【UFC97】カーンが省エネ戦法、元WEC王者撃破
■第7試合ライトヘビー級/5分3R
ルイス・カーン(ブラジル)
Def.3R終了/判定
スティーブ・キャントウェル(米国)
【写真】鋭い左右のハイキックを連発したキャントウェルだったが、一回り大きいカーンが迫力あるパンチで押し切った (C) ZUFFA
前に出るカーンに、キャントウェルは左ローを返していく。クラウチングのキャントウェルに対し、後足重心のカーンは左右のフックで前進し、組みついてきたキャンウェルの攻撃を完全に対応している。また、至近距離で右ハイを放つキャントウェルだが、カーンは危なげなくガードして、右を打ち込む。
左右のストレートから、右アッパーとキレを増すカーンは左ヒジまで見せる。距離が詰められないキャントウェルだが、対するカーンも深追いをせず、静かな攻防のなかで1Rを終えた。
2R、左ジャブをヒットさせたキャントウェルだったが、すぐにワンツーを返されてしまう。パンチをもらうと前に出る、が自らはなかなか歩を進めないカーンだったが、ラウンド中盤には首相撲からヒザを狙う。前に出てきたカーンに対し、キャントウェルは左フックをヒットさせると、ローキックからパンチ攻撃をつなげて攻勢に。首相撲からヒザで対抗するカーンだが、左ハイ、さらにショートフックでキャントウェルがペースを掴む。
左ローから右ストレートと、ダッチ・コンビネーションを見せたキャントウェル。カーンはミドルとローで距離のコントロールを図る。キャントウェルの左ストレートに、左アッパーを合わせたカーン。ジャッジの裁定が難しい試合は、最終ラウンドへ。
「ヘッドスリップから前へ、相手は疲れている」とセコンドの指示を受けたキャントウェルは、鋭いローを放つが、ヘッドスリップでカーンのパンチをかわすまでは至らない。反対にまとまったパンチを受けてしまったキャントウェルは、右ストレートから左ハイを放つが、ケーンは直後に飛び込んできたヒザをボディに放ち、その後、顔面への攻撃に上手くつなげる。
飛び込んで右ストレートをヒットさせたキャントウェルに、カーンは組みついていくが勢いはない。左右のハイをブロックしたカーンは、鋭い左右のフックをキャントウェルに見舞っていく。一見、動きが少ないようで相手の攻撃を受けると、直後に倍返しのように手数を集中させるカーンの省エネ戦法にしてやられた感のある、元WEC世界ライトヘビー級王者のUFC2戦目。その判定は3-0でルイス・カーンの勝者となった。