【PXC34】ちょっと『?』なフライ級選手権試合、アレ・カリ王座防衛成功
【写真】場内の盛り上がりとは別、レベルには厳しいものがあったフィリピーノ人ファイター同士のフライ級選手権試合だった(C)MMAPLANET
<PXCフライ級選手権試合/5分5R>
アレ・カリ(フィリピン)
Def.3R終了時by TKO
アーウィン・タグレ(フィリピン)
PXCフライ級王者カリに挑む、タグレは同国MMA界のパイオニアの一人。マニラにサブミッション・スポーツというジムを持ち、大応援団に迎えられる。34歳のタグレに対し、21歳のカリ、年齢差13歳のタイトル戦だ。
まずは左ハイを見せたタグレだが、火を噴くようなカリのフックの威力に引き込むようにガードを取る。スタンドで待ち受けるカリは、左ハイをブロックしながら前進し、思い切りパンチを振るう。蹴りをだすものの、タグレはパンチを受けると動きが止る。笑いながらサイドキックでタグレの右ヒザを狙うカリ、両者の距離はタグレの左ハイで縮まる。
蹴り足を掴み、ボディブローを見せるカリは、パンチがほとんどフックで非常に粗いファイトに。首相撲からヒザを鼻頭に受けても、ハイが顔面をかすめても構わずパンチを放ち、スピニングバックキックにも返すのはパンチ、タグレが姿勢を崩して寝技には決して移行しないカリの左がタグレの顔面を捉える。
組みつきからガードワークを見せるタグレだが、カリは付き合わずスタンドで待ち受ける。パンチ・オンリーのカリが、勢いでタグレを圧倒した初回が終わる。2R、開始早々にテイクダウンを奪ったタグレが、即バスからサイドへ。ブリッジで逃げるカリ。そのままテッポウで態勢を変えたカリは、起き上がりギロチンへ。
【写真】挑戦者タグレの左ハイはヒットしていたが、パワー不足は否めなかった(C)MMAPLANET
首を引抜いたタグレは、スタミナ切れからすぐに立ち上がれない。それでもシングルでテイクダウンを奪ったタグレに対し、カリが首を抱えるもこの仕掛けは完成度が低い。首を抜いたがぐれは、またもテッポウで返され、続くスタンド戦ではハイから引き込む。ガードを取るタグレの顔面にスタンプを見舞ったとして、レフェリーが試合をストップし、タグレに回復の時間が与えられる。
再開後、荒い息をしたタグレは左ボディを受けて、自ら背中をつける。レフェリーのブレイクで立ち上がったカリにボディを連打したカリは、トップを取るも自ら距離を取る。右アッパーでしゃがみこむタグレ、完全にスタミナを切らしたようだ。
【写真】終盤は良いようにパンチで攻めていた王者カリだが、仕留めるチャンスは相当多かったはずだ(C)MMAPLANET
3R、開始早々に右フックから組みつくが、力が感じられないタグレ。口を空けて肩で息をし、その唇をカットして流血している。カリも腕を回したり、足を踏みこんだりして挑発行為を見せるだけに距離を詰めないため、レフェリーが注意を与える。
右ボディからアッパー、左のオープンブロー気味のパンチを繰り出すカリは、ほとんどノーガードでタグレの距離を受けながらパンチを見せる。笑顔を見せるも、実際はスタミナを消耗しているのは明らかだ。それでもカリはタグレをケージを詰めて、右を伸ばすなど試合を一方的な展開でリードする。ただ、立っているのみといっても過言でなくなったタグレは、組みつくがボディにパンチを受けて、ここでも引き込む。
疲れ切ったタグレを相手にしてもなお、寝技には付き合わせないカリ。3R終了と同時に大の字になったタグレは、試合続行不可能をドクターに告げ、カリの王座防衛が決まった。