【on this day in】10月15日──2004年
【写真】イーブス×小谷。イーブスは今年、引退を発表。FOX系でUFCアナリストとして第二の人生を歩み始め、小谷は9月のUFC JAPANに出場している (C)MMAPLANET
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@ニュージャージー州アトランティックシティ、トロピカーナホテル・ショールーム
「ドン、まさにそんな音を立てて小谷直之が目の前で尻餅を着き、そのままイーブス・エドワーズのパウンドで敗れた。ユーフォリア・ミックスド・ファイティングチャンピオンシップ──MFCは、ロシアの芸能関係が資金を投入したと伝えられていた大会だが、実際のところは今も誰がパトロンだったのか。こういう大会は少なくなった。こういう大会というのは、大量の資金を投入できるパトロン──、あるいはインベスターからお金を集め、派手な大会を開く。イベントを開くことで、資金を回し、利益が生じれば続ける。無理なら、打ち上げ花火で終わる。MFCはライト級王座決定トーナメントを開き、小谷とイーブス以外にノルウェーからヨアキム・ハンセン、ロシアからセルゲイ・ゴリアエフ、ブラジルのエルミス・フランカに米国からはフィル・ジョンズ、リッチ・クレメンティ、ライアン・シュルツらを投入。他にもジェフ・モンソン、アントニオ・ジャウジらが出場、スペイン人ファイターも招聘するなど見事な多国籍軍興行だった。11年前だ、ライブストリーミングも一般的でなかった。このイベントが今、ネット中継を行って採算が取れるかどうかも微妙だけど、これだけの国の人間がいながら各国でのTV中継もなし、一体どうやって金儲けをしようとしていたのか。観客数は1000人弱、翌日同じアトランティックシティで行われたリアリティ・ファイティングは東海岸在住のローカルファイターだけのメンツ(メインは無名時代のエディ・アルバレスが出王)で、3000人の観客を集めた。1週間後にシティにやってきたUFCは集客9000人と苦戦していたが、PPV中継を持っていた。三者三様のMMAイベント、映像ビジネスでマネタイズできるか、地元集客型か。残ったのはこの2つだ。でも、根っからのMMAファン視線でいえば、パトロン・マネーで後先関係のないようなプチ豪華なマッチメイクを手掛けるMFCみたいなイベント、本当に楽しく贅沢で、凄く懐かしい」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。