【UFN16】吉田と戦うコスチェックが魅せた静かなる闘志
10日(水・現地時間)、米国ノースカロライナ州フォートブラック基地で行われる『UFC FIGHT NIGHT Fight for the Troops』。ここで日本の吉田善行と対戦するジョシュ・コスチェックは、この大会のメインで戦うことが早々に決定していたが、10月25日の『UFC80』でディエゴ・サンチェスの欠場により、代役出場。チアゴ・アウベスと激しい一戦を繰り広げた。結果、判定負けを喫したコスチェックだったが、驚くべくことに、同大会で吉田戦をそのまま受けることを了承。口数少ないコスチェックは、並々ならぬ決意で吉田戦に臨む。
【写真】アウベス戦の3日後から、AKA(アメリカン・キックボクシング・アカデミー)で練習を再開していたジョシュ・コスチェック。静かなる闘志を吉田戦に燃やす (C) MMAPLANET
「ヨシダが何者なのか、米国のファンも知ることになる」
Interview by Manabu Takashima
――AKAはズッファとの契約問題で、揺れに揺れていましたが、12月10日に『UFC FIGHT NIGHT』で日本の吉田善行選手と戦うことは早々に発表されていました。コスチェック選手としては、どのような心境だったのですか。
「そういうことには神経を使いたくない。今、俺に必要なことは次の試合に集中することだけ。試合のことしか考えたくなかった。とにかくヨシダとしっかりと戦うこと、契約云々はそれから考えたい」
――ところで10月25日にチアゴ・アウベスと、本当に僅かな準備期間で戦ったばかりです。
「チアゴ戦のオファーを受けたのは2週間前、練習できたのは7日間だ。ただ、準備期間なんて関係ない、俺はあの時、彼と戦える体調にあったし、勝つ自信もあった。だから受けたんだ。負けた試合について、言い訳はしたくないし、敗北はこのスポーツ、ファイティングは起こりうることだ」
――判定負けこそしてしまいましたが、ピッチブルの激しい打撃を受けても、最後まで向かっていく気持ちを見せ続けた称賛に値するファイトだったと思います。
「う~ん、ずっとハードトレーニングを積んできたし、もの凄くシリアスに、自分のやっていることについて考えている。毎日、毎日、ジムで柔術、打撃、スパーリングを繰り返してきた。自分の仕事を全うするためにね」
――正直なところ、ここAKAでコスチェック選手の練習を見るまで、ここほどまで寝技ができるとは思ってもいませんでした。
「柔術の練習は、デイブ・カマリロの下でずっとやってきた。昨日はノーギのトレーニングだったけど、道衣を着ての練習も続けている。柔術だって紫帯なんだ。道衣を着たトレーニングは、ノーギでの試合にとても役立つ。テクニックを習得するには最適だよ」
――それにしても、ピッチブル戦後に再び12月10日に戦うことを了承するとは思いませんでした。
「最初から12月にも戦うつもりだった。契約も済ませていたし、ヨシダは9月にカロ・パリシャン戦が流れて、次の試合まで変なことになったら気の毒だ。彼は米国では有名なファイターじゃないけど、12月10日の試合でヨシダが何者なのか、米国のファンも知ることになるだろう。彼はタフだし、そんな彼もタフな相手を求めていた。だから、ケガがない限り、チアゴと戦おうが、俺は彼と戦うつもりでいたんだ」
――では、あれだけの試合をしてケガはなかったということですね。
「少しはあったさ。でも、すぐに治ったし、3日後にはジムに戻っていつも通り練習を再開したんだ」
――吉田選手の手強い点はどこだと思いますか。
「彼は柔道出身だけど、オールラウンダーだ。打撃もできるし、サブミッションにも長けている」
――試合をチェックしたことはありますか。
「UFCの試合は見ていない。でも、俺のコーチや練習仲間が見ていて、彼らがヨシダのことをタフだと言っていたんだ」
――ピッチブル戦で敗れたことで、早く白星を手にして、敗北を払拭したい。そんな気持ちから吉田戦を敢行することになったということはありませんか。
「さっきも言ったように、勝とうが負けようが、もともと戦う契約だったんだから、戦うつもりでいた。チアゴ戦の勝敗に関わらず、決定権はUFCでなく俺にあったんだ。
だから、俺は予定通り戦うんだ。この試合を戦うことにしたのは、ヨシダを認めているから。そして、米軍基地で行われる大会のメインイベント、スパイクTVで全米に中継されるからだよ。ビッグファイト、とてもエキサイティングな試合になるだろう」