【FFI】6/27新PPV大会にアフリクション副代表がケージ・イン
UFCの独走と、それに付随するWEC。追いかける新生ストライクフォース、独自路線のベラトールFC、先行き不透明のアフリクション――。各地の登竜門、中堅、そして草の根大会と、その構造が確立しつつある北米MMAワールドに新たなPPVビッグイベントが名乗りをあげた。
【写真】アフリクション副代表のトム・アテンシオが、4年ぶりにMMA挑戦。そして、ケージに入ることとなった (C) MMAPLANET
元WWEスーパースター=ボビー・ラシュリー×ボブ・サップ、ギルバート・アイブル×ペドロ・ヒーゾをダブルメインとする、ファイトフォース・インターナショナル『Ultimate CHAOS』だ。
ULTIMATE CHAOS――アルティメット・カオスは、6月27日(土・現地時間)にミシシッピー州ビロクシーのミシシッピーコースト・コロシアムで開催される。同大会は2006年に設立され、翌07年より同地でMMAイベントを開いてきたファイトフォース・インターナショナル(FFI)と、ボクシングイベントを手掛けてきたプライズ・ファイトMMAとの共同プロモーションによって行われる。
MMA開催のノウハウを持つFFIに、マイク・タイソンやレノックス・ルイス、ロイ・ジョーンズJr、ヴィタリー・クリチコの世界戦や五輪トライアル・ボクシングをプロモートしたこともあるプライズ・ファイト・ボクシングが興したプライズ・ファイトMMA。両者のイベント・プロモーション能力が合体したビッグショー開催となる。
そのマッチメイクは、純粋MMAファンなら首を傾げるものから、思わずニンマリとほくそ笑んでしまう通好みのラインナップが混在している。
ダブルメインにヘビー級2試合を用意するのは、米国スタンダードといえるが、それがラシュリー×サップ、オランダ人アイブル×ブラジル人ヒーゾをもってくるのは、MMAワールドのスタンダードとは一線を画している。
【写真】サップやラシュリーらがメインに出場する一方で、ハビエル・バスケスがディン・トーマスと復帰戦を行う。路線がハッキリしないのか、それが狙いなのか (C)MMAPLANET
その一方でダブルメイン以外に組まれた7試合からなるフィーチャーバウトには、ハビエル・バスケス、クリス・ホロデッキー、ブレット・クーパーら実力者の名前が並んでおり、まさにカオス(混沌)状態といえるだろう。
PFCからTUPOUTショーを通して、WECフェザー級戦線でMMAカムバックすると目されていたカリフォルニア・グラップリング界の雄バスケスは、ここでライト級での復帰戦を行い、日本の戦極フェザー級へ乗り込むことを想定しているという。
ただし、1年半ぶりの復帰戦の相手がディン・トーマスとなると、厳しい戦いを強いられることは間違いないはずだ。
【写真】打撃での実績はスリヤパイが上。1年1カ月ぶりのMMAで、ホロデッキーはどのような成長を見せるか (C) MMAPLANET
一方、1月のアフリクション出場予定が、肩の負傷で試合直前にキャンセルを強いられたホロデッキーは、K-1USA出場経験もあり、ドラッカやムエタイで活躍したウィリアム・スリヤパイと対戦する。打撃ベースのMMAファイター同士の一戦は、米国人受けするスリリングな展開となるだろう。
IFL時代に、現在UFCで活躍するローリー・マルカムに勝利し、1月のアフリクションでもパトリック・スピートをTKOで下すなど、現在5連勝中のファイター=ブレッド・クーパーにとって、ワチーム・スプリットウルフ戦は、ほどよいステップボードになる。
アイブル、ホロデッキー、クーパーとアフリクション色の強いファイターが並ぶ同大会だが、そのアフリクションの副代表トム・アテンシオがウェルター級戦に出場し、ランディ・ヘンドリック戦と対戦する一戦こそ、究極のカオス状態を表している。
4年前にトータルコンバットで1勝を挙げているアテンシオは、今は亡きジャレミー・ウィリアムスのAペックス門下だったこともあり、その流れをくむサブファイター・ジムで練習を続けているという話も聞かれる。確かにマッチョで、腰回りのスッキリしているアテンシオだが――、対戦相手も1戦1勝だけに、本来はアンダーカード扱いとなるところだが、そこはVIPファイター、しっかりとPPVラインナップに加わってくることだろう。
「ダナ・ホワイトの振る舞いはファイターそのもの。なのに、なぜ彼はケージに入らない」と、これまたカオス的な発言をするアテンシオ。この路線でどこまで突き進むことができるのか、初夏の花火、新たなジョーク・プロモーションとなってしまうのか。とにかく注目のアルティメット・カオスだ。
■FFI Ultimate Chaos 主な予定メインカード
<ヘビー級>
ボビー・ラシュリー(米国)
ボブ・サップ(米国)
<ヘビー級>
ギルバート・アイブル(オランダ)
ペドロ・ヒーゾ(ブラジル)
<ライト級>
ディン・トーマス(米国)
ハビエル・バスケス(米国)
<ライト級>
クリス・ホロデッキー(カナダ)
ウィリアム・スリヤパイ(米国)
<ウェルター級>
ブレッド・クーパー(米国)
ワーチーム・スピリットウルフ(米国)
<ウェルター級>
トム・アテンシオ(米国)
ランディ・ヘンドリック(米国)
<ミドル級>
ジェイムス・オロス(米国)
コルビー・マクマホン(米国)
※他フィーチャーバウト2試合、アンダーカード6試合が予定されている。