【UFC203】指を負傷したブラウンにヴェウドゥムは、微妙な内容で完勝
<ヘビー級/5分3R>
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/1位)
Def.3-0:30-27.29-27.29-28
トラヴィス・ブラウン(米国/6位)
いきなり、フライイング・サイドキックを決めたヴェウドゥム。続くテイクダウンは失敗したが、ワンツーを当てて前に出る。と、前転しながらのカカト落としという突拍子もない技を繰り出したヴェウドゥムだが、これに失敗。ブラウンも寝技には付き合いたくなく、すぐにスタンドに戻る。
打撃の交換のあと、右腕を気にして間合いを外したブラウン。レフェリーがブレイクを命じなかったため、ヴェウドゥムがパンチを入れると慌ててレフェリーが割って入る。怒りを露わにするヴェウドゥム、ドクターチェックが命じられたが、何が起こったか明確にならない間に試合が再開する(※ファブリシオの右オーバーハンドを受け止めた際に、指を負傷した模様)。
ヴェウドゥムはローからパンチで前に出る。右腕を伸ばしたブラウンは、テイクダウンをスプロールして打撃戦のなかでフックを振るうが、ヴェウドムの左フックを被弾する。左腕を差してケージにブラウンを押し込んだヴェウドゥムがパンチを連打。離れたブラウンにシングルも切られて、後ろ回し蹴りへ。
トリッキーな蹴りとパンチを織り交ぜるヴェウドゥムだが、ブラウンが右をガードの上から打ち込む。ヴェウドゥムの右の蹴りをキャッチしたブラウンが、テイクダウンを奪うもここもスタンドで待ち受ける。と、起き上がったヴェウドゥムの右ストレートを受けてダウン。パンチを連打したヴェウドゥムはパンチからバックと取ってRCNへ。これを防いだブラウンだが、そのままパックマウントで殴られながら初回が終わった。
2R、テイクダウン狙いを切られ、後ろ回し蹴りから引き込んだヴェウドゥムだが、当然ブラウンは寝技には付き合わない。キレのある左ローを決めたヴェウドゥムに対し、ブラウンの右はやはり問題があるのか左ジャブを繰り返す。左ミドル、左前蹴りとガードの上からの攻撃をヴェウドゥムは狙っているのか。
腹を蹴り抜き、パンチで前に出たヴェウドゥムは左ジャブを受けても、左ミドルを返す。左ボディを伸ばしたブラウン、やはり右のパンチはない。ヴェウドゥムは左からの蹴りを多用、ブラウンも右ローを返す。と、また前転の蹴りを繰り出したヴェウドゥム、ファンは大きなブーイングを送った。
最終回、ヴェウドゥムはここも左ミドル。ブラウンは右ロー、右ストレートを伸ばしたヴェウドゥムだが、なかなか踏み込めずシングルレッグも失敗する。体力の消耗と戦うようなヴェウドゥムのファイト、ブラウンも右が使えず前に出ることはできない。と、ヴェウドゥムは勢いのある左ローを入れ、パンチの勢いが増す。左でフック、左ハイを繰り出すブラウンだが、ガードを突き破ることはできない。
残り75秒で右ストレートを伸ばし、つづいてワンツーも見せたブラウンは覚悟の1分に向かうのか。対してヴェウドゥムはスライディングのような動きを見せて、すぐに立ち上がる。トラビスも右に勢いはなく、軽いパンチの交換のなかで試合はタイムアップとなった。
と、おどけた表情を見せたヴェウドゥムに、トラビスのセコンドが詰め寄り──なんとヴェウドゥムが前蹴りを見せる。騒然となる場内で判定勝ちのコールを受けたヴェウドゥムは「彼は指を折っていたと思う。でも、試合を続けたウォリアーだ。そういう彼のことは好きだよ。レフェリーが止めていないから、僕は戦い続けるよ。3日前、友人の子供が酔っ払いに殺された。酒を飲んでドライブをしてはいけない」と話した。