【Special】6月4日、国内初のセミナー前にヘナー・グレイシーに訊く──「グレイシー柔術とは?」
【写真】ヘナー・グレイシーによる、柔術セミナーはズバリ、サバイバル&フィニッシュ能力を高めるセミナーといえそうだ。写真は若きのヘナーの下を訪れた、茶帯時代の日沖発とのロール (C)MMAPLANET
柔術の神髄に国内で触れることができる機会がやってきた。6月4日(土)に東京都福生市の横田飛行場(横田基地内)にて、ヘナー・グレイシーのグレイシー柔術セミナーが開催される。
今回の来日では5月30日(月)から3日(金)までは米軍関係者が対象のセミナーが行われ、最終日に一般の人々が受講できる形を採っている。ヘナーといえば、エリオ・グレイシーの長男でUFCを生んだホリオンの次男。競技柔術の伝播に伴って世界中ブラジリアン柔術のトーナメントが開催されているが、ヘナーが指導する柔術の基礎はあくまでもエリオ・グレイシー流の護身、身を守ることを第一としている。
相手に仕留められない、生き延びるというのは、路上の現実として捉えやれやすいが、極めさせない技術という風に考えるとポイント有りの競技柔術愛好家、MMAファイターにも役立つ。現に米国ではあのロンダ・ラウジーやリョート・マチダらを筆頭に、ヘナーと実兄ヒーロンに柔術の手ほどきを受けるMMAファイターは少なくない。
「日本で初めてセミナーを開けて、こんなにエキサイティングなことはない。僕が人生を捧げてきた柔術は日本からやってきたものだ。そこに新たなエッセンスを加えた僕の柔術を日本の皆と共有できる機会を得ることができて本当に光栄に思っている。次にいつ日本に行くことができるか分からないので、この機会に少しでも日本の皆とマットにいられることができればと思っている」というヘナー。
彼が指導するグレイシー柔術とはどういうものなのか。いくつか質問を投げかけたところ、以下のような返答があったので書き記しておきたい。
──日本でブラジリアン柔術といえばIBJJFスタイルの競技柔術が多く広まっていますが、グレイシー柔術との違いを教えて下さい。
「グレイシー柔術にとってポイントは重きを置かれていない。勝利を得るのも、敗れるのもサブミッションによってなんだ。グレイシー一族で生まれ育った僕は、誰からもポイントを獲得することを言い聞かされたことはないんだ。いかにサブミッションで仕留められないようにできるか、どうやって相手のミスをついて、こちらが相手を仕留めるのか。
だからこそ、どのような競技者にとってもグレイシー柔術は有効で、このサブミッション・システムを多くの格闘家が重視している。コンペティションで戦ううえで罠を仕掛けて、サブミッションで仕留めて勝利するために、ね。6月4日には、サブミッション・システムをしっかりと皆に広めたいと思っている」
──つまりMMAファイターにも有効だということですね。
「何の異論を挟む余地がない──グレイシー柔術はMMAファイターに役立つものだよ。道着を着てトレーニングすることはサブミッションへの防御、エスケープをより明確に確立できる。そして、ノーギは攻撃面、コントロールという面でより研ぎ澄まされた感覚を身に着けることができる。最善を尽くすのであれば道着もノーギもトレーニングして、どちらの要素も身に着けるべきさ」
──今回はアドバンスも初心者も関係なく受講できるということですが。
「僕のゴールは少しでも多くの人々にグレイシー柔術を共有してもらうこと。面倒な人間関係や所属団体も、柔術には関係ない。全てのセミナー受講者に対し、その経験値に則した指導をさせてもらうつもりだよ。6月4日はグレイシー柔術と共に過ごし、生涯忘れることがない──そんな1日を過ごしてもらいたい」
なお今回のセミナーは米軍・横田基地で開催されるために、事前登録や証明書の携帯などいくつかの重要な手続き等が必要になってくる。
ヘナー・グレイシー・セミナーの受講を希望する方々は、コチラをしっかりチェックし、数々の日本の総合格闘家、そして柔術家がトーランスに足を運んでまで、教えを請うた──そんなグレイシー柔術の神髄に触れてほしい。