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【RFC16】高瀬大樹 「パッキャオ&メイウェザー&ヒクソンで」

Daiju Takase vs Whi Seung-Bae

【写真】クミ大会を知り切るイ・チャンソプ氏を中央に高瀬大樹と急遽対戦が決まったウィ・スンベ。ウィ・スンベはナム・ウィチョルやクォン・ベヨンの属するチーム・パシの代表を務めている(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)に韓国クミのパク・チョンヒ体育館で開催されるRFC16。その前半戦、YoungGuns15の最終試合に高瀬大樹が出場、ウィ・スンベと対戦する。

本来、ミドル級でキム・フィスンと戦う予定だったが、試合の3日前に負傷欠場が決定、代役のウィ・スンベとライトヘビー級で戦うこととなった。デビューから16年、かつての寝業師は、打撃の成長を実感し、相手の攻撃を受けないスタイルが完成した断言する。対戦相手変更の顛末、そして明日の試合への意気込みを尋ねた。

――初のRFC参戦ですが、まさかの試合3日前に対戦相手が変更となりました。

「ハハハハ。渡韓前日の夜ですね。『なんで、このタイミングで眼窩底骨折するか?  おかしくないか』ってまず思いました。ビックリしました、本当に。結局、こっちに来てからもしっかりとした説明はないですが、しょうがないですよね。エージェントからも、『代替カードは飲まなくても、次の試合は絶対に用意します』って言ってもらえたんです。でも、今回、凄く良いトレーニングしてきたんで、戦いたくて……。『まぁ、いいか。やろう』って」

――キム・フィスンの負傷から、ウィ・スンベとの代替カード、同時に連絡があったのですか。

「いえ、少し間はありました。『弟子のミスの責任は指導者の自分が取る』ということでウィ・スンベが戦うと。でも、98キロ体重があるから、5キロほどしか体重は落せないという断りがありました。セコンドの加藤(清尚)先生、エージェントと相談して、ならば削らせようという結論になり、『88キロまで落とせ』と最初は返答しました。自分は84・5キロまで落とすつもりだったので。

でも、即答でノー。無理だって返事があったので、じゃあ88・5キロだって(笑)。最終的に向こうは93キロまでしか落とせないと言っているのをRFCのジョン・ムンホン代表が92キロまで落とさせると約束してくれたんです。桜木(裕司)さんとの試合もライトヘビー級契約だったし、通常体重は93キロから95キロ。ラントレも息上げもこの体重でやっているし、キックボクシングの試合もヘビー級で出たので、まぁいいかって」

――ウィ・スンベ対策をする時間は当然ないわけですよね。

「そうですね。対策もクソもなかったです。ただ、試合映像は一応見ました。いずれにせよ、自分のスタイルっていうのはキックでも、MMAでもやっと確立できたので、その型にはめるだけですから」

――高瀬選手のMMAの型にはまった戦い方とは、どういうものなのでしょうか。

「第一に打ち合わない。行く時は行くけど、いなして距離を取る。簡単にいうと、僕が目標にしているのはインファイトのときはマニー・パッキャオ、ディフェンスはフロイド・メイウェザーJr。そこにムエタイをやっているので、首相撲やヒザ、あと寝技はヒクソン級のスタイルという……。パッキャオ、メイウェザー、ヒクソン。金網に押し付けてテイクダウンに拘るとか、そういうのはないです。エルボーも2年以上前から使い始めて、自然に出るようになっています。それが自分のなかでの北米スタイル。自分の攻撃は当てるけど、相手の攻撃は一発も貰わない戦いです」

――打撃は加藤清尚さんと練習しているのですか。

「あとボクシングの某現役世界チャンピオンのトレーナーに来ていただいて、マンツーマンでやっています。本当にレベルの高いボクシングの練習ができています」

――組技の方は?

