【Sambo】MMA経験のある2014年コンバット世界王者<05>キリル・シデリニコフ&脅威ロシア式育成術
【写真】コンバットサンボで世界の頂点に立ったことが、MMAでの活動再開につながるのか(C)MMAPLANET
21日(金)、23日(日)まで3日間に渡り千葉県成田市の中台運動公園体育館で行われた2014 World SAMBO Championship Japan(世界サンボ選手権大会)。同大会からMMAで活動する2014年コンバットサンボ世界王者が5人誕生した。最後はキリル・シデリニコフを紹介したい。
MMAの経験のある2014年世界サンボ選手権、コンバットサンボ優勝者のトリを飾るのは100キロ超級優勝のキリル・シデリニコフ(ロシア)だ。準決勝で日本の野村幸汰を寄せ付けず、2度のダウンを奪いKO勝ちしたシデリコフは、決勝でもブルガリアのマルチン・マリンコフを乱打戦のなかで投げ、抑え込んで世界一の座に就いた。シデリコフのMMA戦績は7勝4敗、しかし4年もMMAを戦っておらず、事実上活動は停止のようなものだ。アフリクションでは元UFCファイターで、現在はLegacy FCで活躍中のポール・ブエンテーロに敗れている。ただ、シリデコフは4年もMMAで戦っていないが、まだ26歳。世界王座獲得とともに、MMAの舞台に戻ってくることも大いに考えられる。
以上、5名がMMAを戦う2001年コンバットサンボ世界王者だ。日本を始め、MMA最強の米国、そして柔術の母国ブラジルでさえもMMAファイターは、MMAというビジネスが好調でなければ育たない。ローカルショーが活性化してこそ、人材の育成がなる。ビジネスとしてMMAが好調、あるいは堅調な国では、大会数も増え選手の経験値違も上がってくるという図式が出来上がっている。そんななかロシアではMMAでなく、しかも興行形式を取らず競技・スポーツとして、このコンバットサンボや空道が存在する。空道では2大会連続で世界を制したアダム・カリエフが、上記のオスパノフの出場しているロシアのLeagueS-70という大会で5連勝(通算戦績は6勝0敗)し、UFCと契約を果たしている。
UFCを頂点としたMMAは、プロスポーツ&エンターテイメントだ。UFCとBelaltorとのTV戦争で見られるように資本主義社会の副産物、あるいは賜物という見方ができる。そんななか、MMAでない競技で現代MMAに必要な素養を身に着け、その経験がMMAに生きるシステムが根付きつつあるロシア、そして旧ソ連の中央アジアの国々。MMA21年の歴史のなかで、彼らだけが持つこの育成環境は5年後、10年後のMMA界の勢力分布図を変えることになるかもしれない。