【New Era APmma】RFCジョン・ムンホン代表、「韓03:日03:他04」
【写真】4月のソウル大会は、RFCの規模が一段階上がったビッグショーだった (C)MMAPLANET
急激に成長を遂げるアジア太平洋のMMA。MMAPLANETでは、「New Era APmma」としてアジア太平洋地区のファイター、関係者を紹介してきた。
最終回は活動3年目に大きな飛躍の時を迎えようとしている韓国のRoad FCジョン・ムンホン代表のインタビューをお送りしたい。人材育成に加え、日本との交流も年々スケールアップし、4月大会にはOFCと肩を並べアジア最大イベントといっても過言でない規模のイベントを開催してきた。
そんなジョン代表にタイトル戦線や日本人ファイターについて尋ねると、熱い返答が連続して寄せられた。
――5月の第1週、OFC主宰のMMAサミットに参加されてきたそうですが、その印象を聞かせてもらえますか。
「普段なかなか直接会えない友人や関係者と顔を合わせてコミュニケーションが取れて、とても良かったですよ」
――ところでRFCの4月大会は出場選手の顔ぶれ、試合内容もアジア最高レベルだったと思います。ジョン代表の4月大会の印象を教えてもらえますか。
「何が最高で何が最悪なのか基準は分かりませんが、個人的には最悪だったと言えます。大会に出場した全選手が一生懸命準備をし、素晴らしい試合を見せてくれましたが、運営サイド、そして審判陣の未熟な点が大きく目立ちました。
一生懸命準備をし、試合に臨んだ全選手が祝福を受け、労われなければならないのに、運営サイド、審判陣の未熟さがそれを壊してしまった。私自身、大会後大いに反省し、色々と考えることも多かったです」
――ヨアキム・ハンセンやティエリー・ソクジュ、ルイス・ラモスら国際的なファイターを登用しました。OFCは彼らこそがアジア最大のMMAイベントだと謳っていますが、4月大会を見る限りRFCの勢いはOFCを凌駕するようにも感じられました。
「OFCのビクター・クイは友人です。友人同士で争う必要は無いでしょう。これからも選手交流は続きます。ビクターはマーケティングなど私よりも素晴らしいビジネス能力を持っています。ただし、選手達を愛する気持ちでは、私は負けません。
RFCとOFC、どちらがアジア一の大会かということに関しては、あなたのようなメディアの方が冷静な視点で判断を下せば良いと思います」
――なるほど、その4月大会では韓国人×日本人の対戦は、4勝0敗で韓国人ファイターの全勝でした。PRIDE消滅前後にデビューした選手では、もう日本人にアドバンテージはないと思われましたが、ジョン代表は現在、韓国人ファイターと日本人ファイターの力関係をどのように捉えていますか。
「日韓トップクラスの何人かの選手は同じくらいの技量、レベルですが、トップクラス以下では日本の選手達の技量、レベルが上回っていると思います。日本は韓国と比較すると本当に格闘技界のインフラが整っているので、トップクラスから新人まで、アベレージで比較すると日本の選手達のレベルが、今も上であると思います」
――3月に完成間近という報が入ってきたRFC Coliseumですが、今後、コロシアムをどのように活用させたいのかお教えください。
「コロシアム(専用競技場)はROAD FCのイベントを開くには小さ過ぎます。現在企画しているオーディションを中心としたリアリティーショーなどのスタジオとして、これから使用していくことになるでしょう。その企画しているオーディションには韓国人選手だけでなく、海外の選手も出演してもらうようになります」
――RFCタイトル戦線ですが、ミドル級王者イ・ウンスが負傷で長期欠場するようですが、過去に日本の大山峻護選手も王座についたこの階級、暫定王座などを設ける予定はあるのでしょうか。
「そのような案は浮上しています。そうなるとしても、現王者のイ・ウンスと協議の上、暫定王座戦を行うことになるでしょうね」
――では、ライト級王座の方ですが、トーナメント決勝でナム・ウィチョルに敗れた日本の久米鷹介選手のことをジョン代表はどのように評価していますか。
「結果として、ナム・ウィチョルが勝利しましたが、試合内容では2人とも勝者です。必ずリマッチを行わなければならないと思っています」
――アジア太平洋地域のMMAではOFC、PXC、LFCも日本人ファイターを登用していますが、ジョン代表は日本人ファイターにどのような価値を見出しているのか、教えてください。
「私はパンクラス、DEEP、修斗を尊敬しています。これらの団体が存在するからこそ、日本の選手達はレベルが高いのだと思います。またこれまでROAD FCに参戦した大山、久米、佐藤といった選手達の礼儀、プロとしての立ち振る舞いには頭が下がる思いがしました。礼儀や対戦相手への一定の配慮が無い選手を私は登用したくありません。
今後のRFCのイベントに関して、出場選手の打ち分けは韓国人選手が30パーセント、日本人選手も30パーセント、その他各国の選手が40パートセントという割合になっていくでしょう」
――6月22日大会には、4月大会のように複数の日本人選手の招聘はあるのでしょうか。
「小見川道大、野地竜太、梅田恒介、吉田正子の他、数名の日本人選手が参戦します」
――またビッグネームの出場は?
「その件に関しては、正式発表を待ってください」
――分かりました。6月22日はM-1 KOREAやHEAT KOREAが同日開催されます。この日程のバッティングに関して、どのような想いでいますか。
「この件に関しても、メディアとして冷静な視点での評価を仰ぎます。私は自分の道を進むだけです」
――では今後、どのようにRFCを発展させていくのか。ビジネス的展望や、どのような日本人選手を望んでいるのか、日本のファンに教えてもらえないでしょうか。
「2013年はRFCにとって全世界にインパクトを残せる年にしたいと思っています。そして、2014年はよりレギュラー化させるべく、毎月1イベントの開催を目指します。そして、出場選手に関しては日本人選手に限らず、実力はもちろん、師匠を尊敬し、義理のある選手が理想です。
最後に日本のジムの館長、コーチの皆さん、そして選手達に一言お伝えしたいのですが構いませんか?」
――勿論です。
「素晴らしい技術、そして礼儀を教えてきた館長、コーチの皆さん、コーチを信じてついていく弟子達、選手の皆さんを尊敬しています。皆さんと力を合わせ、新しいMMA全盛期を一緒に作り上げていきたいです。今日はインタビューの機会を頂き、有難うございました」