「組技は岡見勇信、福田力、安西信昌とかと、今回はトレーニングキャンプのような形でやってきました」

――慧舟會東京道場とチームCLIMBで練習しているということですか。

「二つ合せて、ジャパニーズ・トップチームと呼んでいます(笑)。新村優貴さん、長谷川賢君、シング・ジャディブとか。岡見なんか、10何年振りに練習して……。先輩の意地は見せたぞ――みたいな(笑)。ヤラれねぇぞ、そう簡単にはと。それで自信にもなりましたね」

――MMAは1年8カ月振りです。この間、強くなったと自身で思うことは?

「全然、ありますね。ウェイトも本気でやりましたし。トレーナーからも『見せかけのトレーニングは辞めたんですね』って言われて(笑)。トレーナーの言いつけを守り、デッドリフト200キロとか、オーバーワークすれすれのところでやってきました。UFCで戦ってきた岡見や力とか、UFCを目指している安西とスパーリングをして、『いける』、『強くなっているわ』という感触を得ることができたんです」

――デビューして16年、集大成に入ってきていることは間違いないと思います。

「そうですね、20歳でデビューしたので。自分のなかでも、あと1年半かなと思っています。長くて」

――そういうなかでRFCで戦うことを選んだ理由は? これから最後、どこを目標に置いているのですか。

「RFC、タイのDAREも復活します。最後は……やるからには、1年半でどうなるか分からないけど、UFCに行きたいというのはあります。ぶっちゃけ、『もう辞めたら』と言ってくる人も少なくないです。『もう、ビジネスやんなよ』って。でも、まだやり残したことがあるので。打撃が上達して、自分のスタイルが出来た。もっと前に出来ていれば、もう今頃引退していたかもしれないです。

でも、干されていた時期もあったし、プロレスしかできない時期もあった。今、自分の戦い方が完成したので……、まぁ今回はライトヘビー級なんですけど、自分の戦いをしたいです。とにかく、自分のやってきたことを試せるのが楽しみで。親の仇でもないし、殺し合いじゃない。ただ、命は削って練習してきたので、ケージに入った時に、研ぎ澄まされた感覚がある。ホント、楽しみなんです」

――それを実践して、ファンに説得力のある試合ができること期待しています。

「ハイ、桜木さんと戦った時も、蹴り2発を貰っただけで、間合いに入らせることもなかったんです。パンチは完全に見切れました。あの時に、自分のスタイルが完成に近づいていると感じました。それが1度で分かってもらえないなら、もう1回、明日の試合でしっかりと見てもらいたいと思います。何回でも見てもらいます。ケージだから、余計に戦いやすいですしね。ラストスパートを見て欲しいです」

■ROAD FC16 計量結果

<RFCフライ級王座決定戦/5分3R>
チョ・ナムジン : 57.4キロ
ソン・ミンジョン : 57.45キロ

<ミドル級/5分3R>
ユン・ドンシク : 84.45キロ
福田力 : 84.35キロ

<ライト級/5分3R>
イ・グァンヒ : 70.45キロ
ブルーノ・ミランダ :70.35キロ

<女子54キロ契約/5分2R>
ソン・ヒョギョン : 53.5キロ
木村葉月 : 49.5キロ

<チュモギンダオ特別試合フェザー級/5分3R>
パク・ヒョンクン : 65.85キロ
イム・ビョンヒ: 65.05キロ

■Young Guns15計量結果

<ライトヘビー級/5分2R>
ウィ・スンベ : 91.9キロ
高瀬大樹 : 91.4キロ

<ミドル級/5分2R>
ユン・ジェウン : 89.45キロ
イ・ユヒョン : 80.9キロ

<ライト級/5分2R>
チョ・ヨンジュン : 70.2キロ
ジョン・チャンヒョン : 70.2キロ

<ライト級/5分2R>
リュ・ギョングァン : 70.1キロ
ユ・テウ : 70.3キロ

<フライ級/5分2R>
キム・ジンミン : 57.5キロ
キム・ギュファ : 57.2キロ

<ミドル級/5分2R>
ソル・ボギョン : 84.4キロ
キム・デソン : 84.4キロ

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