUSA
・ウェルター級
ジェイソン・ピアス
ダマルケス・ジョンソン
・ライト級
リッチー・ウィトソン
キャメル・ダラー
ジェイソン・デント
◆チームUK
・ウェルター級
デイヴィッド・フォルクナー
ニック・オシペチェック
ジェイムス・ウィルクス
・ライト級
ロス・ピアソン
ジェフ・ローソン
アンドレ・ウィナー