【UFN31】34カ月ぶりのトゥループ大会でケネディ×ナタウ
【写真】2年10か月ぶりのファイト・フォー・トゥループにティム・ケネディの登用は当然といえば当然 (C)KEITH MILLS
1日(火・現地時間)、UFCが11月6日(水・同)にケンタッキー州フォートギャンベルで開催されるUFC Fight Night31「UFC Fight Troop3」のメインでティム・ケネディとハファエル・サッポ・ナタウが対戦することを発表している。
当初、同大会のメインとしてケネディとリョート・マチダの一戦が組まれていたが、リョートが11月26日英国大会=UFN30でマイケル・ビスピンの代役としてマーク・ムニョスと対戦することが決まったため、サッポに代役出場の白羽の矢が立った。
ファイト・フォー・トゥループとはかつてWWEでも見られた米軍の慰問大会で、今大会がFFT03とカウントされているが、事実上の第1回大会は2006年12月にUFC Fight Night07として、サンディエゴの湾岸警備隊基地ミラマーで開かれている。その後、正式にFFTとして2008年12月にノースカロライナ州フェイエットビル大会が行われ、2011年1月にFFT02がテキサス州キリーンにて開催。以来、2年10ケ月ぶりにFFTが復活することとなった。
これまでFFTは全大会がSpikeでノーPPVとして中継されていたが、今回は当然Fox Sport1でライブ中継される。今もSpikeのBellator中継では米軍のCMが流されているが、FTTの復活後もCMが続くのかも注目されるところだ。またブラジルでは修斗BRが年に1度、FTTを参考にし、リオ州特殊警察=BOPEの慰問イベントを開いている。そのFight for BOPEではBOPE隊員の出場も少なくないが、本家FFTではあくまでもUFCの一大会として行われてきた。
そんなFTTが復活し、メインにケネディが登用されるのは、ある意味当然のことだろう。UFCでもコルトン・スミス、リズ・カモーシェ、その他にもアーミーコンバティブス優勝、IFLでケネディとの軍曹対決に敗れたダミアン・ステーリー、往年のUFCファイターの息子ハンター・ウォーシャム、WSOFで活躍中のスティーブ・カール、ストライクフォースで活躍したグアム出身のジョー・ドゥアルテ、オランダ軍で中東に赴いたディオン・スターリングなど、軍籍のファイターは決して少なくない。
そんななかアーミー・ファイターとして、先ごろ現役を退いたブライアン・スタンが、シルバースター勲章を授与されるなど、際立った知名度を誇っている。イラク戦争に敵軍の6日間に渡る包囲網から42人の部下全員を生還させたオペレーション・マタドールなど、逸話が大いに世に喧伝されるスタンを陽の存在とするなら、ケネディはあくまでも日陰の存在だった。海兵隊員だったスタンに対し、ケネディは元グリーンベレー。ブロンズスター勲章を授与されながら、事実隠匿が絶対の部隊に所属していたため、彼の戦場における活躍は明らかにされることがない。
ファイターとしての実績でもケネディはWEC世界ライトヘビー級王者だったスタンに次ぐ、結果を残している。元ストライクフォース・ミドル級コンテンダーは、UFC初陣でホジャー・グレイシーに判定勝ち。これといって特に秀でた点はないが、穴も見当たらないウェルラウンダーだ。対してサッポはグレイシーバッハBHの黒帯で、現在はNY在住。寝技の強さは絶対だが、マーク・ヘンリーとのトレーニングで打撃の間合いからテイクダウンへの流れがスムーズになった。一発はサッポ、耐久戦となればケネディに分がある。館内はケネディへの応援一色となることが予想される34カ月ぶりのファイト・フォー・トゥループのメインだ。